くつ‐かぶり【×沓▽冠】
読み方:くつかぶり
1 和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を各句の初めと終わりに1字ずつ詠み込んだもの。栄花物語に、「合(あ)はせ薫物(たきもの)すこし」を詠み込んだ「あふさかも、はてはゆききの、せきもゐず、たづねてとひこ、きなばかへさじ」が最初の例として知られている。くつかむり。くつこうぶり。
くつ‐かむり【×沓▽冠】
読み方:くつかむり
⇒くつかぶり(沓冠)
沓冠(くつかぶり)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 07:55 UTC 版)
和歌で、5句それぞれの初めと終りとの1音ずつをつづけて折り返して読み(合わせて10音となる)、別の歌意をつたえようとする技巧的な折句である。 たとえば『栄華物語』にある村上天皇の「逢坂も はては往来の 関もゐず 尋ねて訪ひこ 来なば帰さじ」(あふさかも はてはいききの せきもゐす たつねてとひこ きなはかへさし)(逢坂の関の関守はいない、訪ねて来なさい、もし来てしまったなら帰さない)から、「あはせたきものすこし」(合薫物(あわせたきもの)を少し(持って来るように))を読む。 またたとえば『続草庵集』巻四の兼好法師の「夜も涼し 寝覚めの仮庵 手枕も 真袖も秋に 隔てなき風」(よもすすし ねさめのかりほ たまくらも まそてもあきに へたてなきかせ)(この涼夜、仮につくった庵で寝覚めた手枕・袖に、隔てるものもなく秋風が吹く)から「よねたまへせにもほし」(米をくだされ、銭も欲しい)を読み、それに対する頓阿法師の返し「夜も憂し 寝たく我が背子 果ては来ず なほざりにだに しばし訪ひませ」(よるもうし ねたくわかせこ はてはこす なほさりにたに しはしとひませ)(つらい夜だった、つれないあなたは来なかった、せめてかりそめにでもおいでください)から「よねはなしせにすこし」(米は無い、銭を少し)を読む。
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