ファーバー=カステル家とは? わかりやすく解説

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ファーバー=カステル家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/01 10:22 UTC 版)

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ファーバー=カステル伯爵家の紋章

ファーバー=カステル家Faber-Castell)は、ドイツ・ニュルンベルク近郊シュタインドイツ語版に起源を持つ実業家、貴族の家系。先祖は16世紀よりミッテルフランケン地方で企業経営をしていたことが知られる。ドイツで最も重要かつ最も歴史の古い財閥家門の1つであり、9世代にわたりファーバーカステル社を運営している。

歴史

カスパー・ファーバードイツ語版(1730年 - 1784年)が1761年に創設した鉛筆製造工場は、世界で最も早い時期に成立した近代的な企業体の1つであった。彼の曾孫ローター・フォン・ファーバードイツ語版(1817年 - 1896年)は1851年に鉛筆の規格を考案し、この規格は現在も世界中の鉛筆製造業者の基準規格とされている。この功績から彼は1881年貴族に叙せられた。ローターは1874年ドイツ帝国議会に商標登録を申請し、ドイツにおける商標出願者の先駆けとなった。1875年5月に承認されたこの商標は、鉛筆について結ばれた世界初の商標であった。ローターは自社の企業ビルとしてファーバー城ドイツ語版を建設した。

ローターの孫娘でファーバー家女子相続人のオッティーリー・フォン・ファーバー(1877年 - 1944年)は、1898年アレクサンダー・フォン・カステル=リューデンハウゼン伯爵[1](1866年 - 1928年)と結婚した。彼はヴォルフガング・ツー・カステル=リューデンハウゼン侯爵(1830年 - 1913年)の四男で、フランケンの非常に古い高級貴族カステル家ドイツ語版に属していた。夫妻は会社の経営を引き継ぎ、社名を「ファーバー=カステル」に改めた。伯爵は「アレクサンダー・フォン・ファーバー=カステル」と名を変えた。

ファーバー=カステル家はドイツの貴族家門としても名家に数えられ、ヘッセン家オッペンハイム家英語版とも縁戚関係にある[2][3]

現代においては、第8世代に属するアントン・ヴォルフガング・フォン・ファーバー=カステルドイツ語版(1941年 - 2016年)が、文房具製造メーカーとしてのファーバーカステル社を40年以上のあいだ経営してきた[4]。彼は弟アンドレアス・フォン・ファーバー=カステル(1946年 - )をパートナー経営者として長く重用したが[5]、アンドレアスはオーストラリア支社を運営し、アジア市場の開拓も熱心に行った。兄弟の異母兄、フーベルトゥス・フォン・ファーバー=カステル(1934年 - 2007年)は、中国向けのテレビ受信機の輸入を行い、中国政府から「中国人の偉大な友」と呼ばれた[6]。その後、彼は欧州初の北京市名誉市民となった。フーベルトゥスの母親がサル・オッペンハイムドイツ語版銀行の女子相続人の1人だったために両社の提携関係が生まれ、おかげでファーバー=カステル社はさらに巨万の富を得た。彼の息子、パトリック・フォン・ファーバー=カステル(1965年 - )は、2007年ファーバー城に大勢のメディアを招き、女優マリエラ・アーレンスドイツ語版と結婚式を挙げ、世間の注目を集めた[7]

パトリックの2人の姉妹、フローリア=フランツィスカとカロリーネは、ドイツで最も価値の高い銀装飾品のコレクションの所有者として有名である。コレクションの大部分はドイツ各地の博物館に展示されている。姉妹のコレクションはケルン美術館に集められ、「ラインの銀の宝物 私的コレクションから選りすぐった装具・小物(Ein rheinischer Silberschatz – Schmuck und Gerät aus Privatbesitz)」というタイトルで公開展示されたことがある[8]

紋章

同家の紋章はオッティーリー・フォン・ファーバーとアレクサンダー・フォン・カステル=リューデンハウゼン伯爵との結婚により成立した。赤白のスートの縁はカステル家及びカステル=リューデンハウゼン家の、黄色の縁はフォン・ファーバー家のものである。

引用

  1. ^ Xaver Frühbeis: Ottilie von Faber heiratet Alexander zu Castell-Rüdenhausen. SWR, 28. Februar 1989, abgerufen am 5. April 2019.
  2. ^ Henri Frebault: Hubertus von Faber-Castell. In: Geneanet. Geneanet, abgerufen am 7. März 2019.
  3. ^ Der Stern: Hessen-Prinz heiratet Faber-Castell-Gräfin. Der Stern, 18. Mai 2003, abgerufen am 8. März 2019.
  4. ^ Dana Heide: Abschied von einem großen Familienunternehmer. In: Handelsblatt. Handelsblatt, 22. Januar 2016, abgerufen am 9. März 2019.
  5. ^ Count Andy steps down at Faber-Castell. Stationery News, 4. Oktober 2017, abgerufen am 6. März 2019 (英語).
  6. ^ Der Spiegel: Besondere Revolution. Der Spiegel, 23. März 1987, abgerufen am 8. April 2019.
  7. ^ Johanna Säuberlich: Eine märchenhafte Hochzeit auf Schloss Stein. Nürnberger Nachrichten, 9. Juli 2007, abgerufen am 8. März 2019.
  8. ^ Rüdiger Joppien: Ein rheinischer Silberschatz - Schmuck und Gerät aus Privatbesitz. Kunstmuseum Köln, 6. Mai 1980, abgerufen am 2. April 2019.



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