ヘーラクレースの第3の功業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 15:37 UTC 版)
「ケリュネイアの鹿」の記事における「ヘーラクレースの第3の功業」の解説
ヘーラクレースは前の2つの功業(ネメアーの獅子退治とヒュドラー退治)を成し遂げたので前回よりも難しい3番目の試練を考え出すのには多くの時間を費やさねばならなかった。その為、エウリュステウスは大いに腹を立てた。そこでエウリュステウスは第3の試練をケリュネイアの鹿を捕らえさせることに決めた。しかしこの鹿はアルテミスの捧げ物なので生け捕りにすること、とされた。 ケリュネイアの鹿はあまりにも足が速かった為、ヘーラクレースはまる1年間もギリシア、トラーキア、イストリア、ヒュペルボレイオスを通って徒歩で雌ジカを追い続けた。そして1年後ヘーラクレースはやっと雌ジカがラードーン川の水を飲むために止まったときに矢(この矢にはヒュドラーの血が塗ってある)で脚を射捕らえた。 エウリュステウスはアルテミスの聖獣を捕まえるという試練を課すことによって、アルテミスを激怒をさせることを望み、ヘーラクレースにこの試練を与えた。 雌ジカを捕らえ、家路を急いでいるとヘーラクーレスは偶然、アルテミスの双子の兄、アポローンに遭遇した。アルテミスとアポローンは鹿が殺されていると思い込み、激怒したが、ヘーラクレースが苦行の一環として鹿を捕らえねばならなかったこと、まだ鹿が生きていることを説明しアルテミスに鹿を絶対返すことを約束するとアルテミスの怒りは静まった。こうして、アルテミスにヘーラクレースを罰させるエウリュステウスの計画は挫かれたのだった。 その後ヘーラクレースは無事ミュケーナイにつき、第3の試練も無事終了した。その後、この鹿はアルテミスに返されたという。
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