ジャズ・ラップ
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| ジャズ・ラップ jazz rap |
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1990年代前半のジャズ・ラップを牽引した、ディガブル・プラネッツ。
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| 様式的起源 | ジャズ、ジャズ・ファンク、ヒップホップ |
| 文化的起源 | 1980年代後半 |
ジャズ・ラップ(英語: jazz rap)またはジャズ・ヒップホップ(jazz hip hop)は、ジャズのサンプリング音源や、生楽器による演奏などを取り入れたヒップホップのサブジャンルである。1980年代後半から1990年代初頭にかけてアメリカ合衆国を中心に形成され、ギャング・スター、ア・トライブ・コールド・クエスト、デ・ラ・ソウル、ジャングル・ブラザーズ、ディガブル・プラネッツなどが代表格として挙げられる[1]。
1950年代から1970年代にかけてのソウル・ジャズやジャズ・ファンク、フュージョンなど幅広いジャズの音源がサンプリングされ、ファンクやソウルの音源と組み合わせて用いられた[2][3][4]。1990年代には、ジャズ・ミュージシャンを実際の録音に起用する作品も現れた[5]。ヒップホップ側からのジャズの引用にとどまらず、ジャズ奏者やジャズ・レーベル側からヒップホップへと接近する動きも見られた[6][7]。
歴史
1980年代後半
1980年代後半には、サンプリング技術の発展に伴い、ジャズの音源をヒップホップの素材として積極的に取り入れる作品が登場した。ヒップホップ・バンドのステッツァソニックが1988年に発表したアルバム『In Full Gear』はサンプリングと生楽器を併用した作品で、収録曲の「Talkin' All That Jazz」は初期ジャズ・ラップを代表する楽曲の一つとされる[8]。
DJプレミアとグールーによるギャング・スターは1989年から活動を共にし、同年のデビューアルバム『No More Mr. Nice Guy』でジャズのサンプリングを取り入れた[9]。1990年には、スパイク・リー監督の映画『モ'・ベター・ブルース』のサウンドトラックに楽曲「Jazz Thing」を提供し、ブランフォード・マルサリスやテレンス・ブランチャードといったジャズ・ミュージシャンと共演した[10][11]。
ネイティヴ・タンと1990年代初頭
1980年代末から1990年代初頭にかけては、ニューヨークのヒップホップ・コレクティブ「ネイティヴ・タン」が、ジャズ・ラップの発展に重要な役割を果たした[1]。ア・トライブ・コールド・クエストは、1990年のデビュー・アルバム『ピープルズ・インスティンクティヴ・トラヴェルズ・アンド・ザ・パス・オブ・リズム』でジャズやR&B、ロックなど幅広い音源をサンプリングした。翌1991年の『ロウ・エンド・セオリー』では、ウッドベースを思わせる太いベースと硬質なドラムを中心としたサウンドへと発展させた[12][13]。同作収録の「Verses from the Abstract」には、ジャズ・ベーシストのロン・カーターが参加しており、サンプリングを主体としてきたヒップホップと、ジャズ奏者との直接的な共演例となった[13]。
ジャズ・ミュージシャンとの共演
1990年代初頭には、既存のジャズ音源をサンプリングするだけでなく、ジャズ・ミュージシャンをヒップホップのレコーディングへ直接参加させる試みが目立つようになった。
1992年に発表されたマイルス・デイヴィスの遺作『ドゥー・バップ』は、ヒップホップ・プロデューサーのイージー・モー・ビーとの共同制作によるアルバムである。デイヴィスは1991年にイージー・モー・ビーを起用し、ジャズとヒップホップを融合させた作品の制作を開始した。しかし、同年9月にデイヴィスが死去したため、残された録音をもとにイージー・モー・ビーが完成を完成させた[6][14]。
1993年には、グールーがソロ・アルバム『ジャズマタズ Vol.1』を発表した。ギャング・スターで行ってきたジャズの導入をさらに発展させ、ドナルド・バード、ロイ・エアーズ、ロニー・リストン・スミス、ブランフォード・マルサリス、コートニー・パイン、ロニー・ジョーダンらを実際に録音へ参加させ、ヒップホップのビートと、生楽器によるジャズ演奏を融合させた[5]。
