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Port Plus

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/04 13:35 UTC 版)

Port Plus
情報
用途 研修施設
設計者 大林組一級建築士事務所
施工 大林組東京本店
建築主 大林組
事業主体 大林組
構造形式 地上:木構造
地下:鉄筋コンクリート構造[1]
敷地面積 563.28 m² [2]
建築面積 397.58 m² [3]
延床面積 3,502.87 m² [2]
階数 地上11階・地下1階
高さ 44.1m[3]
着工 2020年3月
竣工 2022年3月15日
所在地 231-0007
神奈川県横浜市中区弁天通2丁目22番
座標 北緯35度26分50.3秒 東経139度38分22.3秒 / 北緯35.447306度 東経139.639528度 / 35.447306; 139.639528 (Port Plus)座標: 北緯35度26分50.3秒 東経139度38分22.3秒 / 北緯35.447306度 東経139.639528度 / 35.447306; 139.639528 (Port Plus)
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Port Plus(ポートプラス)は、横浜市中区に所在する木造ビルである。柱や梁、屋根などの構造体を木構造とした、日本初の純木造高層耐火建築物[4]として2022年に竣工した。大手ゼネコン大林組により設計・施工され、同社の研修施設として使用されている。

構造

神奈川県庁舎にほど近い横浜・関内地区のオフィス街の一角、南側を弁天通りに面した[注釈 1]防火地域に位置する。ガラスカーテンウォールの中に木材の架構が透けて見えるファサードが外観の特徴で、1階・8階と5~6階角の一部はガラスを設けず木材を外部に露出させている[5]

地上11階建ての本建物は法令上2時間耐火が求められるが[注釈 2]、大林組が開発した「オメガウッド」を使用し、1階南側は3時間の耐火性能を持たせた[7]。中心部はカラマツのつづり材の荷重支持部材で、その周りを複数の層の石膏ボードによる燃え止まり層、表面は杉板の燃え代層で構成される[5][8]。燃え止まり層と燃え代層は連続的に荷重支持部材を覆う必要があるが、石膏ボードは材質の特性上、地震時等の木材の変形に対する追従性がなく、損傷が生じ支持部材が露出する可能性がある。そこで、石膏ボードに層ごとにずらして一定間隔で目地を設けることにより、構造性能と耐火性能を両立させた[9]。柱と梁は剛接合され、ラーメン構造としている。施工は柱と梁を組んだ十字架型のユニットを工場で製作し、現場に運び込んで組み立てた[7]。地下は鉄筋コンクリート構造で、既存建物の底板を活用した[10]。コンクリートの打設がないため粉塵が生じず、溶接を行わないことから火災の危険性も減少するなど、建設現場の作業環境改善にも寄与した[5]

地上階のガラスカーテンウォールはダブルスキン構造で、2層のガラスの内部にブラインドを仕込むとともに、各階のカーテンウォールの給気窓と階段最上部の排気窓を組み合わせた煙突効果がもたらす自然換気により、空調機器のエネルギー消費の低減を図った[4]

木材使用量は構造材1,675m3、内装材315m3を合わせて1,990m3にのぼり、このうち約7割が日本産である[5]林野庁が策定した計算方法によると炭素固定量は1,652トン、材料制作から建設、将来の解体・廃棄までのライフサイクルにおける二酸化炭素排出削減量は、鉄骨構造に比較して1,700トンと試算される[5]

評価

2023年の第64回BCS賞[1]のほか、2022年度グッドデザイン賞[11]、2022年度ウッドデザイン賞優秀賞(林野庁長官賞)[12]、第64回神奈川建築コンクール一般建築部門最優秀賞[13]、2023年度第24回日本免震構造協会作品賞[14]を受賞。環境性能を評価するCASBEE横浜では、最高位のSランクと認められた[15]

横浜市では2022年度より木材利用優良建築物の表彰制度を創設し、Port Plusはその第1号となった[15]

脚注

注釈

  1. 関内地区の街路は東西南北に正対していないが、便宜上海側を北と表記する。
  2. 建築基準法施行令第107条[6]

出典

  1. 1 2 第64回BCS賞受賞作品(2023年)Port Plus - 日本建設業連合会 2023年9月4日閲覧。
  2. 1 2 “日本初の高層純木造耐火建築物「Port Plus」が完成” (Press release). 株式会社大林組. 2022年5月20日. 2023年9月4日閲覧.
  3. 1 2 採択事例75 (仮称)OYプロジェクト計画 (pdf). 令和元年度サスティナブル建築物等先導事業. 2023年9月5日閲覧。
  4. 1 2 Port Plus大林組横浜研修所 (PDF) (日本建設業連合会)
  5. 1 2 3 4 5 木材を利用した建築物等の紹介 第17回「Port Plus」 (PDF). 関東森林管理局東京事務所. 2023年9月5日閲覧。
  6. 建築基準法施行令- e-Gov法令検索
  7. 1 2 なぜ純木造ビルに挑戦? 耐火・耐震性を保つための技術の粋”. ITmedia. p. 2 (2022年8月4日). 2026年6月2日閲覧。(要登録)
  8. 構造部材はすべて木材、大林組が建てる日本初の高層「純木造」耐火ビル”. 日経 xTECH. 日経BP (2019年8月6日). 2026年6月2日閲覧。
  9. 百野泰樹「高層純木造耐火建築物の実現」(PDF)『ベース設計資料』、建設工業調査会、2022年9月、40-43頁、2026年6月2日閲覧
  10. 作品賞 Port plus大林組横浜研修所 (PDF). 日本免震構造協会. 2026年6月2日閲覧。
  11. Port Plus 大林組横浜研修所”. GOOD DESIGN AWARD. 日本デザイン振興会. 2023年9月5日閲覧。
  12. Port Plus 大林組横浜研修所”. ウッドデザイン賞受賞作品データベース. 2023年9月5日閲覧。
  13. 神奈川建築コンクール 令和4年度入賞作品(第64回)一般建築物部門入賞作品”. 神奈川県庁県土整備局. 2023年9月5日閲覧。
  14. 選考結果一覧 協会賞”. 日本免震構造協会. 2026年6月2日閲覧。
  15. 1 2 “木材利用優良建築物を表彰します” (pdf) (Press release). 横浜市役所建築局企画課. 2022年9月12日. 2023年9月5日閲覧.

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