庄川水力電気庄水3号形電気機関車とは? わかりやすく解説

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庄川水力電気庄水3号形電気機関車

(加越能鉄道デキ6500形電気機関車 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/07 00:42 UTC 版)

庄川水力電気庄水3号形電気機関車(しょうがわすいりょくでんきしょうすい3ごうがたでんききかんしゃ)は、電力会社の庄川水力電気により、専用鉄道での資材輸送列車牽引用に製造された電気機関車である。


  1. ^ 川崎造船所→川崎車輛→川崎重工業が製造した電気機関車としては762mm軌間の富士電気軌道向け5t機3両に続く第2作、1,067mm軌間の本線用電気機関車としては第1作となる。なお、川崎造船所の記録では本形式は庄川水力電気ではなく、その親会社であり、小牧ダム建設工事を推進した日本電力からの受注となっている。
  2. ^ 小牧ダムの工事では専用鉄道建設時から中古の蒸気機関車が投入されており、12の2両が既に使用されていた。そのため、本形式はそれらの続番で3から付番された。
  3. ^ 電気機関車としての一貫番号。川崎造船所→川崎車輛→川崎重工業では車種別に製番が与えられており、富士電気軌道向けNos.1-3の続番となっている。なお、吉川文夫の現車調査などの結果、本形式の車両番号と製番の対応は順に庄水3=No.6・庄水4=No.7・庄水5=No.4・庄水6=No.5と推定されており、川崎造船所側の記録では全車とも1925年4月出荷となる。
  4. ^ ダム建設で河川利用による木材輸送が不可能となった箇所を、ベルトコンベアや専用鉄道による貨車輸送などで迂回する経路を構築した。なお、この迂回経路の運営については、従来庄川水系でダム建設予定地の上流から河口付近まで流木による木材輸送を行っていた飛州木材と庄川水力電気の間に争議が発生した。飛州木材側は庄川水力電気専用鉄道が接続する加越鉄道の経営権を獲得、同社線との接続部分でロックアウトしダム建設工事用資材輸送が不可能となるようにするなどの妨害工作を繰り返した他、一時は工事差し止め命令や巨額の賠償金支払いを求め、飛州木材側が庄川水力電気や親会社の日本電力を告訴するなどしたが、周囲の調停・説得と情勢の変化に伴う双方の妥協で1933年8月11日に協定が成立した。もっとも、庄川水力電気など庄川の発電事業に関わる各社の負担で建設された岐阜県側への道路(通称「百万円道路」。後の国道156号の一部)が完成してこの迂回経路は事実上不要となり、この協定はその意義を失っている。この争議の詳細については小牧ダム#庄川流木争議を参照されたい。
  5. ^ 端子電圧550V時1時間定格出力48.5kW、540rpm。なお、直流1,500V対応に改造されたデキ8103では同型電動機搭載であるものの、端子電圧750V時1時間定格出力65kW、775rpmとなり、その差に比例して全負荷時定格速度および定格引張力も引き上げられている。
  6. ^ 『鉄道ピクトリアル No.631』の岸の記事では当初、ピンリンク式連結器が装着され、後に自動連結器に交換されたと記しているが、川崎造船所が本形式完成時に撮影したとみられる庄水4のメーカー公式写真では既に上下2種の連結器が装着されており、竣工後の運用状況から全車とも、当初よりこれらの連結器を併設していた可能性が高い。
  7. ^ 黒部鉄道時代にこの番号を与えられていることから、本車も庄川水力電気時代後半には既にKEL3へ改番されていた可能性が高い。
  8. ^ 富山新港開削に伴う射水線の部分廃止と高岡側残存区間の加越能鉄道への譲渡は1966年4月5日付で、デキ6501については何らかの事情により書類上の譲渡手続きが後追いになったと見られる。
  9. ^ 実際の使用開始は同年3月であったとされる。
  10. ^ そのため、一部文献では京都電燈での旧番号がテキ5と記載されている場合がある。
  1. ^ 『鉄道ピクトリアル No.631』pp.97-98
  2. ^ 『蒸気機関車から超高速車両まで』pp.65-66
  3. ^ a b 『鉄道史料 第62号』p.57
  4. ^ a b c d e f g h 『鉄道ピクトリアル No.631』pp.99-100
  5. ^ [1]
  6. ^ [2]
  7. ^ [3]
  8. ^ a b c d 『鉄道ピクトリアル No.631』p.100
  9. ^ a b c d e 『世界の鉄道'69』pp.182-183
  10. ^ a b c d 『世界の鉄道'74』pp.180-181
  11. ^ a b c d e 『世界の鉄道'75』pp.168-169
  12. ^ a b c d e 『蒸気機関車から超高速車両まで』p.76
  13. ^ a b 『世界の鉄道'69』p.183
  14. ^ 『レイル No.17』p.60
  15. ^ 『世界の鉄道'69』pp.85・183


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