SOXAI RINGとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > SOXAI RINGの意味・解説 

SOXAI RING

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/07 15:17 UTC 版)

SOXAI RING
SOXAIの「SOXAI Ring」。名古屋市内の家電量販店で撮影。
開発元 株式会社SOXAI
種別 スマートリング
発売日 2022年
外部接続 Bluetooth Low Energy (BLE)
ウェブサイト soxai.co.jp

SOXAI RING(ソクサイリング)は、日本の株式会社SOXAIが開発・販売するスマートリングの製品シリーズである[1][2]。指に装着して心拍数や心拍変動、皮膚温度、酸素レベル、活動量などを取得し、専用のスマートフォンアプリを通じて睡眠、体調、運動などに関する情報を表示する[3]

2022年3月にMakuakeで初代製品のクラウドファンディングを開始し[1]、その後「SOXAI RING 1」「SOXAI RING 1.1」「SOXAI RING 2」へとモデルチェンジが行われた。2026年8月には次世代モデル「SOXAI RING X」が発表されている[4]

概要

SOXAI RINGは、リング内側に搭載された光学式センサー、温度センサー、加速度センサーなどを用いて装着者の生体情報や活動情報を取得するウェアラブルデバイスである[3][5]。取得したデータはBluetooth Low Energy (BLE)を介してスマートフォンと連携し、専用アプリ上で確認する[3]

初代製品では心拍数、心拍変動、体表面温度、酸素レベル、歩数や消費カロリーなどを計測対象としていた[1]。後続モデルでも睡眠、体調、運動を中心とする健康情報の記録・分析を基本機能としている[5]

本体にはスマートウォッチのような表示画面を備えず、取得した情報の確認は主にスマートフォン側で行う[6]。SOXAIは本シリーズを一般的なウェルネス・フィットネス用途の製品と位置付けており、医療機器ではなく、疾病の診断、治療、予防を目的とするものではないとしている[7]

沿革

初代 SOXAI Ring

2022年3月1日、SOXAIはMakuakeで初代「SOXAI Ring」のクラウドファンディングを開始した[1]。ITmedia ビジネスオンラインによれば、個人向けの単品は開始から数日で完売し、同年3月下旬までに1,800人を超える支援者から4,600万円を超える資金を集めた[1]

後年のSOXAIの資料では、この初代モデルは「SOXAI RING 0」と呼称されている[8]

2022年11月にはテレビ朝日系列のニュースで製品が取り上げられ、光学センサーを用いた心拍数などの計測方法、睡眠中の利用、ストレスに関する機能などが紹介された。同報道によれば、同年11月2日時点で4,000台の予約が入っていた[9]

週刊アスキー』1438号(2023年5月9日発行)では初代製品が取り上げられ、光学式バイタルセンサー、温度センサー、加速度センサー、ジャイロセンサー、BLE通信、非接触充電などの構成や、専用アプリによる睡眠・活動情報の表示が紹介された[3]

SOXAI RING 1

2023年7月18日、SOXAIは第2世代にあたる「SOXAI RING 1」の予約販売を開始した[10]。初代で使用されていたステンレス製の外装からチタン製へ変更され[3][10]、筐体形状の変更や、シチズン時計の表面硬化技術「デュラテクト」の採用が行われた[10]。予約分は同年9月下旬から順次発送された[10]

同モデルは2023年度グッドデザイン賞を受賞した[11]

SOXAI RING 1.1

2025年4月30日、NTTドコモが「SOXAI RING 1.1」の販売を全国のドコモショップやオンラインショップなどで開始した[12]。同年5月28日にはSOXAI公式オンラインストア、Amazon、一部家電量販店などで一般販売が開始された[8]

RING 1.1では睡眠評価のロジックが更新され、睡眠時間、睡眠効率、中途覚醒時間、入眠潜時、睡眠タイミング、日中覚醒度、呼吸の安定性の7項目から睡眠スコアを算出する構成となった[5]。また、回復指数などの指標や、睡眠・体調・運動のスコアに応じて生活習慣に関する提案を表示する機能が追加された[5]

NTTPCコミュニケーションズは同年5月30日からRING 1.1の企業向け取り扱いを開始した[5]。同社は「健康経営支援サービス」の対象デバイスとして同年10月以降を目途に追加する予定とし、NTTコミュニケーションズは「あなたの健康応援団」の対象デバイスとして同年5月30日から取り扱いを開始した。また、NTT PARAVITAの睡眠改善支援サービス「ねむりの応援団」における睡眠不調者のスクリーニングにも使用可能とされた[5]

