Wami
Wahana Musik Indonesia
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/07/03 14:03 UTC 版)
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Wahana Musik Indonesia
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| 略称 | WAMI |
|---|---|
| 設立 | 2006年9月15日 |
| 設立者 | インドネシアの複数の音楽出版社 |
| 設立地 | |
| 種類 | 著作権管理団体 |
| 法的地位 | 非営利団体(Perkumpulan) |
| 目的 | 音楽著作権の管理、ライセンス許諾、ロイヤルティの徴収・分配 |
| 本部 | |
| 貢献地域 | インドネシア |
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会員数
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作曲者5,671人、音楽出版社118社(2024年) |
| 公用語 | インドネシア語 |
| President Director | Adi Adrian |
| 加盟 | |
| ウェブサイト | www |
Wahana Musik Indonesia(ワハナ・ムシク・インドネシア、略称:WAMI)は、インドネシアの著作権管理団体(Lembaga Manajemen Kolektif、LMK)である。作曲者、作詞者および音楽出版社から委任を受け、音楽著作物の商業利用に係る利用許諾、ロイヤルティの徴収および分配を行っている[1]。
2006年に設立され、2012年に世界各国の著作権管理団体で構成されるCISACへ加盟した[2]。インドネシア国内ではLembaga Manajemen Kolektif Nasional(LMKN)の制度の下で活動しており、日本の日本音楽著作権協会(JASRAC)をはじめ、各国の著作権管理団体との相互管理関係を通じて国際的な著作権管理を行っている[3][4]。
2020年代には、ストリーミング配信やソーシャルメディアの普及に伴うデジタル利用の拡大を背景として、ロイヤルティ徴収・分配のデジタル化を進める一方、インドネシアにおける音楽利用料制度やロイヤルティ分配の透明性をめぐる議論の対象にもなっている[5][6]。
歴史
設立以前
インドネシアでは、WAMI設立以前から音楽著作権の管理は既存の集団管理団体によって行われていた。2000年代に入ると、音楽産業の拡大や国際的な著作権管理体制との連携強化が求められるようになり、音楽出版社の権利管理や海外におけるインドネシア作品の利用管理を充実させる必要性も高まった。
設立
WAMIは2006年9月15日、複数のインドネシアの音楽出版社によって株式会社(Perseroan Terbatas、PT)として設立された[1][2]。設立の目的は、作曲者、作詞者および音楽出版社の著作権を国内外で管理し、音楽利用に伴うライセンスおよびロイヤルティの徴収・分配を行うことであった。
CISAC加盟
2012年、WAMIはCISACへ加盟した[2]。CISACのディレクトリでは、WAMIの英語名は「Indonesian Composers Society」とされ、主に演奏権に関する著作権作品の利用を管理する団体として掲載されている[2]。CISAC加盟により、WAMIは国際的な相互管理ネットワークへ参加し、海外の著作権管理団体との相互代表契約を通じて、インドネシア作品の海外利用および外国作品のインドネシア国内利用に関するロイヤルティ管理を行う体制を整えた。
著作権法改正と法人形態の変更
2014年、インドネシアでは著作権制度を見直す著作権法(Law No. 28 of 2014)が制定された[7]。同法により、集団管理団体(LMK)はインドネシア法人による非営利組織であることが求められたため、WAMIは2015年4月17日に株式会社(PT)から非営利の協会(Perkumpulan)へ法人形態を変更し、同年8月1日から新法人として業務を開始した[1]。
制度の発展
2021年には、楽曲および音楽著作物のロイヤルティ管理に関する政府規則(Government Regulation No. 56 of 2021)が施行され、国家集団管理機関であるLMKNによる徴収・分配制度が強化された[8]。これに伴い、WAMIはLMKN制度の下で主要な音楽著作権管理団体の一つとして活動するようになり、店舗、ホテル、放送事業者、イベント、デジタル配信サービスなど幅広い分野における音楽利用のライセンス管理を担うようになった。
デジタル時代への対応
2020年代には、ストリーミングサービスや動画共有サービスの普及に伴い、デジタル利用に対応した著作権管理の高度化を進めた。2023年には、JASRAC、韓国のKOMCA、フィリピンのFILSCAP、台湾のMÜSTなどとともに、音楽作品情報の照合を目的とする「GDSDX」プロジェクトへ参加した[9][10]。
業務
WAMIは、作曲者、作詞者および音楽出版社から委任を受け、音楽著作物に係る経済的権利の集団管理を行っている[1]。主な業務は、音楽利用の許諾、ロイヤルティの徴収および分配、会員情報の管理、外国著作権管理団体との相互管理などである。
ライセンス業務
WAMIは、商業施設、放送事業者、イベント主催者、宿泊施設、飲食店、小売店、デジタル配信事業者などに対し、音楽著作物の利用許諾を行っている[1][8]。対象となる利用形態には、店舗・ホテル・レストランなどでのBGM利用、公演・コンサート、放送、デジタル配信、動画共有サービス、公共施設における音楽利用などが含まれる。
