ファーブルの森とは? わかりやすく解説

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ファーブルの森

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/12 22:03 UTC 版)

ファーブルの森(ファーブルのもり)は、北海道栗山町の御大師山の一部に整備された森[1]。国蝶オオムラサキの観察飼育施設「ファーブルの森観察飼育舎」や昆虫池、観察路などがあり、ビオトープとしても整備されている[2]

「ファーブルの森観察飼育舎」は「ふれあい交流館」があった場所に移転・統合し、2018年7月に「ふるさと いきものの里 オオムラサキ館」としてリニューアルオープンした[3]

概要

御大師山の自然をできる限り尊重し、自然を学び、自然に親しみ、自然を守る整備を行った森で一般の都市公園に見られるような施設整備やデザインを重視したものではなく、どちらかと言えば、やぼったく地味な場所である。言い替えれば、最近流行のビオトープの創造やエコアップ手法を導入したエコロジーパークと言える[4]

栗山町御大師山は、国蝶オオムラサキの生息地として知られ、北海道の中でも身近な自然を観察するのに適した場所の一つで、森の基本構想から設計監理まで、キタバ・ランドスケープが関わる[5]

多様な環境づくりや自然環境の復元は、人間が行うものではなく、自然が自ら時の経過と共に移り変わっていくなかで成し得るものである。自然が回復できる素地を残しながら、自然を深く理解することのできる場所を提供することが大切だと考え下記に留意し、ファーブルの森は今も自然の偉大な力によって修復され続けている [6] [7] [8]

  • オオムラサキの「観察飼育舎」と「観察原っぱ」。円形の原っぱ内は当初埋土種子による草地生態を観察する目的でつくられた。全体構想および設計はキタバ・ランドスケープ・プランニング、建築設計はアトリエ·ブンクが担当している
  • 「観察原っぱ」はその後地元の自然観察グループらによって、蝶が吸蜜する野草等が植え込まれた
  • 畑地跡に植え込んだ自生種の苗木によってつくられた「ふるさとの森」ゾーン。徐々に背景の樹林と同化し始めている
  • 「昆虫池」には、当初数株の抽水植物が近くの池から移植された
  • 翌年には池全体に抽水植物が繁茂し、十数種類のトンボを初めとした昆虫の生息が確認された
  • 原っぱの一部は、刈り取りを制限し、野草の侵入状態を観察している
  • 礫と砂を混入してつくった「乾燥原っぱ」。右奥は野鳥の食餌木を主体とした「果樹の森ゾーン」
  • 「乾燥原っぱ」は周囲と比較して草本の侵入が少ない

脚注

  1. ^ ファーブルの森観察飼育舎 - 栗山町ホームページ - ウェイバックマシン(2021年1月24日アーカイブ分)
  2. ^ 栗山町ファーブルの森”. 北海道文化資源データベース. 2022年6月7日閲覧。
  3. ^ 幼虫の姿がかわいいと人気!貴重な国蝶「オオムラサキ」が観察できるスポット(栗山町)”. 北海道Likers (2023年3月3日). 2025年3月13日閲覧。
  4. ^ 八木 議大『Empirical tests for kin and group effects on the evolution of cooperation in a primitively eusocial bee, Lasioglossum baleicum』(博士論文, 2014)
  5. ^ 「わが村は美しく—北海道」運動第2回コンクール入賞団体を訪ねて 第5回 (2005-08) 開発こうほう. 2005年(8月)(505) 北海道開発協会
  6. ^ 共生のひろば : 人と自然からのメッセージ. (9) (兵庫県立人と自然の博物館, 2014-03月号
  7. ^ 和田 貴弘『地域の希少種を対象とした環境教育の再構築 : 北海道におけるオオムラサキの保護活動を事例に』(博士論文、2015年9月)
  8. ^ 日本の水資源. 平成18年版 国土交通省土地・水資源局水資源部 2006年8月



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