インカ・ショニバレとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > インカ・ショニバレの意味・解説 

インカ・ショニバレ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 15:37 UTC 版)

インカ・ショニバレ CBE(Yinka Shonibare CBE, 1962年 - )は、ナイジェリア系イギリス人の芸術家。絵画、彫刻、写真、映像などのさまざまな手法で制作し、人種、性別、階級、文化、国境などの問題を問いかける。アーティスト名に、大英帝国勲章の三等勲位を示す「CBE」を付けている(理由は後述)[1]


注釈

  1. ^ イギリスは16世紀から西アフリカで奴隷貿易を行ない、1807年に奴隷貿易を禁止したが、ベルリン会議をへて1900年から保護領化を進めてイギリス領ナイジェリア英語版とした。第二次世界大戦後に反植民地運動が広がり、1960年にナイジェリアは独立を果たした[2]
  2. ^ エンヴェゾーは、アフリカ人として初のドクメンタキュレイターだった。エンヴェゾーやシモン・ンジャミ英語版アンドレ・マニャンフランス語版らは、キュレイターとしてアフリカの芸術家の作品を送り出す役割を果たした[8]
  3. ^ なお、黒人男性初のターナー賞受賞者は1998年のクリス・オフィリ英語版、黒人女性初の受賞者は2017年のルバイナ・ヒミッド英語版だった[9][10]
  4. ^ アフリカ美術界では、世界的に成功した芸術家が地元の美術を盛り上げるためのインフラ構築に携わることが増えている[11]
  5. ^ アフリカン・プリントやパーニュと呼ばれる布は、ショニバレや彫刻家のエル・アナツイが制作に使ったことで美術にも広く知られるようになった。次の世代に属する画家のエディー・カマンガ・イルンガ(Eddy Kamuanga Ilunga)は、それを踏まえて鮮やかな色彩のパーニュを表現している[15]
  6. ^ 日本におけるアフリカ美術紹介は、1995年の世田谷美術館「インサイド・ストーリー:同時代のアフリカ美術」が初の大規模な展覧会で、全国を巡回した。この時には20世紀初頭から1990年代の作品が紹介された。21世紀の作品が大規模に紹介されたのは、2018年から2019年に世田谷美術館で開催された「アフリカ現代美術コレクションのすべて」だった[28]
  7. ^ 福岡市美術館では「更紗の時代」(2014年)という企画展でインド更紗やバティックを取り上げており、のちのショニバレの個展へとつながった[29]

出典

  1. ^ a b c d e f Yinka Shonibare, CBE (RA) | Biography”. yinkashonibare.com. 2020年2月20日閲覧。
  2. ^ 島田 2019, pp. 32, 45, 107, 168.
  3. ^ インカ・ショニバレ CBE”. 美術手帖. 2020年8月8日閲覧。
  4. ^ a b c d e f 佐々木, 直樹 (2019年4月25日). “華やかさと裏腹の影 先入観揺さぶる 英国代表するナイジェリア系美術家 インカ・ショニバレさん国内初個展 福岡市美術館【コラム】”. アルトネ. https://artne.jp/column/669 2020年8月8日閲覧。 
  5. ^ a b 正路 2019, p. 97.
  6. ^ a b 福岡市美術館 2019, p. 118.
  7. ^ a b c 正路 2020, p. 108.
  8. ^ 中村 2020, pp. 98-99.
  9. ^ 山本 2019, p. 242.
  10. ^ “ターナー賞2017”. ART iT. (2017年12月6日). https://www.art-it.asia/u/admin_ed_news/ujzikmnyce3mbwzoblyw 2020年8月8日閲覧。 
  11. ^ 中村 2020, pp. 102-103.
  12. ^ “Yinka Shonibare: ‘I see what’s happening as an African renaissance’”. The Guardian. (2020年1月13日). https://www.theguardian.com/artanddesign/2020/jan/13/yinka-shonibare-london-nigeria-african-renaissance 2020年8月8日閲覧。 
  13. ^ 正路 2019, pp. 97-98.
  14. ^ 正路 2020, pp. 107-108.
  15. ^ 中村 2020, p. 95.
  16. ^ ショニバレ 2019, p. 11.
  17. ^ 正路 2019, p. 98.
  18. ^ 正路 2020, pp. 106-107.
  19. ^ Yinka Shonibare MBE, Gallantry and Criminal Conversation”. National Museum of African Art. 2020年2月20日閲覧。
  20. ^ 福岡市美術館 2019, p. 52.
  21. ^ 正路 2020, p. 107.
  22. ^ Nelson's Ship in a Bottle”. Royal Museums Greenwich. 2020年8月8日閲覧。
  23. ^ 福岡市美術館 2019, p. 81.
  24. ^ 福岡市美術館 2019, p. 45.
  25. ^ 正路 2020, pp. 109.
  26. ^ 『横浜ダンスコレクション2017 BODY / PLAY / POLITICS』インカ・ショニバレ MBE”. 横浜美術館. 2020年8月8日閲覧。
  27. ^ 福岡市美術館 2019, pp. 68-69.
  28. ^ 塚田 2020, pp. 82-85.
  29. ^ キュレーターズノート 収集活動と展覧会活動が次なる展覧会を生む── 「インカ・ショニバレCBE:Flower Power」”. アートスケープ. 2020年8月8日閲覧。
  30. ^ ショニバレ 2019, p. 12.
  31. ^ 福岡市美術館リニューアルオープン記念展 「これがわたしたちのコレクション+インカ・ショニバレCBE: Flower Power」”. 福岡市美術館. 2020年8月8日閲覧。
  32. ^ 福岡市美術館 2019, pp. 91-92.
  33. ^ 正路 2019, pp. 100-102.
  34. ^ 正路 2020, pp. 108-110.


「インカ・ショニバレ」の続きの解説一覧



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  インカ・ショニバレのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「インカ・ショニバレ」の関連用語

インカ・ショニバレのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



インカ・ショニバレのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのインカ・ショニバレ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS