2M-3とは? わかりやすく解説

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2M-3

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/25 10:45 UTC 版)

2M-3
2M-3M
種類 艦載機関砲
原開発国 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
諸元
重量 15,000 kg(マウント重量)[1]

砲弾 0.281 kg[1]
口径 25 mm口径 / 79口径長[1]
銃砲身 水冷式、2連装[1][2]
仰角 -10°/+85°[1]
俯仰速度:70°/秒{[1]
旋回角 360°[1]
旋回速度: 40°/秒[1]
発射速度
  • 450発/分(1門、最大)[1]
  • 270 - 300発/分(1門、実用)[1]
初速 900 m/秒[1]
最大射程 3,000 m[1]
装填方式 ベルト給弾式[2]
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2M-3ロシア語: 2М-3)は、ソビエト連邦が開発した艦載用の連装機関砲[1][3]。25ミリ口径の機関砲を上下に2基搭載した連装砲架であり、1950年代にソビエト連邦や友好国の艦艇に広く搭載されたほか、中国でも派生モデルが製造されている[1][2][3]

開発

後方から

2M-3の開発は、1945年2月に海軍砲科科学研究所(АНИМИ)が提示した、183型魚雷艇ロシア語版英語版(NATOコード:P-6型魚雷艇)および184型魚雷艇向け機関砲架の技術仕様から始まった[4][5]

開発はА.С. Харыкинを主任設計者として第43設計局(ОКБ-43)で進められ、1946年から1950年にかけて計4基の試作品を使った試験が繰り返された[4][5]。最初の3基の試作は第43設計局で行われ、4基目の試作と以後の量産はトゥーラ機械製造工場ロシア語版第535工場が担当している[4][5]1953年2月27日付のソ連閣僚会議命令第659-336号および3月5日付の海軍大臣命令第00159号により、ソ連海軍で制式採用された[5]

なお、2M-3は連装砲架の名称であり、搭載する機関砲単体は110-PMと呼ばれる[1][3]。110-PMは第二次世界大戦中に使用された84-KM機関砲をベースに改良されたベルト給弾式の水冷式機関砲で、こちらの開発はА.Э.Нудельманを主任設計者として第16設計局(ОКБ-16)が担当した[1][2][3][4][5]。こちらも制式採用は1953年である[1]

設計

2M-3は25ミリ口径の110-PM機関砲を上下に2基搭載した連装砲架であり、旋回俯仰は油圧駆動式で、緊急時には手動操作も可能であった[4]。俯仰角はマイナス10度からプラス85度、旋回角は360度全周である[1]。砲架の上部は開放式だが周囲は防盾で囲われており、波の飛沫や小火器から砲手を一定程度防護する[2]。照準は光学式で、КМТ-25と呼ばれるリングサイトを使用する[5]

機関砲の発射速度は1門あたり最大で毎分450発だが、実用時には270から300発程度となる[1]。射程に関しては、最大射程3,000メートルとする資料[3]と、最大射程4,000メートル(対水上)、有効射程2,300メートル(対水上) / 3,000メートル(対空)とする資料[6]がある。砲身は水冷式と表記されることもあるが[2]、射撃中は空冷で、弾倉交換の際に閉鎖機に取り付けられたノズル付きホースから砲身に冷却水を送り込んで冷却を促進するという方式をとっている[4][5]

運用

第二次大戦期に開発された光学照準式機関砲と、冷戦期に開発されたレーダー管制式機関砲との過渡期に登場した対空機関砲であり、コマール型ミサイル艇などの小型艇や補助艦艇を中心に30以上の艦種に搭載され、1950年代にソ連や友好国の海軍で広く採用された[1][2][3][4]。従来使用されてきた37ミリや57ミリ口径の艦載機関砲と比べると、発射速度と持続射撃能力が向上している[2]。1960年代から70年代になると、後継となるAK-230AK-630といったレーダー管制式機関砲が登場したが、2M-3は二線級となりつつも冷戦終結後も引き続き使用されている[2]

サブタイプ・派生型

2M-8
2M-3
基本モデル[1][2]
2M-3M
1957年に開発された改良モデル[1][2][5]。2M-3が搭載した110-PM機関砲は動作機構が反動利用式だったが、2M-3Mではガス圧も併用する改良型のM-110機関砲が搭載された[5]。これにより、発射速度が向上している[5]1984年に生産終了[4][5]
2M-8
ウィスキー型潜水艦搭載用に開発された派生モデル[1][3]1954年に採用されたが同年中に生産を終了し、1950年代末までに搭載艦からも撤去された[1][4][5]。撤去された砲架はしばらく保管されていたが、転用先が見つからずそのまま廃棄処分されている[4]
61型
中国で開発された派生モデル[1][7]。銃身長が60口径長に短縮されている[1][7]。1960年代半ばから生産が開始され、ミサイル艇や哨戒艇などに広く搭載されたが、すでに搭載艇の大半は退役している[7]
MT-LB-2M-3
急造自走砲モデル[2]ロシアのウクライナ侵攻中にロシア軍で確認された車両で、MT-LB装軌式装甲車に2M-3砲架を溶接搭載したものである[2][8]フランケンシュタインになぞらえ、「タンクシュタイン」や「フランケンタンク」という俗称がある[2]。戦線後方での対ドローン防空用や対歩兵用などとして運用されている[2]

脚注

出典

  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 多田 2015, p. 118.
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 2M-3 / 2M-3M Twin 25mm Anti-Aircraft Autocannon”. www.globalsecurity.org. 2026年8月23日閲覧。
  3. 1 2 3 4 5 6 7 多田 2021, pp. 189–190.
  4. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 2М-3 (ロシア語). www.kchf.ru. 2026年8月24日閲覧。
  5. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 25-мм спаренная автоматическая корабельная артиллерийская установка 2М-3М. СССР (ロシア語). www.victorymuseum.ru. 2026年8月25日閲覧。
  6. ポルマー 1988, p. 541.
  7. 1 2 3 多田 2021, p. 191.
  8. Axe, David (2023年11月21日). Russia’s Jankiest Armored Fighting Vehicle Is Evolving (英語). Forbes. 2026年8月23日閲覧。

参考文献

  • 多田智彦「世界の艦載兵器」『世界の艦船』第811号、海人社、2015年1月。 
  • 多田智彦「世界の艦載兵器<第13回> 機銃 その2」『世界の艦船』第939号、海人社、2021年1月、186-191頁。 
  • ノーマン・ポルマー 著、町屋俊夫 訳『ソ連海軍事典 ネーバル・インスチチュート版』原書房、1988年12月。doi:10.11501/12702637 

関連項目

  • V-11 - 1946年に採用された旧ソ連製の37ミリ連装艦載機関砲。
  • ZU-23-2 - 旧ソ連製の23ミリ連装機関砲。ポーランドが艦載モデルのZU-23-2M/MR ウロベルを開発している。



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