SOXAI RING 2

2025年12月10日、「SOXAI RING 2」が発売された[13]。幅6.7 mm、厚さ2.7 mm、重量2.1 - 2.7 gとされ、外装にはチタン合金(Ti-6Al-4V)が採用された[14]。発売時の連続駆動時間は、リングサイズなどの条件により最大14日間とされた[13][14]

RING 2では、SOXAIが「Deep Sensing」と呼称する光電容積脈波(PPG)センサーが新たに採用された[14]。SOXAIは、このセンサーに用いる空間分解型の多波長PPG技術について特許第7655609号を取得したとしている[14]。同特許は「スマートリングおよびスマートリングシステム」の名称で登録され、発明者は渡邉達彦、特許権者はSOXAIとなっている[15]

製造面ではシャープの技術支援を受けて国内での量産体制が構築された[13]ITmedia NEWSは、製品が福島県内の工場で製造されていると報じている[16]

2026年6月には、RING 2向けに「熱中症リスクアラート」が追加された。活動時の心拍数と体表温度、および環境省が提供する暑さ指数(WBGT)を組み合わせ、一定の条件でリスクが高いと判定した場合にスマートフォンへ通知する機能である[17]

2026年8月19日の仕様更新では、20 - 26号を省電力モードで使用した場合の最大理論値として、連続駆動時間が15日間とされた[7]

SOXAI RING X

2026年8月、次世代モデル「SOXAI RING X」が公表された[4]。発表時点の開発中仕様ではリング幅5.19 mm、バッテリー持続時間最大10日間とされている[18]

2026年9月7日時点では製品本体は一般販売前で、Kickstarterでのクラウドファンディングを同月中旬に開始する予定とされている[18]

利用と展開

SOXAI RINGは一般消費者向け製品として販売されるほか、企業向け健康管理サービスや実証事業にも利用されている。

2025年、NTT DXパートナーとSOXAIは、Konelの開発支援を受け、経済産業省の「令和5年度補正PHR社会実装加速化事業」の一環として「ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM」を開発した[19]。同システムではSOXAI RING 1を使用して睡眠状態、ストレス値、心拍数などのPHRデータを記録し、そのデータに応じて衣服に内蔵された音響・照明設備を動作させる構成が採用された[19]

東洋経済オンラインは、SOXAI RINGシリーズの累計販売台数が2025年11月時点で5万台を超えたと報じている[20]

評価

2023年、『家電批評』編集部と専門家によるスマートリングの比較検証では、初代SOXAI RingとOura Ring Gen3 Horizonが比較された。SOXAI Ringは総合B評価となり、睡眠計測とバッテリー持続時間は肯定的に評価された一方、運動時の心拍計測や、当時テスト版だったアプリの完成度などが課題として指摘された[21]。同検証ではSOXAI Ringの運動計測を「不合格」、睡眠計測を「良好」、バッテリーを「優秀」と評価した[21]

Impress Watchでは2025年5月、筆者が自ら購入したSOXAI RING 1を約3か月使用したレビューが掲載された[22]。同筆者は2026年3月にも約1年間の継続使用を振り返る記事を掲載し、途中でRING 1からRING 2へ移行しながらデータを継承して使用したことを報告している[23]

ITmedia NEWSは2026年2月、RING 2を約1か月間ほぼ毎日使用したレビューを4ページにわたって掲載し、筐体の小型化や長時間の装着、バッテリー持続時間などを評価した[16]。GetNavi webも同月に実機レビューを掲載し、ディスプレイや通知機能を持たないことをスマートウォッチとの相違点として挙げる一方、幅6.7 mmであっても装着時には一定の存在感があると評した[6]

Business Insider Japanは2026年4月にRING 2を試用し、実使用時のバッテリー消費の少なさや軽量さを評価する一方、一般的な装飾用の指輪と比較すると厚みがあり、装着する指によっては隣接する指との接触や、スマートフォン・箸などを持つ際に存在を感じる場合があると指摘した[24]

受賞

初代SOXAI Ringは、りそな中小企業振興財団と日刊工業新聞社が共催する第35回「中小企業優秀新技術・新製品賞」の一般部門で優秀賞を受賞した[25]

