村瀬弘行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/26 04:39 UTC 版)
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村瀬 弘行(むらせ ひろゆき、1982年7月5日 - )は、日本のライフスタイルブランド<suzusan>のクリエイティブディレクター/CEO。
人物
名古屋に伝わる伝統染色技法、有松鳴海絞りを営む職人の家系に生まれる。5代目にあたる村瀬弘行は2003年アーティストを目指して20歳で渡欧、サリー美術大学(英)を経て、デュッセルドルフのクンストアカデミー(独)で学ぶ。その後日本から距離をおいて見返したときに、そこで営まれていたものが世界的にみても類まれな技術であることを改めて知り、また、その伝統がこのままでは無くなるであろう状況を目の当たりにしたことから絞りを学び始める。2008年在学中にドイツの学生寮で会社を設立し、数枚のストールでオリジナルブランド「suzusan」をスタート。翌年から照明、ホームコレクション、2015年からは衣服のコレクションを展開。通常絞りには使われないカシミヤやアルパカなど日本や世界の産地からの厳選した素材をコレクションに使用し、素材と用途から解放された風通しの良い新しい伝統を生み出し続けている[1]。
2008年以降suzusanは29カ国、約80の都市で販売・展開されている。Leclaireur(パリ)、Biffi(ミラノ)、Andreas Murkudis(ベルリン)、La Garconne(ニューヨーク)、和光(東京)などのセレクトショップ、インテリアショップで販売されている。名古屋、有松のsuzusan旗艦店に続き2020年には旗艦店をドイツ、デュッセルドルフにsuzusan旗艦店をオープン。
国境を越えたデザイナーやクリエーターとのコラボレーションなどの他、2018年から名古屋芸術大学テキスタイル学科の客員教授、名古屋市主催伝統産業海外マーケティング支援プロジェクト「Creation as DIALOGUE」の統括コーディネーターに就任し(2021年-2023年)、日本の伝統工芸の継続性と循環を生み出す活動も精力的に展開している。
略歴
- 1982年 愛知県名古屋市に生まれる
- 1988年 名古屋市立桶狭間小学校入学
- 1995年 名古屋市立有松中学校入学
- 1997年 中学生日記レギュラー出演(〜1999年まで)
- 1998年 名城大学附属高等学校普通科入学
- 1999年 河合塾美術コース彫刻科で美大受験に備える。
- 2002年 東京の美大を不合格となり、東京からの帰りのバスで海外移住を決意。
- 2003年 渡英。Surrey Institute of Art & Design University College BA Fine Art学科に入学。
- 2004年 1学期を首席で終了。 学費が払えなくなりSurrey Institute of Art & Design University College 中退、渡独。Die Kunstakademie Düsseldorf 入学。総合視覚芸術及び建築学科(integration visual art and architecture)を専攻。
- 2008年 在学中に学生寮でドイツ人の友人とブランド<suzusan>を開始。
- 2011年 Die Kunstakademie Düsseldorf 卒業。Prof. Hubert Kiecolよりマイスターシューラー取得。
- 2014年 株式会社スズサン設立。
- 2017年 suzusan GmbH & Co., KGを設立。
- 2018年 名古屋芸術大学テキスタイル学科客員教授に就任。
- 2020年 Suzusan GmbH & Co., KG及び株式会社スズサンのCEO兼Creative Directorに就任。
- 2020年 地域から世界へ伝統工芸を発信した事例が父・村瀬裕と共に取り上げられ中学校国語教科書に掲載される。
主なコラボレーション/プロジェクト
- 2013年 パリ在住の映像作家Mai Huaと共にLacosteのキャンペーン映像を制作。
- 2013年 Dior Haute Couture 2013/14 秋冬コレクションにRaf Simonsのデザインにより絞りのテキスタイルを使用したドレスの為のテキスタイルを制作。
- 2014年 Yohji Yamamotoとのコラボレーション。(新宿伊勢丹メンズ限定販売)
- 2014年 Christian Wijnantsとのコラボレーション。
- 2015年 パリのセレクトショップLeclaireurの選出した15名のデザイナーによる<Shigoto Project>に選ばれパリファッションウィーク及びPrimiere Visionで発表。
- 2018年 ミラノファッションウィーク期間中に老舗セレクトショップBANNERのウインドーインスタレーションとポップアップイベントを開催。
- 2021年 Ziggy Chenとのコラボレーション。(Leclaireur/Paris, Ziggy Chen/ Shang Hai, 新宿伊勢丹メンズ及びsuzusan 有松とDüsseldorf店舗での限定販売)
- 2021年 Van Cleef & Arpelsの特別なギフトの為のストールを制作。
- 2023年 ディズニーとのコラボレーション。(銀座和光限定販売)
- 2023年 現代美術作家、大巻伸嗣とのアート作品共同制作。銀座和光のウインドーで展示され、その後ミラノのBANNERのウインドーで展示される。
- 2024年 GUIDIとのコラボレーション。
- 2025年 Toogoodとのコラボレーション。(阪急うめだ限定販売)
suzusan以外の活動
Creation as DIALOGUE (2021年 - 2023年)
名古屋市伝統産業海外マーケティング支援事業。名古屋市の伝統的工芸品事業者(提灯、仏壇、三宝、七宝、印章、絞り、黒染め、漆)10社が製作、欧州在住の3名のデザイナー名和光道(元 Van Cleef & Arpels ジュエリーデザイナー)、古川紗和子(元 BOTTEGA VENETA ハンドバッグデザイナー/テキスタイルデザイナー)、平林大輔(元 Herzog & de Meuron デザイナー/建築家・写真家)がプロダクトをデザインし、欧州販路開拓を行うプロジェクトにおいてクリエイティブディレクター、トータルコーディネーターを務める 。実施期間中定期的にCreation as DIALOGUE連続講座を開催。プロジェクトマネージメントはミテモ株式会社。
SANSUI(2023年 - )
1930年創業の長野県の古民家の解体・移築から設計・施工を手掛ける山翠舎が所有する古木を<SANSUI>ブランドとして新規に立ち上げ、家具及びアートとして海外販路開拓を行うプロジェクトにおいてクリエイティブディレクターを務める 。
関連書籍
- 中野 香織 / 『「イノベーター」で読む アパレル全史』【増補改訂版】 (日本実業出版社)/ 2025年
- 伝え合う言葉中学国語 1 [令和3年度] (文部科学省検定済教科書 中学校国語科用)(教育出版)/ 2020年
外部リンク
出典
- Forbes Japan / 「柔らかい言葉」が新しいラグジュリーをつくる / 2022月5月19日掲載
- Financial Times HTSI / "Do or dye – the shibori crew leading the Japanese youthquake" / 2022年6月12日掲載
- New York Times / Tie-Dye, from Stylish to Traditional / 2022年11月3日掲載
- WWD JAPAN / 名古屋「スズサン」、伝統工芸でハイエンド市場参入に成功、その戦略と展望をCEOが語る / 2024年11月18日
- ORBIS IS / ホワイトアスパラを調理して、ドイツの春に想いを馳せる朝 haru.×村瀬弘行 / 2025年4月14日
- ^ “Forbey Japan / 村瀬弘行コラム / 異なる文化と多様なものさし”. 2025年9月18日閲覧。
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