イースIX 概要

イースIX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/07 09:09 UTC 版)

概要

2018年12月5日に『Project N.O.X』として発表され、カウントダウンサイトがオープン[3]。19日3時のカウントダウン終了と同時にティザーサイトがオープンし、正式タイトルと2019年の発売予定がアナウンスされる。その後、2019年3月28日に公式サイトが正式にオープン、4月25日に同年9月26日の発売予定が発表された。

基本的なゲームシステムは前作「イースVIII」のものをほぼ継承しており、イースシリーズの特徴を踏まえつつブラッシュアップされ、仲間の能力を活かした特殊アクションといった新要素を取り入れている。さらに前作と比較してグラフィック面でのパワーアップが図られており、PS4などの次世代機にふさわしい演出がなされている。

その一方で、2022年に行われた「イースシリーズ作品の人気ランキング」では3位(77票)にとどまっており、1位の「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」460票、2位の「イースII -Ancient Ys Vanished The Final Chapter-」215票からは大きく票を開けられている。その理由として、多くのマップが街の中に限られていて閉鎖的であり、ダンジョンも監獄や地下迷宮が多く圧迫感がある……などの評価がなされている[4]

ゲームシステム

基本システム

難易度
本作では簡単な順に、EASY、NORMAL、HARD、NIGHTMARE、INFERNO、そして、アップデートパッチver.1.05で追加されたLunaticの6種類。変更する時はメニューのオプションから行える。
上昇する程、敵の動きが厳しくなるほか、スキルやブーストが使いにくくなり、入手経験値も下がる。基本的にNIGHTMARE以上の難易度は、二周目以降でチャレンジすることが想定されており、トロフィーコンプリートも二周する必要がある[5]
異能アクション
怪人達が持つ超常的な力「異能」を発動させ、普段は不可能な行動をとることができる。
街中、フィールド、ダンジョンとあらゆる場所で発動可能で、敵とのバトルだけでなく、ダンジョンのギミック解除や街中での探索にも役立つ。バルドゥークに出現する怪人達の協力を得ることで、発動可能な異能アクションの種類も増えていく。
発動可能になった異能は怪人全員で共有され、特定の異能使用のためにキャラを切り替える必要はない。
発動できる時間には制限があり、キャラの下にゲージで表示。ゲージがなくなると自動的にアクションを終了する。
親密度
アドル以外のキャラには親密度が設定されており、特定のアイテムをプレゼントしたり、物語をある時点まで進めたり、特別なクエストを達成すると上昇。
上昇すれば、グリムワルドの夜でのサポートスキルが強化されるほか、キャラの意外な一面を見れることもある。

バトル関連

状態異常
本作では毒、混乱、石化、虚弱、呪いの5種類。状態異常にかかると専用のアイコンが表示され、アイテム等で治療しない限り、ゲージがなくなるまで状態異常は続く。
また、状態異常を重ねると、その効果はLv2、Lv3とより強くなり、ゲージの色も濃くなる。効果は以下の通り。
移動するとダメージを受ける。Lv2では攻撃アクション時もダメージを受け、Lv3では常にダメージを受ける。
混乱
移動の際、方向が反転する。Lv2では攻撃が仲間に当たるようになってしまい、Lv3では仲間に当たった攻撃のダメージ量が増加。
石化
移動速度が半減する。Lv2では攻撃アクションとジャンプができなくなり、Lv3では固まって移動できなくなる。
虚弱
被ダメージおよびスキルの消費SPが増加し、状態異常にかかりやすくなるほか、ブーストゲージと異能ゲージの減少速度が上昇。Lv2、Lv3と上昇すると更に効果が大きくなる。
呪い
暗闇状態になり、移動速度が減少するほか、被ダメージ増加。Lv2、Lv3と上昇すると更に効果が大きくなる。
HP回復
通常のフィールドでは、行動せずに留まっていると、それだけでHPが自然に回復する。留まっている時間が長くなる程、回復速度も上昇。
ダンジョンで自然回復をするには、特定の装備が必要になる。
スキル攻撃
各パーティキャラには専用のスキル攻撃があり、SP(スキルポイント)を消費することで発動できる。
SPはパーティキャラ全員で共有する。通常攻撃ヒット時に回復するほか、攻撃を行っていない時に高速で自動回復する。
属性、ブレイク
本作での攻撃に付与された属性は、「斬」「打」「射」の3属性。この属性はキャラ毎に決められているが、特定のアイテムで変更が可能。
敵には「斬」「打」「射」の属性のいずれかに弱点属性が設定されていることがあり、ターゲティングすると分かるようになっている。
弱点属性で攻撃するとブレイク状態にでき、ブレイク状態にすると、ブレイク時に大ダメージを与えられるうえ、敵の防御力が大幅にダウンする。
フラッシュムーブ、フラッシュガード
敵の攻撃をタイミングよく回避すると発動する。
フラッシュムーブは、一定時間無敵状態になり、敵の動きがスローモーションになる。
フラッシュガードは、一定時間ダメージを無効化し、SPとブーストゲージが溜まるほか、攻撃が全てクリティカルになる。
ブースト
「ブーストゲージ」と呼ばれる黄色のゲージを、敵を攻撃したりフラッシュガードを成功させる等して半分以上溜めると使用できる。ブースト発動時は使用したキャラがアップで映る。ただし、何もせずにいると溜まったゲージは減少していく。
ブースト中は、ゲージがなくなるまで通常攻撃とスキル攻撃が強化、被ダメージ減少、SPの回復量上昇、HPが自動回復、攻撃・移動速度上昇、連撃回数増加と様々な恩恵がある。
EXTRAスキル
いわゆる必殺技で、ブースト中にのみ発動できる強力なスキル攻撃。使用するとブーストゲージはゼロになる。

