ユージン・スミスとは? わかりやすく解説

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ユージン・スミス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/08 03:48 UTC 版)

ウィリアム・ユージン・スミス(William Eugene Smith、1918年12月30日 - 1978年10月15日)は、アメリカ写真家1957年から世界的写真家集団マグナム・フォトの正会員。


注釈

  1. ^ 水俣病の問題を取り上げた写真家はスミスが最初ではなく、塩田が手掛けていた他にも、桑原史成もそれ以前から撮影を続けていた。桑原は水俣病を本格的に取り上げた最初の写真家である[29]
  2. ^ 乙は水俣病患者家庭互助会を、甲はチッソを指す[34]
  3. ^ 当時の新聞報道では200人。ただし、資料によって数は異なる。チッソ側は約70名だと主張している[42]
  4. ^ コンクリートに激しく打ち付けられて脊椎を折られ、片目失明の重傷を負った、と書く書籍[45]もあるが、脊髄損傷や失明の事実はない。少なくとも、残されている3通の事件当時の診断書にはそのような事実は書かれておらず[46]、また、最晩年になっても失明にまでは至っていない。
  5. ^ これまでの間、家賃は元村和彦が負担していた[53]
  6. ^ 元は、スミスの写真集出版の計画は日本が先行しており、最初は創樹社から出版される予定だったがオイルショックの影響で計画は中止になった[56]。その後、講談社から大規模な写真集計画が持ち上がったが契約書締結にまでは至らなかった[55]
  7. ^ 『ライフ』に掲載された 「入浴する智子と母」は大きな話題となるが、雑誌が発刊されたちょうどその頃、1972年6月5日から同月16日にかけて、スウェーデンのストックホルムで「国際連合人間環境会議」が開催された。同会議には医師の原田正純、環境学者の宇井純、水俣病患者の濱元二徳、坂本フジエ、坂本しのぶらが出席。また、写真家の塩田武史が患者家族に同行取材した[82]。水俣病の存在はニュースなどにより世界に広まり、これがきっかけとなって各国は水銀の調査を始めた[83][84]

出典

  1. ^ a b Smith 1985, pp. 12–13.
  2. ^ 山口由美『ユージン・スミス 水俣に捧げた写真家の1100日』小学館、2013年4月27日、31頁。ISBN 978-4-09-379844-0 
  3. ^ a b c Smith 1985, pp. 10–11.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 「写真はときには物を言う」――水俣を世界に伝えた米写真家の軌跡”. Yahoo!ニュース (2017年12月26日). 2020年9月25日閲覧。
  5. ^ Smith 1985, pp. 21–29.
  6. ^ a b c 山口『スミス』p.69.
  7. ^ 美術手帖1971年10月号
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  9. ^ a b c d e f 山口『スミス』p.33.
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  12. ^ Schermer, Victor (7 April 2010). “Sam Stephenson: A "Loft-y" Vision of Jazz”. All About Jazz. http://www.allaboutjazz.com/php/article.php?id=35935 2014年2月22日閲覧。. 
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  16. ^ a b c 終わらない水俣病 世界に問う米国人カメラマンの元妻”. 朝日新聞デジタル (2020年5月1日). 2020年9月25日閲覧。
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  21. ^ 山口『スミス』pp.40, 53.
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  26. ^ 山口『スミス』p.60.
  27. ^ a b 山口『スミス』p.68.
  28. ^ 山口『スミス』pp.40, 68.
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  30. ^ 山口『スミス』p.72.
  31. ^ a b c デップさん主演で映画化 「ミナマタ」伝えた米国人写真家、元妻が語る「最後の勝負」”. 西日本新聞 (2018年12月3日). 2020年9月25日閲覧。
  32. ^ 山口『スミス』pp.60-61.
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  36. ^ 山口『スミス』pp.113-114.
  37. ^ 山口『スミス』p.113.
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  40. ^ 終わらない水俣病 世界に問う米国人カメラマンの元妻”. 朝日新聞社 (2020年5月1日). 2021年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月6日閲覧。
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  42. ^ 山口『スミス』p.118.
  43. ^ 山口『スミス』pp.116-121.
  44. ^ 山口『スミス』pp.123-124.
  45. ^ 宇井純『技術と産業公害』第4章「水俣病」、東京大学出版会
  46. ^ 山口『スミス』pp.122-124.
  47. ^ 山口『スミス』pp.119-120.
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  52. ^ 山口『スミス』p.162.
  53. ^ 山口『スミス』p.40.
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  55. ^ a b 山口『スミス』p.169.
  56. ^ 山口『スミス』p.168.
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  61. ^ a b 山口『スミス』p.189.
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