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桑葉(クワハ)

日本各地自生、または栽培されている落葉性高木です。


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クワ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/12/30 02:47 UTC 版)

(桑葉 から転送)

クワ属
MorusAlba.jpg
ログワ(Morus alba
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: イラクサ目 Urticales
: クワ科 Moraceae
: クワ属 Morus
英名
Mulberry
  • 本文参照
枝から出ている葉柄・果実の様子
未成熟な果実(酸っぱくて生食には不向き)
成熟した果実はそのままでも甘酸っぱくて美味。果実酒やジャムにも。

クワ(桑)はクワ科クワ属の総称。カイコの餌として古来重要な作物であり、また果樹としても利用される。

目次

特徴

落葉性の高木で、大きいものは15mに達するが、普段見かけるのは数m程度のものが多い。樹皮は灰色を帯びる。葉は薄く、つやのある黄緑色で、縁にはあらい鋸歯がある。大きい木では、葉の形はハート形に近い楕円形だが、若い木では、葉にあらい切れ込みが入る場合がある。

雌雄異株だが、同株のものがある。春に開花する。雄花は茎の先端から房状に垂れ下がり、雌花は枝の基部の方につく。果実は初夏に熟す。キイチゴのような、柔らかい粒が集まった形で、やや長くなる。熟すと赤黒くなり、甘くて美味しい。

主な種類

  • ログワ(ロソウ)(M. lhou
  • ヤマグワM. bombycis
  • カラヤマグワM. alba
  • クロミグワM. nigra
  • テンジクグワM. serrata
  • ナガミグワM. laevigata
  • ケグワM. tiliaefolia
  • オガサワラグワM. boninensis

登録品種としてポップベリー、ララベリーがある。

日本の養蚕では一之瀬という品種が普及した。この品種は、明治31年ごろ旧上野村川浦(現在の山梨県市川三郷町)で一瀬益吉が、中巨摩郡旧忍村(現在の中央市)の桑苗業者から購入した桑苗(品種鼠返し)のうちから、本来の鼠返しとは異った性状良好なる個体を発見し、これを原苗とした。

利用

生薬

ログワの根皮は桑白皮(そうはくひ)という生薬である。(日本薬局方による)

利尿、血圧降下、血糖降下作用、解熱、鎮咳などの作用があり、五虎湯(ごことう)、清肺湯(せいはいとう)などの漢方方剤に使われる。

また、葉をの代用品とする「桑茶」が飲まれていた地域もあり、現在も市販されている他、若くて柔らかい葉は天ぷらにして食べることもある。桑葉には1-デオキシノジリマイシン(1-deoxynojirimycin; DNJ)が含まれていることが近年の研究で明らかになった。DNJ はブドウ糖の類似物質(アザ糖類の一種)であり、小腸において糖分解酵素α-グルコシダーゼに結合する事でその活性を阻害する。その結果、スクロースマルトースの分解効率が低下し、血糖値の上昇が抑制される。

果実

果実は桑の実、どどめ、マルベリー (Mulberry) と呼ばれ、地方によっては桑酒として果実酒の原料となる。その果実は甘酸っぱく、美味であり、高い抗酸化作用で知られる色素・アントシアニンをはじめとする、ポリフェノールを多く含有する。旬は4月~5月である。キイチゴの実を細長くしたような姿で、赤黒くなる。蛾の幼虫が好み、その体毛が抜け落ちて付着するので食する際には十分な水洗いを行う必要がある。 また、非常食として桑の実を乾燥させた粉末を食べたり、水に晒した成熟前の実をご飯に炊き込む事も行われてきた。 なお、クワの果実は、キイチゴのような粒の集まった形を表す語としても用いられる。発生学では動物の初期胚に桑実胚藻類にクワノミモ(パンドリナ)などの例がある。

養蚕とクワ

地図記号「桑畑」

地図記号にもなったほど、日本で桑畑は良くある風景であった。しかし、現在、養蚕業が盛んだった地域では、生産者の高齢化、後継者難、生糸産業全般の衰退の中で、株を抜いて畑等に転用されたり、放置された桑畑も多く残る。クワの木は成長が早く、大きく育つが、幹の中が空洞であり、若い枝はカイコの餌にする為に切り続けてきたので製材できる部分が少ない。養蚕業盛んなりし頃は、定期的に剪定等の手入れが行われていたクワ畑であるが、樹木としての利用は前述の様に、幹の中が空洞で製材できる部分が少ない故に、養蚕以外でのこれといって有益な、あるいは利益の高い利用法が無い。放置された結果として、現在、森の様になっている畑も多い。しかも、こうなってしまった以上、前述の様に高齢化した管理者にとっては、これを整理することを物理的に更に難しくしている。毛虫がつきやすい樹種でもある為、憂慮すべきことである。

他方、近年、クワの実が郷愁を呼ぶ果物として、注目を浴びてきてもいる。

ちなみに蚕が食べるのはヤマグワである[1]

木材としてのクワ

クワの木質はかなり硬く、磨くと深い黄色を呈して美しいので、しばしば工芸用に使われる。しかし、銘木として使われる良材は極めて少ない。特に良材とされるのが、伊豆諸島の御蔵島三宅島で産出される「島桑」であり、緻密な年輪と美しい木目と粘りのあることで知られる。江戸時代から江戸指物に重用され、老人に贈るの素材として用いられた。国産材の中では最高級材に属する。

また古くから弦楽器の材料として珍重された。正倉院にはクワ製の楽琵琶阮咸が保存されており、薩摩琵琶や筑前琵琶もクワ製のものが良いとされる。三味線もクワで作られることがあり、特に小唄では音色が柔らかいとして愛用されたが、広い会場には向かないとされる。

なお、幕末には桑の樹皮より綿を作る製法を江戸幕府に届け出たものがおり、1861年文久元年)には幕府からこれを奨励する命令が出されているが、普及しなかったようである。

製紙原料

中国広西チワン族自治区来賓市などでは、養蚕に使うために切り落とすクワの枝を回収して、製紙原料にすることが実用化されている。新たに年産20万トンの工場建設も予定されている[2]


  1. ^ 原島広至著、伊藤美千穂ほか監修『生薬単』エヌ・ティー・エス、2007年、p165、ISBN 978-4-8604-3179-2
  2. ^ 年产20万吨桑杆造纸项目拟落户来宾” (中国語). 新华网. 2011年12月30日閲覧。
  3. ^ 和泉名所図会
  4. ^ 石田栄一郎「桑原考」
  5. ^ 足田輝一『植物ことわざ事典』(東京堂出版、1995年)ISBN 4-490-10394-8


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