幕下付出とは? わかりやすく解説

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まくした‐つけだし【幕下付(け)出(し)/幕下附(け)出(し)】


付出

(幕下付出 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/18 16:11 UTC 版)

付出(つけだし)とは、大相撲において学生・アマチュア時代に優秀な成績を収めた力士の地位を優遇する制度である。附出、付け出しとも表記する。


  1. ^ 実物の番付表には載らないが、日本相撲協会公式サイトの番付表は、付け出し力士の番付が掲載される。幕下10枚目格付出(2023年廃止)は幕下10枚目の下、幕下15枚目格付出(2023年廃止)は幕下15枚目の下、幕下最下位格付出は幕下のページの一番下、三段目最下位格付出は三段目のページの一番下に掲載される。複数いる場合は新弟子検査の届け出順に掲載。
  2. ^ 日程の都合上、高校総体で取得した資格は翌年7月場所、国体で取得した資格は翌年9月場所、学生相撲・全日本選手権は同11月場所の新弟子検査締切日までが実質的な申請期限となる。
  3. ^ 例として長尾(舞の海)は全日本相撲選手権ベスト32の実績を認められる形で幕下付出を承認された。舞の海は1990年3月場所で身長が基準に満たず新弟子検査不合格となり、翌場所頭部にシリコンを注入することによって合格したが、これをきっかけとして幕下付出は体格不問となった。
  4. ^ 実際に厳格化の中心となったのは「学生相撲出身」の時津風親方ではなく「中卒叩き上げ」の北の湖親方とされる[5]
  5. ^ 2007年までは成年男子A
  6. ^ 落合(伯桜鵬)は鳥取城北高等学校3年在学中に2021年度の全日本相撲選手権大会でベスト8に進出し高校生として初めて三段目最下位格付出資格を取得したが、卒業後すぐに入門せず翌年に実業団横綱を獲得し幕下15枚目格付出資格を取得した後に入門したため、実際に行使されることはなかった[7]。制度導入以前に三段目最下位格付出資格相当の成績を残した高校生には2004年の澤井豪太郎(豪栄道…ベスト4)、2006年の佐久間貴之(佐久間山→常幸龍…ベスト8)、2010年の中村大輝(大輝→北勝富士…ベスト8)がいる。
  7. ^ 嘉風以外は2016年以降の規定であれば三段目最下位格付出の資格を満たしている。
  8. ^ 3年時の2018年度に国体優勝で幕下15枚目格付出資格・学生選手権ベスト4で三段目最下位格付出資格を取得した城山聖羅(東洋大学)は4年時の翌2019年途中で大学を中退したが、期限までに新弟子検査を受検しなかったため付出資格は失効した。その後も新弟子検査を受検することなく25歳を迎え、大相撲に入門することはなかった。
  9. ^ 大学時代に病気のため一度は相撲を諦めていた豊真将紀行も前相撲からスタートしたが、付出の同期力士を追い越し最終的に小結まで昇進した。
  10. ^ 大岩戸は初土俵から9年かけて幕内昇進も在位は1場所のみ。吐合は十両に昇進できぬまま初土俵から10年で、武誠山は同じく12年で、朝陽丸は同じく6年で、それぞれ引退した。
  11. ^ 大翔山直樹は、同郷の中川親方(前2・清惠波)から年寄名跡の譲渡を提示され、立浪部屋に入門したことが明らかになっている。
  12. ^ 幕下上位力士との兼ね合いもあるが、以前戦闘竜や久島海は同様の成績で幕下に陥落している。
  13. ^ 「番付は生き物」という見解は幕下に限らずすべての地位において適用していて、番付編成において確固たる基準が存在しないことを事実上示している。
  14. ^ 新興力士団〜大日本関西角力協会より編入。
  1. ^ 門脇利明「学生相撲出身幕内力士100人総まくり」『相撲』2020年9月号、ベースボール・マガジン社、40頁。 
  2. ^ a b 門脇利明「学生相撲出身幕内力士100人総まくり」『相撲』2020年9月号、ベースボール・マガジン社、41頁。 
  3. ^ 門脇利明「学生相撲出身幕内力士100人総まくり」『相撲』2020年9月号、ベースボール・マガジン社、42頁。 
  4. ^ 生沼芳弘, 「研究資料 大相撲における学生力士の研究」『東海大学紀要 体育学部』 31巻 p.19-29, 2001, NAID 110000195082.
