牧会活動事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/03 04:52 UTC 版)
牧会活動事件(ぼっかいかつどうじけん)[注釈 1]とは、1970年に、兵庫県立尼崎高等学校における学園闘争に関わり建造物侵入等の犯人として警察が捜査中だった高校生2人を、日本基督教団尼崎教会の牧師が保護し、警察の追及を逃れて龍野市の教会に1週間にわたって宿泊させた上で、最終的に警察に任意出頭させた行為が、犯人蔵匿にあたるとされた事件である。被告人は略式裁判にて有罪となったことを不服として、正式な裁判を求めた[1]。1975年2月20日、神戸簡易裁判所での第1審で、牧師の行為が牧会活動であり、正当な業務行為として違法性を阻却するとした無罪判決が下され、確定したため、信教の自由に関する重要判例の1つとなっている。
注釈
- ^ 「牧会権事件」、「神戸牧会事件」などとも称されるほか、牧師の名から「種谷牧師裁判」などの名称で言及されることがある。
出典
- ^ 『「市民的・政治的自由(15~21条/23条)(特に、思想良心の自由(19条)、信教の自由・政教分離(20条・89条))に関する基礎的資料』 p.38 衆議院憲法調査会事務局 2004年3月11日
- ^ “主題別 判決一覧 信教の自由、政教分離”. 須賀博志. 2011年9月27日閲覧。
- ^ “宗教団体の責任を考える上での主な裁判例”. 紀藤正樹 (2003年1月14日). 2011年9月27日閲覧。
- ^ 例えば、“「牧会=魂への配慮」の曲解 -種谷裁判批判-” (2010年8月18日). 2011年9月27日閲覧。
- ^ 伊藤靖幸 (1995年10月). “神戸市立高専事件をめぐって”. 大阪高法研ニュース (158) 2011年9月27日閲覧。
- 1 牧会活動事件とは
- 2 牧会活動事件の概要
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