商品売買の記帳方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 04:56 UTC 版)
商品売買の記帳方法には、分記法、総記法、分割法の3つがある。 分記法 商品の仕入時に商品勘定の借方に仕入原価で記入し、商品の販売時に商品勘定の貸方に売り上げた商品の仕入原価を、売価と仕入原価の差額を商品販売益勘定の貸方に記入する方法。分記法による場合、決算整理仕訳を行う必要がない。 総記法 商品の仕入、販売を商品勘定だけで記入する方法。(決算時にのみ、商品販売益勘定も使用する) 商品を仕入れたときは、商品勘定の借方に仕入原価で記入し、商品を販売したときは、商品勘定の貸方に売価で記述する方法。 決算整理までは商品売買を繰り返すごとに商品勘定の貸方がふくらんでいくのが特徴。総記法の総記とは売上原価と売上総利益を商品勘定の中に総記するという事である。 決算時に商品勘定の貸方合計から売上総利益だけを商品販売益に振り替える。(借方)商品xx(貸方)商品売買益xx ・・売上総利益 この一本の仕訳をすることで利益が確定し、それと同時に商品勘定の残高が借方に逆転するかゼロになり、どんな場合でも貸方残高となることはない。商品売買益勘定の出現により売上総利益が確定し、それと同時にこの商品勘定の借方残高が期末商品棚卸高と一致する。 分割法 分割法には以下の4つがある。 三分法(三分割法)商品取引を仕入勘定(費用)、売上勘定(収益)、繰越商品勘定(資産)の3つの勘定に分けて記入する方法。 五分法三分法の3勘定に加えて「仕入値引・戻し」勘定と「売上値引・戻り」勘定を用いて記述する方法。 七分法五分法の「仕入値引・戻し」勘定を仕入値引・割戻勘定と仕入戻し勘定に、「売上値引・戻り」勘定を売上値引・割戻勘定と売上戻り勘定に分割して記述する方法。(「仕入」「売上」「繰越商品」「仕入戻し」「仕入値引・割戻」「売上戻り」「売上値引・割戻」勘定を使用する) 九分法七分法の「仕入値引・割戻」勘定を仕入値引勘定と仕入割戻勘定に、「売上値引・割戻」勘定を売上値引勘定と売上割戻勘定とに分割して記述する方法。(「仕入」「売上」「繰越商品」「仕入戻し」「仕入値引」「仕入割戻」「売上戻り」「売上値引」「売上割戻」勘定を使用する) 従って、売上勘定を使用するのは分割法のみである。
※この「商品売買の記帳方法」の解説は、「売上高」の解説の一部です。
「商品売買の記帳方法」を含む「売上高」の記事については、「売上高」の概要を参照ください。
- 商品売買の記帳方法のページへのリンク