  5. ^ MMTS 週刊相撲雑学(アーカイブ)
  6. ^ a b 門脇利明「学生相撲出身幕内力士100人総まくり」『相撲』2020年9月号、ベースボール・マガジン社、43頁。 
  7. ^ 実業団横綱の落合哲也がプロ入りの意向「中途半端な気持ちでは勝てない」来年初場所デビュー目指す」『日刊スポーツ』、2022年10月3日。2022年11月3日閲覧。
  8. ^ 三段目付け出し資格適用へ 主要アマ大会8強対象に」『スポニチアネックス』、2015年5月28日。2023年9月28日閲覧。
  9. ^ 三段目付け出し資格は身長、体重で合否判定せず」『日刊スポーツ』、2015年12月18日。2023年9月28日閲覧。
  10. ^ 「角界ニュース」『相撲』2016年9月号、ベースボール・マガジン社、134頁。 
  11. ^ 大相撲規則変更 二所ノ関部屋に入門の嘉陽快宗は三段目100枚目格→90枚目格で夏場所初土俵」『日刊スポーツ』、2022年3月31日。2022年3月31日閲覧。
  12. ^ 付け出し資格の適否判定の有効期限延長、コロナ考慮」『日刊スポーツ』、2020年10月29日。2020年10月29日閲覧。
  13. ^ アマ横綱・中村泰輝の幕下10枚目格付け出し資格を日本相撲協会が承認 夏場所で初土俵」『日刊スポーツ』、2023年3月30日。2023年3月30日閲覧。
  14. ^ “アマチュア横綱に黒川宏次朗「目指すべきタイトル」”. 日刊スポーツ. (2018年12月2日). https://www.nikkansports.com/sports/news/201812020000735.html 2018年12月2日閲覧。 
  15. ^ 国体相撲 アマ横綱・中村泰輝が連覇 史上4人目の幕下10枚目格付け出し資格を獲得 成年の部個人戦”. スポニチアネックス (2022年10月3日). 2022年10月3日閲覧。
  16. ^ “史上最速新十両の落合「何より幸せ」宮城野親方の夢かなえ感慨 将来は「幕内優勝して師匠を泣かせたい」”. スポニチ. (2023年01月25日 15:13). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2023/01/25/kiji/20230125s00005000343000c.html 2023年1月25日閲覧。 
  17. ^ a b c 幕下10枚目格と15枚目格の付け出し廃止を発表 スピード出世の最速記録更新は事実上不可能に」『日刊スポーツ』、2023年9月28日。2023年11月2日閲覧。
  18. ^ 長谷川力響は異例の決断「特に悩まなかった」 三段目最下位格付け出し資格得るも前相撲から初土俵」『サンケイスポーツ』、2023年11月6日。2023年11月13日閲覧。
  19. ^ 高校総体体重別は対象外 付け出し基準―大相撲」『時事ドットコム』、2023年11月30日。2023年11月30日閲覧。
  20. ^ 中大・菅野が学生横綱!角界入りへ「気持ちはある」 日刊スポーツ 2018年11月3日
  21. ^ 令和四年十一月場所番付トピックス”. 日本相撲協会公式サイト. 日本相撲協会 (2022年10月31日). 2022年11月3日閲覧。
  22. ^ 毎日新聞 2006年5月24日
  23. ^ 大相撲初場所 幕下 三段目 序二段で優勝決まる - NHK NEWS WEB 2023年1月20日
  24. ^ 落合、新十両昇進に新たな意欲「幕内優勝することで師匠を泣かせる」「夢だった横綱になりたい」 - 日刊スポーツ 2023年1月25日
  25. ^ ベースボール・マガジン社刊 『相撲』 2017年4月号(春場所総決算号) 91頁
  26. ^ “東洋大出身同士、デビュー場所4戦全勝対決は村田が若隆景を小手投げで下す”. スポーツ報知. (2017年3月21日). http://www.hochi.co.jp/sports/sumo/20170321-OHT1T50042.html 2017年3月29日閲覧。 
  27. ^ 西川が菅野破る「勝ててよかったです」中大卒対決」『日刊スポーツ』、2021年3月15日。2021年9月3日閲覧。




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