クイーン・エリザベス級戦艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/25 15:47 UTC 版)
クイーン・エリザベス級戦艦 (Queen Elizabeth class Battleship) は[1]、イギリス海軍が運用した超弩級戦艦[2]。5隻が建造された[3]。本級は、戦艦として主砲に15インチ(38.1cm)砲を初めて搭載した[4]。戦艦と巡洋戦艦の中間的性能をもち、高速戦艦の原型ともいえる[5]。またイギリス戦艦として最初に石油専燃式機関を採用した[2]。
注釈
- ^ 〔 戰艦の速力 〕(中略)[2]然るに英國の「クヰーン・エリザベス」級は、全く戰艦たるべき常軌を逸して、二十五節といふ快速力を有つてゐるのであるから、一種の巡洋戰艦であるから、其れといふて最新式の巡洋戰艦に比べると速力が及ばない、謂はゞ戰艦と巡洋戰艦の合の子である、英國が此の合の子艦を造る計畫を立てたのは、本國の國費で四隻、馬來聯邦の寄附で一隻、加奈陀の寄附で三隻、合計八隻を得て一隊を編制し、之を帝國艦隊と名け、ヂブラルターに配備する豫定であつたのが、加奈陀の上院が此の寄附を拒絶した爲めに、今では五隻丈を建造しつゝあるのであつて、全く特種のものに属する、同國では其の後戰艦の建造が常態に復して、前に示した通り「ロヤル・ソヴエレーン」級の五隻は其の速力が二十二節半となつてゐる。/ 序に燃料に就て言ふて置きたいのは、新式戰艦には石油專燃のものと、炭油混燃のものと二つある、石油專燃のものとして計畫されたのは、米國の「ネヴアダ」を以て嚆矢とするが、英國では右の合の子艦に初めて專燃式を採用した。然るに後の「ロヤル・ソヴエレーン」級には之を止めて了ふて、元の混燃に復したのである。
- ^ 第一次世界大戦開戦時の第5戦艦戦隊は前弩級戦艦で編制されており、のちにクイーン・エリザベス級戦艦になった。
- ^ ユトランド沖海戦における巡洋戦艦部隊は、第1巡洋戦艦戦隊(ビューティー中将直率、ブロック提督)、第2巡洋戦艦戦隊(パケナム提督)、第5戦艦戦隊(エヴァン・トーマス提督)を基幹としていた(ユトランド沖海戦、戦闘序列)。
脚注
- ^ a b #T5英国大艦隊作戦大要(2) p.29〔 第七章 各種艦型ノ概要/第一節 戰艦 最近ニ竣工シタルモノハRoyal Sovereign級ト Queen Elizabeth 級ナル英獨艦隊ノ勢力及地形上特別ノ関係ニヨリ英国艦隊ニ於テハ最モ速力ノ優秀ナル必要アリ目下 Queen Elizabeth 型ヲ以テ最良ツルモノノ如シ 〕
- ^ a b c 現代海上の兵備 1915, pp. 36–37原本22-24頁
- ^ 海軍力一覧(講演資料其五) 1927, p. 20第四表 列国主力艦一覽表 大正十五年九月一日調/戰艦
- ^ 我か海軍(其の1) 1921, p. 10原本12頁
- ^ #M44、英海軍に関する件 pp.29-31〔 一、戰艦及戰闘巡洋艦 〕
- ^ 田尻、ガリポリ 1929, p. 19原本16頁
- ^ a b c d e f g h i j 世界の艦船増刊第67集
- ^ 田尻、ガリポリ 1929, pp. 31–34(原本40-46頁)其二 海軍
- ^ 東宮殿下御渡欧実記 1921, pp. 47–48(原本58頁)エリザベス號に御招待 倫敦五月八日/(原本59-60頁)エリザベス艦上の午餐
- ^ “Nippu Jiji, 1937.05.21”. Hoji Shinbun Digital Collection. pp. 12. 2023年8月22日閲覧。
- ^ 海上に於ける英国 1938, pp. 25–27.
- ^ 海軍読本 1937, p. 48-49(原本74-77頁)太平洋の黒點シンガポール
- ^ 欧米見たまま 1938, pp. 75–76(原本134-136頁)英國の大軍擴
- ^ a b 海上に於ける英国 1938, pp. 19–20.
- 1 クイーン・エリザベス級戦艦とは
- 2 クイーン・エリザベス級戦艦の概要
- 3 経緯
- 4 主砲
- 5 機関
- 6 同型艦
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