SOXAI Ring 1は2023年度グッドデザイン賞を受賞した[11]。審査委員は、常時生体情報を取得するために指輪型を採用したこと、筐体の小型化や肌当たり、サイズ・色・表面処理などの展開を評価した[26]

研究

SOXAI RINGは、生体計測や睡眠推定に関する研究にも使用されている。以下の研究の一部にはSOXAI所属研究者が著者として参加している。

2025年、『Journal of Digital Life』に、SOXAI Ring 1で測定した末梢血酸素飽和度(SpO2)を臨床用パルスオキシメータと比較する研究が掲載された[27]。鹿屋体育大学とSOXAIの研究者が参加し、10人の被験者を対象に低酸素環境下で測定を行った。6,793のデータ点について比較した結果、臨床用パルスオキシメータに対するSOXAI Ring 1の二乗平均平方根誤差(RMSE)は3.55%だった[27]

同年、『Sensors』には、身体活動中の光電容積脈波(PPG)から心拍数を推定する手法についての研究が掲載された[28]。研究で用いられた「UTOKYO」データセットでは、20人の参加者がSOXAI RING 1を装着して歩行、走行、ウォームアップを行い、PPGおよび加速度データが取得された[28]

同論文は利益相反欄で、SOXAIが複数の著者の常勤または非常勤の雇用主であり、給与、測定機器、関連ファームウェアを研究に提供したことを開示している。一方で、研究デザイン、データ収集・解析・解釈、論文公表の決定にはSOXAIは関与しなかったとしている[28]

また2025年には、エセックス大学東京大学、SOXAIの研究者によるスマートリングを利用した睡眠ステージ推定研究が『IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement』に掲載された[29]。同研究ではPPGから算出した心拍情報と加速度データを入力とする軽量ニューラルネットワークを用い、覚醒・睡眠状態を複数段階に分類する手法が検討された[29]