ロイヤルティの徴収・分配
WAMIは、音楽利用者から徴収したロイヤルティを、管理委託契約に基づき作曲者、作詞者および音楽出版社へ分配している[1]。また、外国の著作権管理団体から送金されたロイヤルティを国内の権利者へ分配するとともに、インドネシア国内で徴収した外国作品のロイヤルティを海外の提携団体へ送金している。
会員管理
WAMIは、作曲者、作詞者および音楽出版社から管理委任を受け、作品情報、権利情報および権利者情報を管理している。2024年時点では、作曲者5,671人、音楽出版社118社がWAMIに管理を委任していると報じられている[5]。
国際的な著作権管理
WAMIは、CISAC加盟団体として、海外の著作権管理団体との相互代表契約を通じ、インドネシア作品の海外利用および外国作品のインドネシア国内利用に関する著作権管理を行っている[2]。公式サイトによれば、60を超える海外の著作権管理団体との連携により、世界各国における著作権管理を実施している[1]。
国際関係
WAMIはCISACの加盟団体であり、国際的な著作権管理ネットワークの一員として活動している[2]。相互代表契約を通じて、インドネシア作品の海外利用および外国作品のインドネシア国内利用に関する著作権管理を行っている。
北米との関係
WAMIは、アメリカ合衆国の著作権管理団体との相互管理関係を有している。アメリカのASCAPおよびBMIは、それぞれの外国提携団体一覧にWAMIを掲載している[11][12]。
欧州との関係
欧州では、イギリスのPRS for Music、フランスのSACEM、ベルギーのSABAM、スウェーデンのSTIM、フィンランドのTeostoなどの資料でWAMIが確認できる[13][14][15]。
国際ロイヤルティ
2024年には、WAMIの海外徴収額は約192億1,000万ルピア、海外分配額は約223億9,000万ルピアであった。主要な徴収元として、マレーシアのMACP、香港のCASH、アメリカ合衆国のASCAP、イギリスのPRS for Music、シンガポールのCOMPASSなどが挙げられている[5]。
JASRACとの関係
WAMIは、日本の日本音楽著作権協会(JASRAC)と相互代表契約に基づく著作権管理関係を有している。JASRACが公表している外国著作権管理団体一覧では、インドネシアの契約団体としてWAMIが掲載されている[3]。また、JASRACレパートリーの海外管理地域一覧においても、インドネシアにおける管理団体としてWAMIが記載されている[4]。
相互代表契約
両団体はCISACの国際的な相互代表契約の枠組みに基づき、それぞれの管理作品を相互に管理している。これにより、日本で利用されたWAMI管理作品のロイヤルティはJASRACを経由してWAMIへ送金され、インドネシアで利用されたJASRAC管理作品のロイヤルティはWAMIを経由してJASRACへ送金される。
GDSDXプロジェクト
2023年、WAMIはJASRAC、KOMCA、FILSCAP、MÜSTとともに、CISACアジア太平洋委員会の共同プロジェクトである「GDSDX(Global Digital Service Data Exchange)」へ参加した[9]。GDSDXは、デジタル配信サービスの楽曲情報と各著作権管理団体の管理作品情報を照合し、作品特定の精度およびロイヤルティ分配の正確性を向上させることを目的としている[9]。
国際協力
2023年4月には、東京で開催されたCISACおよびJASRACの共同会見に、GDSDX参加団体としてWAMIの代表者が出席した[10]。
ロイヤルティ徴収・分配
WAMIは、商業施設、放送事業者、イベント主催者、宿泊施設、飲食店、デジタル配信事業者などから音楽利用に係るロイヤルティを徴収し、作曲者、作詞者および音楽出版社へ分配している[1]。
徴収および分配
2024年には、WAMIのロイヤルティ徴収額は約1,762億4,000万ルピアであった。このうち、分配額は約1,263億3,000万ルピアで、会員数は作曲者5,671人、音楽出版社118社であった[5]。
デジタル収入
2024年には、YouTube、Meta、TikTok、Spotify、Apple Musicなどのデジタルサービスからの徴収額が約1,307億8,000万ルピアとなり、前年から28パーセント増加した[5]。
LMKNとの連携
2025年には、WAMIは約640億ルピア相当の徴収データおよび関連資料をLMKNへ提出し、共同検証を受けた[16]。LMKNは作品情報、権利者情報、利用実績および徴収額の検証を実施した後、デジタル利用に係るロイヤルティ約370億ルピアをWAMIへ配分した[17]。
デジタル化
音楽配信サービスやソーシャルメディアの普及に伴い、WAMIはデジタル環境に対応した著作権管理体制の整備を進めている。2024年には、デジタルサービスからの徴収額が約1,307億8,000万ルピアとなり、総徴収額の大きな割合を占めた[5]。
GDSDX
2023年、WAMIはJASRAC、KOMCA、FILSCAP、MÜSTとともにGDSDXへ参加した[9]。GDSDXは、配信楽曲IDやISRCなどをキーとして、デジタル配信サービス上のコンテンツ情報と著作権管理団体の管理作品情報を関連付けるデータベースである[9]。
ATLAS
WAMIは、会員情報および作品情報を管理するためのデジタルプラットフォーム「ATLAS」を導入している。ATLASでは、会員登録、作品登録、権利情報の更新などをオンラインで行うことができる。2026年には「ATLAS 2.0」の導入が予定されていると報じられている[18]。
論争
2020年代に入り、インドネシアでは楽曲ロイヤルティ制度の見直しやデジタル配信の拡大に伴い、著作権管理制度をめぐる議論が活発化した。WAMIは主要な音楽著作権管理団体の一つとして、その議論の対象となっている。
Ari Lassoによる監査要求
