歌枕「水無瀬川」
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「稲瀬川 (神奈川県)」の記事における「歌枕「水無瀬川」」の解説
『万葉集』巻14・3366歌は、「美奈能瀬河泊(みなのせかは)」を詠む歌である。 麻可奈思美 佐祢尓和波由久 可麻久良能 美奈能瀬河泊尓 思保美都奈武賀 ま愛(かな)しみ さ寝に吾(わ)は行く 鎌倉の 美奈の瀬川に 潮満つなむか 川を渡って女のもとに通う男が、川に潮が満ちて遮られてしまうだろうかと歌う。以後の和歌においては「水無瀬川」として詠われることとなった。 『万葉集』でひとつ前に載せられた3365歌も、同じ鎌倉を舞台とする相聞歌「鎌倉の 見越しの崎の 岩崩(いわく)えの 君が悔ゆべき 心は持たじ」で、こちらに歌われた「見越しの崎」も歌枕となり(「御輿の崎」「神輿の崎」などとされ、これも比定に諸説ある。稲村ヶ崎参照)、しばしば水無瀬川と一対として詠われることとなる。たとえば『堀河百首』には源顕仲の「かまくらや みこしかたけに ゆききえて みなのせかはに みつまさるなり」がある。
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