イベントバトル関連

グリムワルドの夜
バルドゥークに発生した瘴気の渦の内部の空間に出現する大量の邪霊を相手に戦闘を行う。発生させるにはバルドゥーク内にある瘴気から発生する邪霊との戦闘をこなして「NOXゲージ」を一定数値以上に上昇させる必要がある。
本作では、基本的に戦闘に参加するのはメインメンバーの3人だが、グリムワルドの夜ではメインメンバー以外の怪人も全員出撃し、独自の判断で戦う総力戦となる。
戦闘形態には大別して、グリムワルドの夜の浄化に必要な柱「スフェン」を破壊されないよう守り抜く「防衛戦」と、邪霊の群れを突破してフィールドに配置された魔の結晶「ラクリマ」を全て破壊する「破壊戦」の2種類がある。
降魔設備
グリムワルドの夜において役立つ設備。バー「ダンデリオン」にいるドギに話しかけると、一定の素材を消費して作成・強化することができる。
種類は以下の通り。
スフェン
グリムワルドの夜を浄化する柱。強化すると耐久力が上がり、破壊されにくくなる。
デコイ
邪霊を周囲に引き付ける。強化すると耐久力および設置数が増える。
ルクス・カノン
照明弾を打ち出し、邪霊を攻撃する。強化すると威力が上昇し再装填までの時間が短くなるほか、ブレイク効果が付与される。
ペンタクル
設置した範囲内の邪霊に状態異常を付与する。強化すると付与できる状態異常の種類が追加されるほか、その効果が強化される。
マスケッター
重力弾を自動発射して邪霊を攻撃する。強化すると攻撃範囲が広がり、与ダメージ量が上昇する。
降魔のカンテラ
ダンデリオンの地下に設置されており、これに「宵闇の欠片」を渡すと、その数に応じて様々な素材が手に入る。中には希少な品もあるが、欠片の必要量は多くなる。宵闇の欠片は、物語の各章終了時点でのNOXゲージの量と同じ数が手に入る。
サポートスキル
パーティメンバーや「ダンデリオン」でアドルの仲間として活動する一部のメンバーは、グリムワルドの夜において様々なスキルを行使して戦闘を援護することができる。
その内容はキャラによって異なり、親密度が上がれば強化される。

あらすじ

本作は、「イースVIII」におけるセイレン島での冒険、「イースVI」におけるカナン諸島での冒険などに続いて、「イースVII」におけるアルタゴでの冒険を終えた後に行われた、24歳になった主人公アドルの冒険日誌の一冊「バルドゥークの檻」に記されている冒険譚である。

