ぽんのみち 製作

ぽんのみち

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/08 06:18 UTC 版)

製作

尾道市

企画・スタッフィング

プロデューサーの一人である立石謙介は、講談社の漫画にあまりない「日常系」をオリジナルアニメとして作りたいと考え、『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』の打ち上げの場でその話をしたところ、同作の放送局であるMBSの亀井博司から1週間後に相談が寄せられ、そこから企画が始動した。また、外部の干渉を受けない限定された空間で物語を展開するという条件下で盛り上がる要素として、麻雀が軸に据えられた。また、麻雀漫画は暗い内容が多いため、明るく楽しい麻雀を軸にすることで新しさを出せるという思惑もあった[7]

なお、企画が動き出した時点で麻雀はあまり注目されておらず、のちに「明るく楽しく打つ麻雀」というブームが起こったのは全くの偶然であり、時流にうまく乗れたと立石は「Febri」とのインタビューの中で話している[7]

監督には『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』で監督を務めた南川達馬が起用された。立石は打ち上げのことに加え、『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』において見やすいフィルムを作り上げたことから、キャラクターを動かす日常系も得意だろうと感じたと「Febri」とのインタビューの中で話している。また、南川は脚本も書けることから、同じ人が監督と脚本を手掛けることで作品のすべてを理解している者が全体を見ることになるので、やりたいことを表現しやすいという利点もあった。当初、キャラクター原案はオリジナル企画らしさを出すため講談社で連載している作家以外を起用することも考えられたが、最終的には『五等分の花嫁』で知られる春場ねぎが起用された[7]

アニメーション制作はレベルファイブ作品や『イジらないで、長瀞さん 2nd Attack』に携わってきたOLM TEAM INOUEが担当した[8]

セッティング

本作は麻雀よりも日常の部分が主体であるため、麻雀ものとしては手牌作りといった描写は少ない一方で、麻雀漫画のパロディやイカサマなどは登場する。これについて立石は「麻雀を始めたばかりは漫画の真似をする」という話題を再現するためにこのような手法をとったのではないかといい、皆でくだらないことをしながら打つ麻雀の楽しさを表現したいという思いもあったと話している。また、制作当時は実際の牌ではなく、コンピュータゲームで遊ぶ形が主流となっており、リアリティを強化させるため作品内にもそれを反映することになった。ただし、架空のゲーム画面を作るのにはコストがかかることと、実在のゲームを用いればリアリティが増すという観点から、許諾を得たうえで麻雀ゲーム『雀魂』がそのまま登場している[7]

作品の性質上、日常の風景がアニメ映えする必要があったことから、舞台には広島県尾道市が選ばれた[7]

演技・キャスティング

開発スタッフがイメージするキャラクター像に合致することが選定基準に据えらえたほか、作品の性質上演者同士の仲が良いことが望ましかったため、年代の近い者たちを中心に選定された[7]

主人公十返舎・なしこ役には前田佳織里がテープオーディションで起用された。前田は最初に資料として提供されたなしこのイラストを見て、飾り気のない、日常を大事にする人物という印象を抱き、日常感を意識した演技を行った。前田は良い意味で「遊ぼう」と思いながら演技をしており、現場に入ってからもなしこの自由さを実感したという。なしこの収録に当たっては、広島県育ちの声優・孫悦が事前に収録した台本の読み上げデータをもとに広島弁のイントネーションを学び、そこからなしことしての演技を組み立てていった。前田はインタビューの中で、自分の知っている限りで、ここまで丁寧な方言指導はないと話しており、この手法を「広島弁バックアップ塾」と表現している[9]

江見 跳を演じた山村 響はもともと「クールでかっこいいが、かわいいところもある」キャラクターを演じることが多く、跳役のオーディションにおいてもこれまでの経験を活かせる感覚はあった一方、自分の声をかわいいと感じたことがないため、かわいらしいキャラクターデザインに遭わないのではないかという不安もあったという。演技に際してはキャラクターの絵を見たイメージを意識していた。オーディションを受けた時点ではラフ画しか提供されておらず、そのラフ画も本編と比べると大人びたデザインだったため、演技もクール寄りになった[10]

なしこの友人・河東 ぱい役には佐伯伊織がテープオーディションで起用された。佐伯は最初にぱいを見た際「ふわふわしてかわいいもの好き」という印象を抱き、その印象のまま役作りをした。ぱいには母性的だという設定はないものの他の出演者からはそのような人物として認識されている。佐伯自身もぱいに母性的なところがあることを認めており、自分が包み込む優しさを持った女性が好きなため、それがぱいの人物像に影響を与えてしまったかもしれないと「Febri」とのインタビューの中で推測している[11]

なしこの父が経営していた雀荘の客である林リーチェ役には近藤唯がオーディションで起用された。オーディションの際、近藤はリーチェが典型的なお嬢様だと判断し、年上の女性を意識した演技をしていた。オーディション後、他人の話を聞かないなど、リーチェが想定よりも純粋な人物であることが判明したため、本番ではよりテンションを上げる方針に変更した。たとえば、第2話の「いいじゃないですか、ちょっとぐらい~」というセリフの場合、本番ではより子供じみた泣き方となっている。なお、リーチェは自分が特別であるという自覚がないため、「お金持ち」であるということは意識しなかった[12]

麻雀の精霊・チョンボ役にはベテラン声優である大塚明夫が起用された[7]。当初、大塚はスタッフが事前に挙げた候補の中に含まれていなかったものの、麻雀好きの大塚が作品に興味を示し、事務所を通じてテープが送られた。そして、それを聞いたスタッフがチョンボに相応しいと判断し、起用に至った[7]







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