AI橋渡しクラウドとは? わかりやすく解説

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AI橋渡しクラウド

(abci から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/04/09 17:18 UTC 版)

AI橋渡しクラウド
稼働期間 2021年5月10日 -
スポンサー 富士通[1]
運営者 産業技術総合研究所
所在地 千葉県柏市柏の葉6-2-3 東京大学柏IIキャンパス内 柏センター
アーキテクチャ

ABCI 2.0での追加

電源 1.6MW
OS
メモリ 476TiB[2]

ABCI 2.0での追加

97.5TiB
ストレージ
  • 1.74PB NVMe SSD (高性能計算システム)[2]
  • 22PB GPFS(大容量ストレージシステム)[2]

ABCI 2.0での追加

  • 405TB NVMe SSD
  • 10.8PB
処理速度
コスト 50億(運用開始時)
ウェブサイト ABCI

AI橋渡しクラウド (AIはしわたしクラウド、英語: AI Bridging Cloud Infrastructure、ABCI) は、東京大学柏IIキャンパス (柏市) にあるスーパーコンピュータである[5]平成28年度補正予算事業にて産業技術総合研究所が調達・所有・運用しており[6]人工知能機械学習深層学習での使用を目的としている[7][8]2018年8月に運用を開始し、処理速度は半精度浮動小数点数で550PFLOPS倍精度浮動小数点数で37.2PFLOPSに達する[2]サーバルーム内を冷房によって強制冷却せず、計算機本体は気化熱を利用した水冷方式とすることで、消費電力2.3MW、電力効率指数(英語: Power Usage Effectiveness、PUE)年間平均値1.1を達成している[6]。完成時の消費電力は3MWで、処理速度は130PFLOPSに達する。TOP500では5位、Green500では8位を獲得した[9]富岳が2020年4月に試行運用を開始するまでは、日本最高の計算性能をもっていた。総CPUコア数は73,536コア、総GPU数は6,128基から成る。2021年5月より大幅な性能アップをしたABCI 2.0を運用開始[10]。ABCI 2.0は、2021年6月のTOP500では12位であった[11]。2025年1月からは400億円強をかけてGPUを刷新したABCI 3.0を運用している。

歴史

  • 2017年10月10日富士通がAI橋渡しクラウドの受注を発表した[12]
  • 2018年
    • 7月、本格運用に先立ち、公募型課題提案として「ABCIグランドチャレンジ2018」を実施した[13]
    • 8月1日、産業技術総合研究所による本格運用開始[14]
  • 2021年5月10日、ABCI 2.0一般提供開始[10]
  • 2025年1月20日、ABCI 3.0一般提供開始[15]

設計

AI橋渡しクラウドではLAPACK等による行列計算よりも、GPUを多数用いた行列計算を行うことで、低精度浮動小数点数ビッグデータ・人工知能アプリケーションに焦点を当てた設計がされている[16]。また計算機本体より冷却機構を上部に持ってくる構成となっている。利用時にはsshトンネルを用いてインタラクティブノードに接続し、計算ノードにジョブを投入する。OS環境はRedHat Linuxで、現用のGPUはNVIDIA H200 SXM5である。

利用

AI橋渡しクラウドは産総研の子会社であるAIST Solutionsが運用を担っており、日本企業中小企業研究者が利用することができる。Amazon.comなどの外国企業によるクラウドコンピューティングへの依存を減らす目的がある[17]。プリペイド制となっており、1単位200円のチケットを1000単位から購入して利用する。CPU/GPUの利用時間やディスクの利用によって課金される。産総研の内部利用でも、外部企業等の利用でも同一単価で利用でき、既存のクラウドサービスより割安に設定されている。毎年4月をメンテナンスの期間としており、それ以外の時期は通年利用可能。ただし共有資源であるため長時間の貸し切りは難しく、LLMの開発など時間がかかる分野では使いにくいとされる[18]

脚注

出典

  1. AI Bridging Cloud Infrastructure”. TOP500.org. 2021年7月10日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 6 計算資源”. National Institute of Advanced Industrial Science and Technology. 2018年10月18日閲覧。
  3. 1 2 計算資源”. Mynavi. 2021年7月10日閲覧。
  4. 1 2 ソフトウェアスタック”. National Institute of Advanced Industrial Science and Technology. 2018年10月18日閲覧。
  5. 第51回Top500 - 国内トップ性能となる産総研のABCIスパコン”. マイナビニュース (2018年7月17日). 2018年10月18日閲覧。
  6. 1 2 ABCIとは”. National Institute of Advanced Industrial Science and Technology. 2018年10月18日閲覧。
  7. Japan plans 130-petaflops China-beating number-crunching supercomputer”. Ars Technica (2016年11月26日). 2018年10月18日閲覧。
  8. Japan aims for superefficient supercomputer by 2017”. Computerworld (2016年11月25日). 2018年10月18日閲覧。
  9. 産総研:大規模AIクラウド計算システム「ABCI」がスパコン性能ランキング世界5位”. www.aist.go.jp. 2018年10月22日閲覧。
  10. 1 2 産総研:大規模AIクラウド計算システム「ABCI」が「ABCI 2.0」にアップグレード -産官学共同によるAI研究開発、実証、社会実装を加速-”. www.aist.go.jp. 2021年7月10日閲覧。
  11. TOP500 List - June 2021 | TOP500”. www.top500.org. 2021年7月10日閲覧。
  12. 国内最速、産業技術総合研究所様のAI用途向けスーパーコンピュータを受注”. 富士通 (2017年10月10日). 2018年10月18日閲覧。
  13. ABCIグランドチャレンジ2018(第1回)”. abci.ai. 2018年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月22日閲覧。
  14. 国内最大のスパコンが8月1日より稼動を開始”. マイナビニュース (2018年8月7日). 2018年10月18日閲覧。
  15. ABCI 3.0の提供開始日時のお知らせ”. 2026年3月29日閲覧。
  16. Japan to Build 130 Petaflop ABCI Supercomputer”. insideHPC (2016年12月25日). 2018年10月18日閲覧。
  17. 日本のスパコン、再び世界最速なるか? 目標は「京」の13倍”. ギズモード・ジャパン (2016年11月29日). 2018年10月18日閲覧。
  18. なぜ日本はGPUのない「富岳」でLLMを研究するのか 外国に後れを取らないための“現実的な理由””. ITmedia NEWS. 2024年9月15日閲覧。

関連項目

外部リンク




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