HMHRとは? わかりやすく解説

HMHR

主に音楽ジャンルのうち「ヘヴィメタル・ハードロック」を指す語。通常HR/HM」と表記される

ロック (音楽)

(HMHR から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/08/31 10:56 UTC 版)

ロック
現地名 rock
様式的起源
文化的起源 1950年代1960年代
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
イギリスの旗 イギリス
使用楽器 ボーカルギターベースドラムセットシンセサイザーキーボード
派生ジャンル
サブジャンル
融合ジャンル
地域的なスタイル
ローカルシーン
関連項目
2026年のロック (音楽)
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ロック: Rock)とは、音楽のジャンルの1つ。ロックンロールブルースカントリーミュージックを起源として1950年代アメリカ合衆国で発祥し、1960年代以降のアメリカおよびイギリスを中心にして幅広く多様な様式へと発展した[1][2][3]。イギリスのモッズスウィンギング・ロンドン、1960年代後半のアメリカのヒッピームーブメントやカウンターカルチャーなどの社会運動が高揚した時代と同時期に絶頂期を迎えた。ロック・ミュージックRock music)とも呼称される。

特徴

強いビートと電気的に増幅した大音量のサウンドを特色とする[4]。ロックのサウンドは、伝統的にエレクトリックギターが中心となるが、現代的な形態のエレクトリックギターは1950年代にロックンロールの人気とともに登場したものであった[5]。ロックにおけるエレクトリックギターのサウンドは、典型的な場合、同時期のジャズにいち早く導入されたエレクトリックベース[6]と、ドラムとシンバルを組み合わせたドラムセットによるパーカッションによって支えられる[7]。この3つの楽器によるトリオに加えて、他の楽器が追加されることも多く、特にピアノハモンドオルガンシンセサイザーといったキーボード類が加えられる[8]

ロックを演奏する3人以上のグループは「ロックバンド」「ロックグループ」などと呼ばれ、2人の場合はロック・ユニットなどとも呼ばれる。ロックバンドの古典的な形は、ボーカルリードギターリズムギター、ベース、ドラムス、また時にはキーボード、その他の楽器から、1つ以上の役割を引き受けるメンバー4人によって編成される[9]

音楽批評家のロバート・クリストガウは多くの場合、白人中流階級のミュージシャンが優勢なジャンルであるとも述べているが、実際にはビートルズ、ザ・フーアニマルズなどイギリスのロッカーには、「白人労働者階級出身者」が多かった。アメリカのブルース・スプリングスティーンも、労働者の一部のアイコンとなっていった[10]

社会音楽学者サイモン・フリス英語版は、ロックは「どこかポップ以上のもの、どこかロックンロール以上のもの」であり、それは「ミュージシャンが、スキルやテクニックに重点をおき、それをロマンチックなアート表現のコンセプトと組み合わせたからだ」とした。またロックは、ブルース・ギタリストやエレクトリック・ギタリストの強い影響を受けて発展してきた[11]

歴史

1950年代

エルヴィス・プレスリーは1956年の「ハートブレイク・ホテル」以降の活躍によってロカビリー/ロックンロールのキングとも呼ばれた[12]

リズム・アンド・ブルースやブルース、カントリーなどと融合することで誕生したロックンロールは[13]ビートルズの登場によって抽象的な要素を含むようになり、「ロック」と呼ばれるようになる。

ロックンロールという言葉は、1951年にDJアラン・フリードによって、ダンス向きの黒人音楽を指す言葉として名付けられたとされる[14]。1954年にはビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」が発表され[15]、さらに1956年にエルヴィス・プレスリーロカビリーで成功を収めると、多くのアーティストがロックの演奏をはじめ、ロックは音楽の一大ジャンルとなった[16]

ロックは時を置かずイギリスにも上陸したものの[17]、一方アメリカでは商業化の進展とともに活力が失われていき、1950年代末から1960年代初頭にかけては一時失速した[18]フォークプロテスト精神を継承し、ロック・ミュージックは政治行動や人種、性別、セックス、ドラッグに対する社会的態度とも結びついており、旧世代による体制や、消費主義に対する若者による反乱でもあった。

