David Marksonとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > David Marksonの意味・解説 

デイヴィッド・マークソン

(David Markson から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/13 15:33 UTC 版)

デイヴィッド・マークソン
David Markson
デイヴィッド・マークソン、2007年
誕生 (1927-12-20) 1927年12月20日
ニューヨーク州オールバニ
死没 (遺体発見) 2010年6月4日(2010-06-04)(82歳)
ニューヨーク州ウェストヴィレッジ
職業 小説家詩人
国籍 アメリカ合衆国
教育 M.A., コロンビア大学
ジャンル 実験小説
文学活動 ポストモダン
代表作 『ウィトゲンシュタインの愛人』
活動期間 1956 – 2007
ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

デイビッド・マークソン(David Markson、1927年12月20日2010年6月4日)は、アメリカ合衆国の小説家、詩人。

経歴

ニューヨーク州オールバニ生まれ。ユニオン・カレッジ、コロンビア大学で学んだ後、ジャーナリストおよび書籍編集者として活動。定期的にコロンビア大学などで教鞭を取りながら文筆を行い、1950年代後半に初の小説を出版する。若い頃の作品はフォークナーマルカム・ラウリー英語版などモダニズムの伝統的スタイルに則ったものであった。「アンチ・ウェスタン」と呼ばれるジャンルの犯罪小説も3作書いており、このうち『ディンガス・マギーのバラッド』(1965年)が『大悪党/ジンギス・マギー』としてフランク・シナトラの主演で映画化されている。

しかしマークソンが高い文名を得るのは、1988年、60歳を超えてから出版した実験小説『ウィトゲンシュタインの愛人』以降のことであった。この作品は地球上で最後に生き残った女性の独白という設定のもと、彼女自身にまつわる事柄とともに古今の芸術や作家の薀蓄が断片を積み重ねるように羅列されていくという特異な形式で書かれたものである。以降『読者のスランプ』(1996年)、『これは小説ではない』(2001年)、『消失点』(2004年)と、『ウィトゲンシュタインの愛人』とあわせて「作者四部作」と呼ばれる作品群で、彼自身「文字通り文学と芸術の逸話を詰め込んだ」("literally crammed with literary and artistic anecdotes")「非線的で、不連続で、コラージュ的なアッサンブラージュ」( "nonlinear, discontinuous, collage-like, an assemblage")[1]と称するこのスタイルを洗練させていくとともに、伝統的形式への挑戦者としてジョイスベケットに連なるとされるなど高い評価を得ていった。

彼を賞賛する現代作家にはアン・ビーティデヴィッド・フォスター・ウォレスなどがおり、ウォレスは『ウィトゲンシュタインの愛人』について「アメリカにおける実験小説のほぼ頂点と言っていい」と評している[2]

マークソンは2010年4月、ニューヨーク市ウェストヴィレッジの自宅アパートで死去した。彼の文学エージェントであった元妻によれば、彼の二人の子供がアパートのベッドで死んでいるマークソンを発見したのだという[3]

邦訳作品

作品

  • 『ウィトゲンシュタインの愛人』(Wittgenstein's Mistress, 1988)
  • 『読者のスランプ』(Reader's Block, 1996)
  • 『これは小説ではない』(This Is Not A Novel, 2001)
  • 『消失点』(Vanishing Point, 2004)

参考文献

  • デイヴィッド・マークソン 『これは小説ではない』 木原善彦訳、水声社、2013年

脚注

個別参照

  1. ^ "An Interview with David Markson" Bookslut, July 2005
  2. ^ David Foster Wallace "Five direly underappreciated U.S. novels >1960" Salon, April 12, 1999.
  3. ^ "David Markson, postmodern master, dead at age 82" Long Island Press, June 7, 2010

「David Markson」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「David Markson」の関連用語

David Marksonのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



David Marksonのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのデイヴィッド・マークソン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS