イースIX
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/07 09:09 UTC 版)
世界観
- 《監獄都市》バルドゥーク
- 本作の舞台となる街。エステリア北東の半島に位置するロムン帝国属州、グリア・エルトリンゲン地方の主要都市の一つ。
- 街中に「バルドゥーク監獄」があり、「監獄都市」とも呼ばれている。監獄を中心に城壁や堀が張り巡らされ、城塞都市時代の名残も見られる。
- グリア・エルトリンゲン地方における交通の要衝でもあるため、旅人や商品を対象とする宿屋、酒場、交易所等が軒を連ね、近年では劇場、公衆浴場といった大衆向け施設も充実しつつある。星刻教会の枢機卿リンドハイムがグリア総督を兼任して統治しているが、現在行方不明となっている。
- エルトリンゲン戦役ではロムン帝国に最後まで抗戦したが、将来を見据えてロムンに与した住民と、敗戦まで抵抗を貫いた住民との間で貧富の差が発生、社会問題となっている。
- 最近、街中では「怪人(モンストルム)」と呼ばれる正体不明の者達が騒ぎを起こしており、住民達の噂の的となっている。
- バルドゥーク監獄
- バルドゥークの最奥に位置する、ロムン帝国最大の監獄施設。元々は国境を守る要塞だったが、現在は大きく改築されて巨大監獄として利用されている。入口は正面の跳ね橋一つだけで、周囲を峻険な岩壁と深い堀に囲まれており、脱獄は不可能と言われている。
- 過去には帝国を批判する人々を政治犯として収容していたことがあり、監獄に対する住民の心証はあまり良くない。
- 内部はかなり広く、複数の区画に分かれている。大改築が行われた影響で、区画の中には現在の住民や看守達には未知の領域がある。
- それぞれの区画間の往来は、監獄の中の一定の区画のみを管轄するロムン帝国軍や星刻騎士団は勿論、看守であっても厳しく制限されており、現在では全容を知る者はほとんどいない。
- 怪人(モンストルム)
- 人智を超えた超常的な力と奇抜な姿を持つ神出鬼没・実態不明の人物達。「怪人」という呼称は、普通の人間とは明らかに一線を画する異能と出で立ちからきている。
- バルドゥークにおいて様々な活動を行っているが、統率は取れていないらしく、住民からは恐れられることが多い。
- 人間離れした異能や姿と引き換えに、障壁によって、バルドゥークの外からは出られない。アプリリスや怪人達はこれを「呪い」としている。
- 星刻教会
- エレシア大陸全土において、ロムン帝国の国教である星刻教の布教活動を行う巨大宗教組織。
- 他の地域同様、バルドゥークでの信仰も篤く、大聖堂には休日になると多くの人々が集まり、ミサが行なわれている。
- 星刻騎士団
- 星刻教会の数少ない騎士修道会の一派。グリア地方では近年、シャトラールが騎士修道会を立ち上げ、バルドゥーク監獄を本拠地としている。
- 教会に対して半分脅しのような形で設立を認めさせた経緯を持つが、現在はロムン帝国総督府と上手く折り合いをつけ、バルドゥークの治安維持を共同で行っている。
- グリムワルドの夜
- バルドゥークとは別の次元に広がる領域。空は赤く染まり、二つの月が赤く輝く。アプリリス曰く「人と魔の境界が最も曖昧になる世界の狭間」。
- 内部には大量の邪霊(ラルヴァ)と呼ばれる魔物が生息しており、怪人が魔物を全て倒すことでバルドゥークの「浄化」が行われ、バルドゥークはその存在を維持できる。
- 入り方には、強制的に召喚される方法と瘴気の渦から自ら入る方法の2種類に大別され、強制的に召喚される場合、怪人達は直前に空間の揺らぎを察知して、召喚されることを知ることができる。
- 邪霊(ラルヴァ)
- グリムワルドの夜を活性化させるといわれる、グリムワルドの夜の世界に生息する魔物。怪人でない一般人には認知できず、実害もない。
- バルドゥークの内部に存在する暗黒の瘴気から出現することもある。
- 障壁
- バルドゥークの至る場所に張られている結界。怪人となった者は障壁毎に定められた特定の条件を満たさないと障壁の向こうに行くことができず、無理に通ろうとしても強い力で押し戻される。
