さくら呉服橋ビル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/26 09:28 UTC 版)
さくら呉服橋ビル(さくらごふくばしビル)は、かつて東京都中央区八重洲に所在した建築物である。1952年に日本相互銀行[注釈 1]の本店として竣工。建て替えのため2008年に解体された。日本初の全溶接による鉄骨構造や、カーテンウォール構造やアルミサッシなど当時の最新の工法が採り入れられた、戦後の前川國男の「テクニカル・アプローチ」[注釈 2]の代表的な建築物の一つであった[2]。
注釈
- ^ 着工時の社名は日本無尽。1951年に相互銀行法制定に伴い日本相互銀行、1968年に相互銀行から普通銀行に転換し太陽銀行、1973年に太陽神戸銀行、1992年にさくら銀行。2001年から三井住友銀行。行名の変遷の詳細は各銀行の記事を参照。
- ^ a b 近代建築に向き合う前川の建築思想・建築手法を評するキーワード。前川は1951年10月5日に行われた、雑誌『国際建築』1951年12月号の座談会で「テクノロジカル・アプローチ」の言葉を初めて口にした。その後は自身でも「テクニカル・アプローチ」とも発言しており、厳密な区別はないようである[5]。
- ^ 龍名館の塔屋には日本相互銀行の看板が設置されていた[6]。
- ^ 建替え後の三井住友銀行呉服橋ビルにも窓口は置かれず、ATMコーナーのみとなっている[12]。
- ^ 吸音効果のある、規則的な凹凸を付けた木製内装材。コペンハーゲンの放送局で初めて使用されたことからこの名がついた[14]。
- ^ 水平連続窓 (la fenêtre en bandeau)は、ル・コルビュジエが提唱した近代建築の五原則の一つ。リボン・ウィンドウとも。
- ^ 2007年よりAGCテクノグラス
- ^ 1999年より東芝キヤリア
出典
- ^ a b c (前川・清水 2009, pp. 15)
- ^ (大川・渡邉 2006, pp. 48–49)
- ^ a b c d e (前川・清水 2009, pp. 14)
- ^ a b (前川・清水 2009, pp. 5–7)(藤岡洋保)
- ^ a b (前川・清水 2009, pp. 8–10)(橋本功)
- ^ 龍名館の歴史
- ^ (前川・清水 2009, pp. 22)
- ^ (前川・清水 2009, pp. 47–48)
- ^ 三井住友銀行呉服橋ビル(清水建設)
- ^ a b c d e (前川・清水 2009, pp. 16)
- ^ (前川・清水 2009, pp. 26)
- ^ 八重洲呉服橋出張所(三井住友銀行)
- ^ (前川・清水 2009, pp. 28)
- ^ 28年間も同じ製品を作り続けている理由(エレガントウッドコーポレーション)
- ^ (前川・清水 2009, pp. 54)
- ^ (前川・清水 2009, pp. 17–18)
- ^ (前川・清水 2009, pp. 33)
- ^ (前川・清水 2009, pp. 61–63)
- ^ (前川・清水 2009, pp. 72–73)
- ^ 歴史を見たマテリアル 第14話 めざましいスピードで一般に普及「アルミサッシ」 - archive.today
- ^ (前川・清水 2009, pp. 99)
- ^ (前川・清水 2009, pp. 85–86)
- ^ (前川・清水 2009, pp. 14–15)
- ^ (作品集刊行委員会 2013, p. 151)
- ^ “044 日本相互銀行本店(現 三井住友銀行東京中央支店)”. DOCOMOMO JAPAN. 2022年6月26日閲覧。
- ^ “旧日本相互銀行本店の保存に関する要望書” (PDF). 日本建築学会 (2007年11月14日). 2022年6月26日閲覧。
- ^ “さくら呉服橋ビル(旧日本相互銀行本店)に関するご報告” (PDF). 三井住友銀行 (2008年1月8日). 2022年6月26日閲覧。
- ^ “◆中央区 ここに歴史あり(54) 建築家・前川國男の代表作品~旧日本相互銀行ビルの遺構”. 中央区観光協会特派員ブログ (2013年7月15日). 2022年6月26日閲覧。
- 1 さくら呉服橋ビルとは
- 2 さくら呉服橋ビルの概要
- 3 歴史
- 4 建築
- 5 脚注
- さくら呉服橋ビルのページへのリンク