関連項目

脚注

  1. 1 2 3 4 5 小林香織 (2022年3月28日). ローンチ5日で完売に! 日本発の「スマートリング」が期待されるワケ”. ITmedia ビジネスオンライン. アイティメディア. 2026年9月7日閲覧。
  2. 徳田菜月 (2025年10月8日). すごいベンチャー【16】SOXAI/唯一の国産スマートリングで体調管理を応援”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. 2026年9月7日閲覧。
  3. 1 2 3 4 5 ドリル北村 (2024年1月4日). 日本発のスマートリング「SOXAI Ring」で健康管理しよう”. ASCII.jp. 角川アスキー総合研究所. 2026年9月7日閲覧。
  4. 1 2 三浦一紀 (2026年8月21日). 6.7mm→5.19mm。もうこれスマートリングとは分からないくらい細くなったのでは”. Gizmodo Japan. 2026年9月7日閲覧。
  5. 1 2 3 4 5 6 企業向け健康管理用スマートリング「SOXAI RING 1.1」の取扱い開始について”. NTTPCコミュニケーションズ. NTTPCコミュニケーションズ (2025年4月30日). 2026年9月7日閲覧。
  6. 1 2 GetNavi web編集部 (2026年2月7日). 通知が来ない静かなスマートリング「SOXAI RING 2」はスマートウォッチと何がちがう?”. GetNavi web. ワン・パブリッシング. 2026年9月7日閲覧。
  7. 1 2 製品仕様”. SOXAIヘルプセンター (2026年8月19日). 2026年9月7日閲覧。
  8. 1 2 日本発の健康管理用スマートリング「SOXAI RING」の新モデル「SOXAI RING 1.1」5月28日より一般販売開始”. SOXAI. SOXAI (2025年5月28日). 2026年9月7日閲覧。
  9. 【日本初・世界最小】睡眠も可視化…健康状態がわかるスマートリング”. テレ朝news. テレビ朝日 (2022年11月7日). 2026年9月7日閲覧。
  10. 1 2 3 4 新商品「SOXAI RING 1」の予約販売を開始いたしました”. SOXAI. SOXAI (2023年7月18日). 2026年9月7日閲覧。
  11. 1 2 スマートリング[SOXAI Ring 1]”. GOOD DESIGN AWARD. 日本デザイン振興会. 2026年9月7日閲覧。
  12. SOXAI RING 1.1”. NTTドコモ. NTTドコモ. 2026年9月7日閲覧。
  13. 1 2 3 太田亮三 (2025年12月10日). 高精度・スリム化 全方位進化の国産スマートリング「SOXAI RING 2」”. Impress Watch. インプレス. 2026年9月7日閲覧。
  14. 1 2 3 4 日本発の睡眠管理用スマートリング「SOXAI RING」の新モデル「SOXAI RING 2」、12月10日より一般販売開始”. SOXAI. SOXAI (2025年12月10日). 2026年9月7日閲覧。
  15. スマートリングおよびスマートリングシステム”. J-GLOBAL. 科学技術振興機構. 2026年9月7日閲覧。
  16. 1 2 いしたにまさき (2026年2月11日). “世界最細”が日常を変えた 国産スマートリング「SOXAI RING 2」を約1カ月使って分かったこと”. ITmedia NEWS. アイティメディア. 2026年9月7日閲覧。
  17. 熱中症リスクアラート”. SOXAIヘルプセンター. SOXAI (2026年6月12日). 2026年9月7日閲覧。
  18. 1 2 SOXAI RING X | クラウドファンディング限定価格パス”. SOXAI. SOXAI. 2026年9月7日閲覧。
  19. 1 2 外出できる未来の睡眠ウェアプロダクト「ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM」を開発。大阪・関西万博の出展に先立ち、2/6(木)に都内にて先行公開”. NTT DXパートナー. NTT DXパートナー (2025年2月6日). 2026年9月7日閲覧。
  20. 岡本健太郎 (2026年3月27日). 神奈川県のスタートアップ「エコシステム」の現状と自治体のオープンイノベーション支援の実態”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. 2026年9月7日閲覧。
  21. 1 2 「Oura Ring Gen3 Horizon」レビュー! 充電も体調の可視化も楽にできておすすめ(家電批評)”. 360LiFE. 晋遊舎 (2023年3月2日). 2026年9月7日閲覧。
  22. 太田亮三 (2025年5月10日). 指輪デバイスが問う本当のスマートさ SOXAI RINGを試してみた”. Impress Watch. インプレス. 2026年9月7日閲覧。
  23. 太田亮三 (2026年3月1日). スマートリング「SOXAI RING」を1年間使ってみて”. Impress Watch. インプレス. 2026年9月7日閲覧。
  24. 佐藤文彦 (2026年4月24日). 睡眠管理に特化したスマートリング「SOXAI RING 2」を試す。14日間のバッテリーもちが実用的”. Business Insider Japan. 2026年9月7日閲覧。
  25. 新技術・新製品表彰事業 過去の受賞作品”. りそな中小企業振興財団. りそな中小企業振興財団. 2026年9月7日閲覧。
  26. 今週のグッドデザインを紹介します(4/3〜4/12)”. グッドデザイン賞事務局. 日本デザイン振興会. 2026年9月7日閲覧。
  27. 1 2 Morinaga, Hirotsugu; Crepaldi, Sabrina; Wang, Jiabin; Otsuka, Naoki; Watanabe, Tatsuhiko; Takai, Yohei (2025). “Accuracy of peripheral oxygen saturation (SpO₂) at rest determined by a smart ring: A Study in Controlled Hypoxic Environments” (英語). Journal of Digital Life 5. doi:10.51015/jdl.2025.5.6 2026年9月7日閲覧。.
  28. 1 2 3 Crepaldi, Sabrina C.; Wang, Jiabin; Matsumoto, Fumiya; Takeuchi, Hiroki; Watanabe, Tatsuhiko; Yamamoto, Yoshiharu (2025). “A Stability- and Aggregation-Based Method for Heart Rate Estimation Using Photoplethysmographic Signals During Physical Activity” (英語). Sensors 25 (14): 4315. doi:10.3390/s25144315 2026年9月7日閲覧。.
  29. 1 2 Sharan, Roneel V.; Takeuchi, Hiroki; Kishi, Akifumi; Wang, Jiabin; Watanabe, Tatsuhiko; Yamamoto, Yoshiharu (2025). “Sleep Staging Using PPG-Derived Heart Rate and Accelerometer Data From a Smart Ring With Lightweight Neural Networks” (英語). IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement 74: 1-14. doi:10.1109/TIM.2025.3635330 2026年9月7日閲覧。.

外部リンク




英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語
  •  SOXAI RINGのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

SOXAI RINGのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



SOXAI RINGのページの著作権

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのSOXAI RING (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2026 GRAS Group, Inc.RSS