- 解放の鐘
- バルドゥークにかつて存在したレジスタンス組織。ロムン帝国によるグリア地方への圧政に反旗を翻し、グリア地方独立を掲げ活動していた。
- 3年前にバルドゥークで大規模反乱を起こすも鎮圧され、主要メンバーが監獄に収容されたことで事実上壊滅。しかし、彼らの決死の行動で、圧政を行っていた前グリア総督は更迭され、穏健派のリンドハイムに交代する等一定の成果を上げた。
- しかし、追手を逃れた一部の若手メンバーは組織を再結成し、水面下で活動しているとの噂がある。
- エルトリンゲン戦役
- 8年前に、グリア王国を属州にしようとしたロムン帝国とそれを阻止しようとしたグリア王国の間に勃発した戦争。
- 戦いは終始ロムン優位で進み、バルドゥーク郊外では大規模会戦が行われ、ロムン軍の前にグリア軍は敗走、バルドゥークに逃げ込み籠城戦となる。しばらくして食糧が尽きかけ、バルドゥーク内部では略奪が横行。治安の悪化を見かねたバルドゥーク駐留軍が籠城軍と協力して一世一代の奇襲作戦に打って出るも、直前で籠城軍を率いるグリア王族出身の将軍が怖気づいて翻意し、援護しなかったことで、駐留軍は大敗。直後になだれ込んだロムン軍によって王城は陥落(これは逸って功績を求めたロムン軍の暴走によるものであり、対外的にはグリア王家による無血開城と公表)、戦争はロムン帝国の勝利で終戦した。
- この戦役でグリア王国は滅亡し、ロムン帝国の属州となった。また、グリア王家は没落し、国王はロムン軍の刃を受け戦死、一人娘のエレアノール王女も行方不明となった。
- ノース教
- グリア地方で過去に信仰されていた土着の宗教。主神「グリムニル」と閉ざす者「ル・キ」と呼ばれる二柱の神を主に信仰する。
- グリムニルとル・キの果てなき争いにより世界は成り立ち、この二柱および彼らに属する神々の争いの果てに「神々の黄昏」と呼ばれる世界の滅びが起こるという終末思想が信じられていた。
- 星刻教が他地方から入ると、グリアの住民間では世界終末の教義の忌避、上層部では星刻教の影響力によるグリア地方の平定が重視され、星刻教に改宗。ノース教信者は同じグリア人に迫害され、地下墓所で密かに信仰を続けたが、現在では廃れている。
- 百年戦争
- 今から約500年前にグリア王国とブリタイ王国の間に勃発した長きにわたる戦争。
- 戦いは当初はブリタイの優勢で進んでいたが、戦争末期にグリアの農家出身の「聖女」ロスヴィータが挙兵。すると、破竹の勢いで勝利を重ね、形勢はグリア優勢に逆転。彼女の軍勢によるバルドゥーク奪還により、戦争はグリア勝利で終結。だが、立役者であるロスヴィータは、彼女の存在を疎んだグリア王家の密通者およびブリタイ側の騙し討ちにより火刑にされた。
- バルドゥークでは、ロスヴィータ率いるバルドゥーク解放軍がバルドゥークを奪還した日を「戦勝記念日」と定め、その日にグリア軍の勝利を祝い、戦争で命を落とした者の魂の鎮魂を祈る「戦勝記念祭」が行われ、祭の時期の前後は観光客も多く集まる。
- 一説によれば、ロスヴィータが最も信頼を寄せていた戦友が数名いたと伝えられているが、副官が貴族であることと「聖剣使い」が英雄達の中で最初に戦死したことを除き、その最期はおろか名前さえ後世には伝えられていない。その理由については、聖女の栄光に隠れて廃れたとも、意図的に隠されたとも言われておりはっきりしていない。
- ^ 近藤季洋(インタビュー)「「イースIX」を徹底大解剖! システム、シナリオ、キャラクター、今後の展開まで、ファルコム近藤季洋氏総力インタビュー」『Gamer』、2020年1月11日 。2022年4月7日閲覧。
- ^ 『週刊ファミ通』2021年10月14日号、KADOKAWA Game Linkage、2021年、181頁。
- ^ Project N.O.X | 日本ファルコム
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- ^ 一周目でも不可能ではないが、相当に困難である。
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