チーム・クオリティ・バランス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/19 04:02 UTC 版)
概要
TQBは、得点を、攻撃イニング数を、失点を、守備イニング数をとしたとき、
と定義される。
ER-TQBは、相手の自責点による得点を、失点のうち自責点をとしたとき、
と定義される。
いずれも、値が大きい方を上位とする。なお、TQBやER-TQBにおける攻撃・守備イニング数について、サヨナラゲームやコールドゲームによって不完全なイニングが発生した場合、投球回と同様にアウト一つにつき1/3を加えることとされている[1]。
採用
国際大会
国際大会においては、国際野球連盟(IBAF)が失点率に替えて2009年より主催するIBAFワールドカップやIBAFインターコンチネンタルカップにおいて採用した[2][3]。また、IBAFの後継団体である世界野球ソフトボール連盟(WBSC)も、2022年現在においてもWBSCプレミア12や各世代のワールドカップなど主催する野球の国際大会において採用している[1]。ワールド・ベースボール・クラシックにおいては、2013年の第3回大会のみ採用されている[4]。
いずれの場合においても、勝率で順位を決定するリーグ戦において同率のチームが発生した場合に、直接対戦成績、同率チーム間対戦におけるTQB、同率チーム間対戦におけるER-TQBの順に適用して順位を決定する。
日本プロ野球
日本プロ野球においては、2011年よりセ・パ交流戦の順位決定に採用された[3]。2023年現在、2球団が同率である場合には勝数、直接対戦成績、TQB、ER-TQBの順に適用し、3球団以上が同率である場合は勝数、TQB、ER-TQBの順に適用して順位を決定する。国際大会の場合と異なり、同率球団間ではなく交流戦全体のTQB、ER-TQBで算出する[5]。
また、2020年から2022年の日本シリーズでは、新型コロナウイルス感染症の影響により、シリーズが続行不可能となり途中で中止となった場合に、その時点での成績で優勝チームを決定するため、TQB、ER-TQBが採用された[6][7][8]。
その他
NPB12球団ジュニアトーナメントにおいて、2019年大会から採用された[9]。
- ^ a b c “Baseball World Cups - Tournament Regulations” (PDF) (英語). World Baseball Softball Confederation (2022年8月9日). 2023年6月19日閲覧。
- ^ a b “IBAF OFFICIAL COMPETITIONS TECHNICAL/ORGANIZATIONAL NORMS” (PDF) (英語). International Baseball Federation. 2009年11月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月19日閲覧。
- ^ a b c d “交流戦順位決定に国際基準「TQB」導入へ”. スポニチアネックス. (2010年11月10日) 2023年6月19日閲覧。
- ^ a b “World Baseball Classic Tournament Rules and Regulations” (PDF) (英語). MLB Advanced Media, L.P.. 2013年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月19日閲覧。
- ^ “日本生命セ・パ交流戦 開催概要”. 日本野球機構. 2023年6月19日閲覧。
- ^ “SMBC日本シリーズ2020 開催要項”. 日本野球機構. 2023年6月19日閲覧。
- ^ a b “SMBC日本シリーズ2021 開催要項”. 日本野球機構. 2023年6月19日閲覧。
- ^ “SMBC日本シリーズ2022 開催要項”. 日本野球機構. 2023年6月19日閲覧。
- ^ a b “NPB12球団ジュニアトーナメント2019 supported by 日能研 開催概要”. 日本野球機構. 2023年6月19日閲覧。
- ^ “11月17日終了時点でのTQB、ER-TQB、チーム打率について”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト (2017年11月18日). 2023年6月19日閲覧。
- ^ “「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」の大会形式を紹介”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト (2017年8月23日). 2023年6月19日閲覧。
- ^ a b “なぜ広島に「1円」も入らない? 交流戦に思う疑問”. Full-Count. (2017年6月21日) 2023年6月19日閲覧。
- ^ “交流戦優勝争いはDeNA、ソフトバンク、楽天の3チームに 首位DeNAは19日敗れてもVの可能性残る”. スポニチアネックス. (2023年6月19日) 2023年6月19日閲覧。
- ^ “【DeNA】きょうVS日ハムで負けても楽天戦による「TQB」次第で可能性残す…交流戦記録室”. スポーツ報知. (2023年6月19日) 2023年6月19日閲覧。
- ^ “交流戦Vのゆくえは3球団に DeNA残り1戦を勝ちか引き分けで決定も負けると… 気になる3球団のTQB”. デイリースポーツ. (2023年6月18日) 2023年6月19日閲覧。
- ^ “序盤の5失点が響きオープニングラウンド3敗目 スーパーラウンド進出を逃す”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト (2022年8月3日). 2023年6月19日閲覧。
- ^ “交流戦 プロ野球ファンはネット上で「TQB」の確認に大忙し 阪神応援するベイ党、鷹党はハム応援?!”. スポニチアネックス. (2023年6月18日) 2023年6月19日閲覧。
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