名鉄モ3350形電車 (初代)とは? わかりやすく解説

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名鉄モ3350形電車 (初代)

(名鉄モ3650形電車 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/08 03:34 UTC 版)

名鉄モ3350形電車(めいてつモ3350がたでんしゃ)は、名古屋鉄道(名鉄)が主に優等列車運用に供する目的で、1940年昭和15年)から1941年(昭和16年)にかけて導入した電車である。名鉄の直流1,500 V電化路線において運用された吊り掛け駆動車各形式のうち、間接自動進段制御器を搭載するAL車に属する。


注釈

  1. ^ 座席定員はモ3350形。ク2050形は座席64人。[4]
  2. ^ 日本車輌製造作成の図面「組-2-ハ-6084」においては、ク2050形も電動車2形式と同じくベンチレーター5基仕様で図示されている。[12]
  3. ^ ク2650形2651・2652は河和線を敷設・運営した知多鉄道が名鉄3500系(初代)と同一設計で木南車輌製造へ発注した旧ク950形に属する車両である[42]。当初制御電動車モ950形として設計・発注されたものの資材不足の折から電装品が入手できなかったため製造途上に制御車へ設計変更され落成した[42]。知多鉄道の名鉄への吸収合併後も原形式・原番号のまま運用され、戦後電動車化されてモ950形となったのちモ3500形へ編入[43]、原形の3扉構造から2扉構造への改造を経て、電装解除および片運転台化の上で制御車ク2650形に形式区分された[41]。モ3650形との固定編成化に際しては、連結面側の旧運転台部分を完全撤去し、乗務員扉跡には他の側窓と同一形状の窓を新設した[3]
  4. ^ この固定編成化以降、モ3650形とク2650形の両形式を3650系として区分する一部資料も存在する[3][25]
  5. ^ 当時の名鉄において、直流1,500 V電化区間にて運用される車両の多くが自動空気ブレーキ仕様であったのに対して、同600 V電化区間にて運用される車両は各種取扱の異なるSME三管式非常直通ブレーキ仕様であった[40]。そのため昇圧工事完成に先立って、従来直通ブレーキ車を運転していた運転士を対象に自動空気ブレーキ車の習熟訓練が行われたが[40]、 直流600 V電化区間にも入線可能な自動空気ブレーキ車である3601編成 - 3604編成はその習熟訓練用車両としても重用された[40]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w 『日車の車輌史 図面集 - 戦前私鉄編 上』 pp.247 - 249
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 「知られざる名鉄電車史2 2つの流線型車両 3400形と850形」 (2007) pp.110 - 111
  3. ^ a b c d e f g h i j k l 『名鉄電車 昭和ノスタルジー』 p.65
  4. ^ a b c 『電気車形式図集 私鐵電車編(第一集)』 p.84
  5. ^ a b c d e f g h 「監督局 第5324号 車輌設計変更ノ件 昭和15年7月24日」
  6. ^ a b c d e f g 『私鉄電車ガイドブック4 相鉄・横浜市・名鉄・名古屋市』 pp.120 - 121
  7. ^ a b c d e 『私鉄電車のアルバム1(愛蔵版) 戦前・戦後の古豪』 p.98
  8. ^ 「監督局 第9096号 名古屋鉄道電動客車設計 並ニ特別設計ノ件 昭和14年7月12日」
  9. ^ 「監督局 第9097号 名古屋鉄道附随客車設計 並ニ特別設計ノ件 昭和14年7月12日」
  10. ^ a b c d e f 『日車の車輌史 図面集 - 戦前私鉄編 上』 pp.247
  11. ^ a b c d e f 『私鉄電車ガイドブック4 相鉄・横浜市・名鉄・名古屋市』 p.273
  12. ^ a b c 『日車の車輌史 図面集 - 戦前私鉄編 上』 pp.248
  13. ^ a b c d e 『日車の車輌史 図面集 - 戦前私鉄編 上』 pp.249
  14. ^ a b c d 「戦争突入を目前にした1941年初頭の名鉄電車」 (2011) pp.149 - 150
  15. ^ a b c d e f 『日車の車輌史 図面集 - 戦前私鉄編 上』 pp.245
  16. ^ a b c d 『私鉄電車のアルバム1(愛蔵版) 戦前・戦後の古豪』 p.101
  17. ^ a b 「名鉄6750系の系譜 -名古屋鉄道 車体更新AL車の終焉-」 (2009) p.15
