LinRegPCR
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/10 05:15 UTC 版)
LinRegPCR(リンレグPCR)は、リアルタイムPCR(qPCR)の増幅曲線を解析し、PCR効率および初期テンプレート量を推定するための解析手法およびソフトウェアである。増幅曲線の指数増殖相(log-linear phase)に対して線形回帰を適用することにより、各反応ごとのPCR効率を算出する方法として知られる[1]。
LinRegPCRは標準曲線を用いずに増幅曲線から直接PCR効率を推定できる点を特徴とし、リアルタイムPCRデータ解析の一手法として利用されている[2]。
概要
リアルタイムPCRでは通常、増幅曲線から得られるCq値(threshold cycle)を用いてDNAまたはRNA量の定量が行われる。しかし多くの解析手法ではPCR効率が一定であることを仮定するか、希釈系列による標準曲線から効率を推定する方法が用いられてきた[2]。
LinRegPCRは各反応の増幅曲線から指数増殖相を検出し、その区間に対して線形回帰を適用することでPCR効率を算出する。この方法により、標準曲線に依存しない効率推定が可能となる[1]。
アルゴリズム
LinRegPCRではまずqPCR装置から得られた蛍光データを入力し、各反応ごとにベースライン補正を行う。その後、増幅曲線の指数増殖相を特定し、その区間のデータ点に対して線形回帰を適用する。
回帰直線の傾きからPCR効率が算出され、その効率値を用いて各反応の初期テンプレート量(N0)が推定される。この解析により、反応ごとの効率差を考慮した定量解析が可能となる[1]。
歴史
LinRegPCRの解析手法は、Ramakersらによる2003年の研究で提案され[2]、その後Ruijterらによってアルゴリズムの改良および詳細な解析が報告された[1]。
これらの研究により、増幅曲線の指数増殖相を用いたPCR効率推定法としてLinRegPCRが広く引用されるようになった。
関連項目
外部リンク
- ^ a b c d Ruijter, Jan M. (2009). “Amplification efficiency: linking baseline and bias in the analysis of quantitative PCR data”. Nucleic Acids Research 37 (6): e45. doi:10.1093/nar/gkp045.
- ^ a b c Ramakers, C. (2003). “Assumption-free analysis of quantitative real-time polymerase chain reaction (PCR) data”. Neuroscience Letters 339 (1): 62–66. doi:10.1016/S0304-3940(02)01423-4.
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