カナ304船団とは? わかりやすく解説

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カナ304船団

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/29 10:04 UTC 版)

カナ304船団(カナ304せんだん)は、太平洋戦争末期の1945年3月に鹿児島港から那覇港へ陸軍部隊輸送のため出航した日本の護送船団である。アメリカ海軍潜水艦および沖縄戦の準備に訪れたアメリカ海軍機動部隊の攻撃を受け、開城丸など輸送船4隻と護衛艦艇5隻が全滅した。


注釈

  1. ^ 一例として、3月10日にはカナ803船団(輸送船3隻・護衛艦4隻)を潜水艦ケートが攻撃し、輸送船三嘉丸、道灌丸、慶山丸の3隻を全滅させている[1][2]
  2. ^ カナ101船団では唯一の輸送船華頂山丸(三井船舶:2427総トン)が沈没し、第58号駆潜艇が損傷。なお、同船団に加入予定だった他の輸送船喜代丸、賢洋丸、八重嶽丸などは出航準備中の3月18日に鹿児島湾内で空襲を受けてすでに撃沈されていた[11]
  3. ^ スペードフィッシュの雷撃で23日に貨物船道了丸(日本郵船:2274総トン)沈没[10]。駒宮(1987年)は特設掃海艇第七利丸も沈んだとするが[15]、『第四護衛隊戦時日誌』によれば26日に佐世保港へ帰着している[8]
  4. ^ カタ504船団のうち那覇止まりの輸送船鳥海丸は3月24日、第五沖ノ山丸も3月25日に撃沈された[16]。護衛部隊も特設捕獲網艇第二新東丸は4月5日、特設駆潜艇大安丸が5月2日にいずれも那覇港内で撃沈[17]。なお、『アメリカ海軍公式年表』では、3月18日に鹿児島湾で撃沈したカナ101船団加入予定船を「カタ504船団」と記載している[9]

出典

  1. ^ 駒宮(1987年)、357頁。
  2. ^ Cressman (1999) , p. 638.
  3. ^ 駒宮(1987年)、352-354頁。
  4. ^ a b c 『第四海上護衛隊戦時日誌』、画像51-53枚目。
  5. ^ a b c d e f g h i 駒宮(1987年)、358-359頁。
  6. ^ a b 野間(2002年)、521-523頁。
  7. ^ 木俣滋郎 『孤島への特攻』 朝日ソノラマ〈航空戦史シリーズ〉、1982年、137、172-173頁。
  8. ^ a b c 『第四海上護衛隊戦時日誌』、画像40-41枚目。
  9. ^ a b Cressman (1999) , p. 642.
  10. ^ a b Cressman (1999) , p. 646.
  11. ^ 駒宮(1987年)、363-364頁。
  12. ^ a b c Cressman (1999) , p. 647.
  13. ^ 野間(2002年)、519頁。
  14. ^ 陸軍運輸部残務整理部 『船舶輸送間に於ける遭難部隊資料(陸軍)』 JACAR Ref.C08050112600、画像25-26枚目。
  15. ^ 駒宮(1987年)、364-365頁。
  16. ^ 駒宮(1987年)、361頁。
  17. ^ 第四海上護衛隊司令部 『自昭和二十年三月一日 至昭和二十年三月三十一日 第四海上護衛隊戦時日誌』 JACAR Ref.C08030144200、画像21枚目。
  18. ^ 2007年6月11日海鳴りの像に刻銘板」 戦時遭難船舶遺族会(2012年6月17日閲覧)
  19. ^ 下地寧 「遺族ら波に思い託す/戦時遭難船舶各沈没地点で慰霊」『琉球新報』 2001年11月30日。


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