プロローグ
「赤毛のアドル」の異名で呼ばれる冒険家アドル・クリスティンは、彼の相棒ドギと共に、ロムン帝国の属州グリア・エルトリンゲン地方の主要都市のひとつ《監獄都市》バルドゥークを訪れる。
しかし、アトラス洋で発生したロムン艦隊消失事件の重要参考人として指名手配されていたアドルは、ロムン兵士たちに拘束されてしまう。身の潔白を説明するが聞き入れられず、アドルは街の最奥にある「バルドゥーク監獄」に拘留される羽目になってしまう。
厳しい尋問を受け続ける日々の中、何とか脱獄を図るアドルだったが、その道中で、異形の黒いコートと左側の義手・義足が特徴的な謎の女性・アプリリスに出会う。彼女によって受けた呪いによりアドルは、異形の姿と超常の力を有する存在『怪人』の一員『赤の王』となり、「異能」を発現できるようになる。
そして、それと同時に街を離れることができなくなり、バルドゥークを騒がし畏怖されている他の5人の怪人たちと共に、異世界での怪異との戦闘を強制されることになってしまう。
序盤
バルドゥークの街では、ペンドルトン商会が関わっている鉱山による公害や、ロムンの圧政などにより貧民街は苦しんでいた。その貧民街に、商会から盗んだ金貨を与えて救っていた、ペンドルトン商会の次女であり怪人『白猫』キリシャはパーティーとして行動することになる。
地下道からバルドゥーク監獄へと潜入したアドル達は、友人の消息を探るために監獄にいた壮年の男性パークスを脱獄させ、廃屋だったバー「ダンデリオン」を開店してアジトにする。星刻騎士団に所属しており、辻斬りを行っている戦闘狂の怪人『鷹』クレドをパーティーに加え、別ルートで再びバルドゥーク監獄へと向かう。
一方、その騒ぎの中、怪人として活動中のアドルそっくりの姿をした囚人アドルが、バルドゥーク監獄の特殊棟より脱獄を図ろうとし、裏の副業に手を染めている看守グレッグや、監獄に住み着いている聖獣グザヴィエらの協力のもと活動を開始するのであった。
中盤
正体が本物の人形という怪人『人形』アネモナ、拠点ダンデリオンのウェイトレスをしていた怪人『猛牛』ユファ、車椅子暮らしをしている病気の少年である怪人『背教者』 ジュール・ノアらが仲間に加わり、アドル達は監獄に捕らわれている無実の囚人たちを解放して、バーの仲間にしていく。
やがて、星刻教によって迫害を受けたノース教の主神グリムニルは、かつて半神の戦士たちを使役し、「グリムワルドの夜」の異世界で魔物たちと戦っていたことが判明する。異世界グリムワルドとは、グリムニルが創り出した「世界を浄化する仕組み」であり、人の負の感情が魔物となり、それを滅することで世界を浄化するのだという。
マリウスと共に脱獄して街まで戻ってきた囚人アドルだったが、マリウスによって気絶させられてしまう。一方、「星刻騎士団」の団長・シャトラールは、ジュールの父であるスミノフ医師と手を組み、ロムン帝国を排除してグリア独立を図ろうと画策していた。古代種や人造モンスターなどは、そのための副産物であるという。シャトラールの手によってアプリリスは討ち取られてしまう。
終盤
やがて、シャトラールが錬金術を使って人造モンスターを作っていること、そして怪人アドルは「本物のアドルを元にして錬金術によりに産み出されたホムンクルス」であること。そして同様に、『白猫』『鷹』『猛牛』『背教者』の4人は、500年以上前にあった百年戦争時代に「聖女の下で活躍した英雄たちのホムンクルス」であり、アプリリスは「聖女のホムンクルス」であったことが判明する。
シャトラールは、歴史上の天才たちを錬金術でホムンクルスとして複製することで、その力でグリアに強固な軍隊と政治体制をもたらし、ロムンの支配からの解放を考えていた。シャトラールを打ち倒したものの、シャトラール自身もホムンクルスであることが判明して消失してしまう。
そこに、スミノフらに錬金術を指南し、老若男女さまざまな姿を使い分けて、100年戦争時代から生き続けている「はじまりの錬金術師」ゾラが現れる。少年の姿をした彼こそが、『人形』アネモネを魂から錬成し、人形の記憶と聖女の遺髪からアプリリスを蘇らせた張本人であった。そして、「最後の研究」を実現させるべく、冒険家アドルの記憶を元にして、未知の魔物や古代種を超えるなにかを生み出そうとしていた。
試験体として生み出された怪人アドルは、不安定な存在であり再び倒れてしまう。怪人アドルは、意識を共有したアドル本人に記憶と魂を受け渡して、この世から消え去る。
ラスト
最終ダンジョンに突入したアドル達だったが、ゾラは「アドルの記憶」にある過去の冒険で出会った強敵や人物たちの情報をもとに、錬金術により「英知の集合体」である究極のホムンクルス 《アトラ》を生み出す。アトラがいれば、「グリムワルドの夜」で怪人たちは戦わなくて済むとゾラは諭すが、怪人たちはそれを拒絶する。
その後、アトラはゾラの命令から離れて暴走。圧倒的な力を持つアトラであったが、ゾラが錬金術を途中で解除したために弱体化し、アドルたちは激しい戦闘の後にアトラを討ち取る。
エピローグ
怪人としての能力を失った一行は、それぞれ普通の人間として暮らすことになる。アドルは街の人々たちに別れを告げて、ドギと共に旅に出たところで、物語は終わりを告げる。






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