同年、ロンドンを拠点とするUs3が、ブルーノート・レコードから『ハンド・オン・ザ・トーチ』を発表した。Us3の楽曲が、ブルーノートの親会社であるキャピトル・レコードの目に留まったことを機に、グループは同レーベルの膨大なカタログを自由にサンプリングする特権を獲得した。ハービー・ハンコックの「Cantaloupe Island」をサンプリングした「Cantaloop (Flip Fantasia)」がヒットし、『ハンド・オン・ザ・トーチ』はブルーノート史上初めてアメリカでプラチナ認定(売上100万枚)を受けたアルバムとなった[7][15]。
1990年代後半以降
1990年代半ば以降、オルタナティブ・ヒップホップの多様化に伴い、「ジャズ・ラップ」という明確なジャンル名で括られる作品は減少した。しかし、その制作手法はヒップホップ全般へ広く定着していった。ジャズ・ラップの精神を色濃く継承したザ・ルーツは、ドラム、ベース、鍵盤によるバンド演奏を基盤に据え、生演奏とラップを高度に融合させた活動を展開した[1][16]。
ブルーノート・レコードもヒップホップとの関係を継続した。1996年にはグールー、ジ・ウマー、ザ・ルーツらが同レーベルの音源を再構成したコンピレーション『The New Groove: The Blue Note Remix Project』を発表した。さらに2003年には、プロデューサーのマッドリブが音源をサンプリング、リミックスした『シェイズ・オブ・ブルー』が制作された[17]。
こうしたジャズの録音をヒップホップの制作手法によって再解釈する試みは、、ジャズ・ラップがジャンルとして注目された1990年代初頭以後も続いている。
脚注
- 1 2 3 “Jazz-Rap Music Genre Overview”. AllMusic. 2026年8月27日閲覧。
- ↑ “Jazz-Rap Music Genre Overview”. AllMusic. 2026年8月27日閲覧。
- ↑ “Digable Planets: Blowout Comb Album Review”. Pitchfork. 2026年8月27日閲覧。
- ↑ “Donald Byrd”. Blue Note Records. 2026年8月27日閲覧。
- 1 2 “Jazzmatazz, Volume 1 - Guru”. AllMusic. 2026年8月27日閲覧。
- 1 2 “Easy Mo Bee”. Miles Davis Official Site. 2026年8月27日閲覧。
- 1 2 “Us3”. Blue Note Records. 2026年8月27日閲覧。
- ↑ “In Full Gear - Stetsasonic”. AllMusic. 2026年8月27日閲覧。
- ↑ “No More Mr. Nice Guy - Gang Starr”. AllMusic. 2026年8月27日閲覧。
- ↑ “Music from Mo' Better Blues - Branford Marsalis”. AllMusic. 2026年8月27日閲覧。
- ↑ “Gang Starr Biography”. AllMusic. 2026年8月27日閲覧。
- ↑ “People's Instinctive Travels and the Paths of Rhythm - A Tribe Called Quest”. AllMusic. 2026年8月27日閲覧。
- 1 2 “The Low End Theory - A Tribe Called Quest”. AllMusic. 2026年8月27日閲覧。
- ↑ “Doo-Bop”. Miles Davis Official Site. 2026年8月27日閲覧。
- ↑ “Us3”. JazzTimes. 2026年8月27日閲覧。
- ↑ “The Roots Biography”. AllMusic. 2026年8月27日閲覧。
- ↑ “Madlib - Shades of Blue”. Blue Note Records. 2026年8月27日閲覧。
関連項目
「Jazz rap」の例文・使い方・用例・文例
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