囲碁ソフトとは? わかりやすく解説

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コンピュータ囲碁

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/19 02:25 UTC 版)

コンピュータ囲碁(コンピュータいご)とは、人工知能 (AI) 研究の一分野で、ボードゲームの囲碁を打てるコンピュータプログラムを作ることを目的とした試みのことを指す。囲碁AI(いごエーアイ)の呼称が用いられることも多い。


注釈

  1. ^ この対局は即興で行われたものであり、十分な準備があったわけではない。そのためCrazy Stoneのコミの設定が間違っており、Crazy Stoneは終局している局面から不要な手を打ち持碁にしてしまった。ただし実質的にはCrazy Stoneの勝利であり、王銘琬のブログではその不要な手に言及せずCrazy Stoneの1目勝ちとされている[5]
  2. ^ 将棋電王戦ではバージョンアップや改良は禁止されており、実際に佐藤紳哉からやねうら王に「棋力が向上している」というクレームがありドワンゴはこれを「運営の判断ミス」と言ってバージョンアップ前のソフトと対局することに決定したが、囲碁電王戦ではDeepZenGo側が「最終局に向けさらに改良を」と述べているようにプログラムの修正が認められている。
  3. ^ 盤面状態の種類は、オセロで10の28乗、チェスで10の50乗、将棋で10の71乗と見積もられるのに対し、囲碁では10の160乗と見積もられる。また、ゲーム木の複雑性は、オセロで10の58乗、チェスで10の123乗、将棋で10の226乗と見積もられるのに対し、囲碁では10の400乗と見積もられている。ただし、9路盤の囲碁はチェスほど複雑ではない。
  4. ^ 将棋のBonanzaなどの例外はあるが、通常は戦法などについての知識が必要となる。
  5. ^ シチョウは現実の碁では級位者でも間違えない単純な手筋である。しかし万が一相手が間違えた場合、その時点で勝負が決着するほどの莫大な利得が得られる。人間・従来のコンピューター囲碁ではシチョウを間違えることはまず無いが、モンテカルロ碁のプレイアウトではランダム着手であるので何%かは間違えてしまう。ゆえにこのプレイアウトを元にAIは「取られているシチョウを逃げる手」「取れないシチョウを追う手」を「確率は低いが莫大な利得が見込める」有効な手であると判断してしまうのである。無論、相手は間違えないので逆にAI側が致命的な損失を被ることになる。このことをシチョウ問題という。
  6. ^ 2010年開発終了

出典

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  5. ^ a b c d e f 正和, 村松「プロ棋士対コンピュータ:FIT2008 における囲碁対局報告」『情報処理』第50巻第1号、情報処理学会、2009年1月15日、70–73頁。 
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