  18. ^ a b c 鉄道技術史 - 制御器史余話 - 白井昭電子博物館 2014年9月4日閲覧
  19. ^ 技術年史 - 交通関係 p.3 (PDF) - 東洋電機技報109号(2003年11月) 東洋電機製造 2014年9月4日閲覧
  20. ^ a b 「吊掛電車の歴史過程 -技術史の側面から-」 (2009) p.45
  21. ^ 「TDK528系主電動機のあゆみ」 (1990) p.10
  22. ^ 「TDK528系主電動機のあゆみ」 (1990) p.12
  23. ^ a b 「知られざる名鉄電車史2 2つの流線型車両 3400形と850形」 (2007) pp.107 - 108
  24. ^ a b c d 『電気車形式図集 私鐵電車編(第一集)』 p.81
  25. ^ a b c 『ヤマケイ私鉄ハンドブック8 名鉄』 p.112
  26. ^ 『私鉄電車のアルバム1(愛蔵版) 戦前・戦後の古豪』 p.402
  27. ^ a b 「監督局 第3381号 名古屋鉄道電動客車及附随客車使用開始ノ件 昭和16年8月21日」
  28. ^ a b c d e f g h i 「知られざる名鉄電車史2 2つの流線型車両 3400形と850形」 (2007) p.112
  29. ^ 「戦後間もなくの名古屋鉄道」 (2006) pp.78 - 79
  30. ^ a b c d e f g h 「私鉄車両めぐり(87) 名古屋鉄道 1」(1971) pp.81 - 82
  31. ^ 「私鉄車両めぐり(87) 名古屋鉄道 3」 (1971) p.65
  32. ^ a b 『名古屋鉄道社史』 p.776
  33. ^ 『名古屋鉄道社史』 pp.339 - 341
  34. ^ 「総説:名古屋鉄道」 (1986) p.11
  35. ^ 「600V時代の名鉄西尾蒲郡線 (後編)」 (2009) pp.107 - 108
  36. ^ a b c d e f 「600V時代の名鉄西尾蒲郡線 (前編)」 (2009) p.111
  37. ^ a b c d e f 『名鉄電車 昭和ノスタルジー』 p.64
  38. ^ a b 「私鉄車両めぐり(46) 名古屋鉄道 補遺」 (1961) p.34
  39. ^ a b c d 『私鉄電車のアルバム1(愛蔵版) 戦前・戦後の古豪』 p.99
  40. ^ a b c d e f 「昭和40年代の中部地方の電車 -主に名鉄を中心とした思い出-」 (2000) p.118
  41. ^ a b c d e 「私鉄車両めぐり(87) 名古屋鉄道 1」(1971) p.82
  42. ^ a b 「監督局 第410号 車輌設計変更ノ件 昭和18年3月29日」
  43. ^ a b c 「私鉄車両めぐり(133) 名古屋鉄道」 (1986) p.191
  44. ^ 『私鉄電車のアルバム1(愛蔵版) 戦前・戦後の古豪』 p.100
  45. ^ 『私鉄の車両11 名古屋鉄道』 p.56
  46. ^ a b 『私鉄電車ガイドブック4 相鉄・横浜市・名鉄・名古屋市』 pp.122 - 123
  47. ^ a b 『私鉄電車ガイドブック4 相鉄・横浜市・名鉄・名古屋市』 pp.124 - 125
  48. ^ 『私鉄電車ガイドブック4 相鉄・横浜市・名鉄・名古屋市』 p.240
  49. ^ a b c d e 「私鉄車両めぐり(115) 名古屋鉄道」 (1979) p.98
  50. ^ 「名鉄モ700、モ750を称え、その足跡をたどる」 (1995) pp.111 - 112
  51. ^ a b c 「名鉄6750系の系譜 -名古屋鉄道 車体更新AL車の終焉-」 (2009) pp.16 - 17
  52. ^ 「私鉄車両めぐり(87) 名古屋鉄道 1」(1971) p.80
  53. ^ a b 『私鉄ガイドブック3 名鉄・京成・都営地下鉄・京浜』 p.23
  54. ^ 『RM LIBRARY130 名鉄岐阜線の電車 -美濃電の終焉(下)』 p.33
  55. ^ 「私鉄車両めぐり(115) 名古屋鉄道」 (1979) p.92
  56. ^ 「私鉄車両めぐり(133) 名古屋鉄道」 (1986) p.185
  57. ^ a b 『私鉄の車両11 名古屋鉄道』 p.180
  58. ^ 「名古屋鉄道のニューウェーブ (II)」 (1989) pp.112 - 113
  59. ^ 「名鉄特集 車両総説」 (1996) p.43
  60. ^ 「他社へ行った名鉄の車両 & 保存車」 (2006) p.168


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