2025年、歌手のアリ・ラッソは、ロイヤルティ制度の透明性向上を目的として、WAMIおよびLMKNに対する監査を求める請願を公表した[6]。これに対しWAMIは、独立した公認会計士による年次監査を受けていること、適正な手続に基づく追加監査に反対しないことを説明した[6]。また、Ari Lassoに送付されたロイヤルティ報告メールの一部に技術的な誤送信があったことを認め、訂正を行った[6]。
Ahmad Dhaniの批判
音楽家のAhmad Dhaniは、ロイヤルティ徴収制度について、公演主催者や飲食店などへの徴収方法や制度運用に関して批判的な見解を示した[19]。
商業施設への影響
2025年には、飲食店やカフェなど一部の事業者が、ロイヤルティ負担を理由としてインドネシア楽曲の使用を控え、外国楽曲やインストゥルメンタル音楽へ切り替える動きが報じられた[20]。
2026年の徴収集中化
2026年、LMKNは音楽ロイヤルティの徴収をLMKNに集中させる方針を示し、WAMIを含む複数のLMKに対する徴収権限の委任を取り消したと発表した[21]。
脚注
- 1 2 3 4 5 6 7 8 “Tentang Kami” (インドネシア語). Wahana Musik Indonesia. 2026年7月2日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 “WAMI” (英語). CISAC. 2026年7月2日閲覧。
- 1 2 “JASRACが日本国内において管理する外国団体レパートリー”. 日本音楽著作権協会. 2026年7月2日閲覧。
- 1 2 “JASRACレパートリーが管理されている国/地域”. 日本音楽著作権協会. 2026年7月2日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 “WAMI siapkan tata kelola hadapi regulasi baru pendistribusian royalti” (インドネシア語). ANTARA (2025年12月11日). 2026年7月2日閲覧。
- 1 2 3 4 “WAMI Bereaksi Usai Dicecar dan Ari Lasso Buat Petisi Audit” (インドネシア語). detikcom (2025年8月14日). 2026年7月2日閲覧。
- ↑ “Indonesia: Law No. 28 of 2014 on Copyright” (英語). WIPO Lex. 2026年7月2日閲覧。
- 1 2 “Indonesia Revamps Management of Music Royalties” (英語). Tilleke & Gibbins (2021年4月26日). 2026年7月2日閲覧。
- 1 2 3 4 5 “世界の主要なデジタル配信サービスのコンテンツ情報と楽曲情報を関連付けるデータベース「GDSDX」をリリース”. 日本音楽著作権協会 (2023年6月9日). 2026年7月2日閲覧。
- 1 2 “プレスリリース:CISACとJASRACが共同会見を実施”. 日本音楽著作権協会 (2023年4月19日). 2026年7月2日閲覧。
- ↑ “Affiliated Foreign Societies” (英語). ASCAP. 2026年7月2日閲覧。
- ↑ “Reciprocal Representation Agreements with Foreign Performing Rights Societies” (英語). BMI. 2026年7月2日閲覧。
- ↑ “Our global network: partners” (英語). PRS for Music. 2026年7月2日閲覧。
- ↑ “Representation agreements” (英語). SACEM. 2026年7月2日閲覧。
- ↑ “Reciprocal representation agreements” (英語). Teosto. 2026年7月2日閲覧。
- ↑ “WAMI Serahkan Data dan Sebagian Dana Royalti ke LMKN untuk Diverifikasi Bersama” (インドネシア語). LMKN (2025年11月10日). 2026年7月2日閲覧。
- ↑ “LMKN Selesaikan Verifikasi dan Distribusi Royalti Digital Tahap III Tahun 2025” (インドネシア語). LMKN. 2026年7月2日閲覧。
- ↑ “WAMI Masuk Era Baru Royalti Direformasi, Sistem Digital Digeber” (インドネシア語). detikcom. 2026年7月2日閲覧。
- ↑ “Ahmad Dhani Sindir WAMI: Tajam ke Kafe, Tumpul ke Penyanyi Kaya Raya” (インドネシア語). detikcom (2025年8月13日). 2026年7月2日閲覧。
- ↑ “Restaurants, Cafes Ditch Indonesian Music to Dodge Royalty Fees” (英語). Jakarta Globe. 2026年7月2日閲覧。
- ↑ “LMKN Tegaskan Sentralisasi Royalti Musik, Distribusi Capai Rp179,33 Miliar” (インドネシア語). LMKN (2026年5月6日). 2026年7月2日閲覧。
外部リンク
- Wahana Musik Indonesia
- WAMI - CISAC
- wamiのページへのリンク