チャリオンの影 あらすじ

チャリオンの影

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/17 08:31 UTC 版)

あらすじ

カザリルはチャリオンの貴族だったが、裏切りに遭って野蛮なロクナルに奴隷として売られてしまった。ガレー船奴隷として2年近くを過ごしたのちに、かつて住んでいた地方の宮廷に戻り、イセーレ(兄のテイデスに次ぐ、チャリオン王位継承権第2位)とその侍女べトリスの家庭教師として雇われ、べトリスに惹かれる。イセーレとテイデスの母親のイスタも一緒に暮らしていたが、気が触れているものと思われていた。

カザリルはテイデス、イセーレ、べトリスととも首都に赴き、病身の国主オリコの宰相マルトウの弟の裏切り者ドンドと遭遇する。オリコは、ロクナル難民のウメガトが運営する動物館英語版で多くの時間を過ごしている。堕落したドンドは(自分の野望のために)テイデスと親しくなり、少年に様々悪徳を紹介するとともに、イセーレとの結婚を画策する。絶望したカザリルは、その結果自分も死ぬことなるのを承知でドンドを殺すために庶子神(五神の一柱)に死の魔術の奇跡を求める。ドンドは死んだが、カザリルは死なず、自分がうちなる視覚を贈られた聖者(神々の代理人)となったことを知る。もう一人の聖者であるウメガトの助けで、チャリオンの王族に代々の呪いがかけられており、オリコは動物館の神聖な動物たちの浄化の魔術によってのみ生きながらえていることを知る。また、ドンドの魂と庶子神の魔が自分の体内の腫瘍の中に閉じ込められており、魔は神々のもとに帰るために必要な第2の魂を得るためにカザリルに死をもたらそうとしていることを知る。

ドンドに騙されていたテイデスは動物館を破壊し、ウメガトに重傷を負わせるが、その際に負った傷が化膿して致命傷となる。オリコは崩御し、イセーレはすぐに王位に就くが、マルトウに権力を握られ、母親イスタと同様に不安定だという噂を流される。カザリルはイセーレに呪いのことを告げ、イスタが呪いの中で結婚したのだから、イセーレも呪いから逃れるために結婚できるかも知れないと考える。イセーレは隣国イブラの後継者との結婚を手配するために、秘密裏にカザリルを派遣する。イブラに向かう道中、カザリルはイスタと話し、「チャリオン王家のために3度命を捨てることを厭わない男」によって呪いを解くことができるという予言を知る。

カザリルはイブラで自分と世継ぎのベルゴンがすでにあっていることに気づく。2人は一緒にガレオン船奴隷として繋がれ、カザリルはベルゴン少年の身代わりとして酷い鞭打ちを受けていた。ベルゴンに呪いのことを告げ、2人はベルゴンの父親が結婚に同意するように説得する。一行はマルトウが仕掛けた待ち伏せを切り抜けてチャリオンに帰還する。イセーレはマルトウのもとから脱出し、ベルゴンと結婚する。しかしながら、カザリルはイセーレを呪いから解放するどころか、ベルゴンにも呪が降り掛かっていることに気づく。

マルトウと部下たちはベルゴンの殺害と、イセーレの奪還を試みる。カザリルが彼らを撃退し、夫婦は逃げ出すことができたが捕らえられてしまう。マルトウはカザリルを剣で刺すが、その突きはカザリルの腫瘍を貫いて魔を開放し、魔はカザリル、ドンド、マルトウの魂を手に入れる。カザリルは姫神(五神の別の一柱)にあう。3度目の死(ベルゴンの代わりに致命的な殴打を受け、イセーレのために死の魔術を行い、マルトウに刺される)によって拡張されたカザリルの魂によって、姫神はカザリルをつかって物理世界に干渉し、呪を解くことができる。その後、姫神はカザリルに肉体を返却する。

イセーレはチャリオンの統治者として戴冠し、ベルゴンが王配となり、2人の子供たちが両方の土地を受け継ぐことになる。カザリルは首相となり、べトリスとともに幸せな結婚生活を送る。


  1. ^ a b 2002 Award Winners & Nominees”. Worlds Without End. 2009年7月11日閲覧。
  2. ^ a b 2018 Hugo Awards”. World Science Fiction Society (2018年3月15日). 2018年4月2日閲覧。
  3. ^ a b c Oberhelman, David D. (2013). “From Iberian to Ibran and Catholic to Quintarian”. In Croft, Janet Brennan. Lois McMaster Bujold: Essays on a Modern Master of Science Fiction and Fantasy. McFarland & Company, Inc.. pp. 159–171. ISBN 978-0-7864-6833-1 
  4. ^ Map of Chalion and Surroundings
  5. ^ The Mythopoeic Society Reviews: The Curse of Chalion”. www.mythsoc.org. 2020年3月15日閲覧。
  6. ^ (英語) THE CURSE OF CHALION | Kirkus Reviews. https://www.kirkusreviews.com/book-reviews/lois-mcmaster-bujold/the-curse-of-chalion/ 





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