1950年代から1960年代初頭のラブ・ソング主体のポップスやロックンロールとは異なり、「ロック」の歌詞は、体制に対する反乱政治社会的問題芸術恋愛哲学など、幅広いテーマを扱っていた。

1960年代

1960年代以降の活躍によって世界一のロック・バンドとも呼ばれるビートルズ[19]

1964年、ビートルズはアメリカでの活動を開始し、全米チャートでヒットを連発。また、イギリスからはアニマルズローリング・ストーンズザ・フーキンクスゾンビーズ、デイヴ・クラーク5などがアメリカで活躍し始め、この現象がブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれるようになる[20]。ブリティッシュ・インヴェイジョンの影響を受ける形でガレージロックが台頭し、カリフォルニア出身のザ・ビーチ・ボーイズが人気を博した[21]ニューヨークで結成されたヴェルヴェット・アンダーグラウンドは、商業的な成功を収めることはできなかったが、ルー・リードの実験的音楽性や文学的素養からアート・ロックと呼ばれ、ドアーズザ・ストゥージズ、後のパンク・ロックニュー・ウェイヴに影響を与えた[22]。また、同時期にフォーク・ロックも台頭[23]ボブ・ディランバーズタートルズママス&パパス、ボー・ブラメルズ、グラスルーツバッファロー・スプリングフィールドなどが活躍し、1960年代末からはサンタナなどのラテン・ロック[24]カントリーロックニール・ヤングイーグルスも登場した[25]

1967年にカリフォルニア州モントレーモントレー・ポップ・フェスティバルが開催されたのを皮切りに大規模なロック・フェスティバルが各地で開催されるようになり、1969年に開催されたウッドストック・フェスティバルは40万人の観客を動員した[26]

1960年代終盤から活躍したレッド・ツェッペリンは、ハード・ロックの王者とも呼ばれている[27]

1960年代末にレッド・ツェッペリンクリームなどがデビューし、ブルースをよりロック的に演奏することに重点を置くようになった。エレクトリックギターエフェクター類の発展や、大音量の出せるPA等も、これらの新しいサウンドを支えた。また、実験的サウンドへの志向が強まり、長尺の曲や、難解な歌詞、楽器の演奏技術を極限まで極める傾向も出てきた。この傾向はヨーロッパ、特にイギリスにおいて強かった。シンセサイザーメロトロンなど最新の楽器を使用し、クラシックを背景に高度な技術を駆使したロックはプログレッシブ・ロックと呼ばれた[28]。代表的なバンドにはピンク・フロイドイエスキング・クリムゾンエマーソン・レイク・アンド・パーマージェネシスムーディー・ブルースなどがいた。

1960年代後半のロックは「黄金時代 (golden age)[1]」「ルネッサンス」と呼ばれ、後にクラシック・ロック」とも呼ばれるようになる[2]

1970年代

アナーキー・イン・ザ・U.K.」で知られるセックス・ピストルズ[29]
ザ・クラッシュ

ビートルズ、ジミ・ヘンドリクス、クリーム、キンクスなどをルーツしたハードロックが台頭[30]ディープ・パープル、レッド・ツェッペリンは1970年代前半に商業的成功を収めたハード・ロックとなった。グランド・ファンク・レイルロードフリーブラック・サバスマウンテンユーライア・ヒープらが後に続き、1970年代にはその影響を受けたクイーンキッスエアロスミスがデビューした。1970年代前半には、派手なメイクのT・レックスデヴィッド・ボウイロキシー・ミュージックモット・ザ・フープルアリス・クーパーらのグラム・ロックも人気を博した。

1973年デビューのニューヨーク・ドールズや、1970年代半ばに登場したパティ・スミスラモーンズ、ディクテイターズなどにより1975年ごろ誕生したといわれるパンク・ロック[31]ニューヨーク・パンク)は、ラモーンズのロンドン公演などを機にロンドンでも存在が知られるようになる。1975年以降は産業ロックがチャートに目立つようになり、これを受けて「ロックは死んだ」と主張しし、ストレートでシンプルなロックに回帰した[32]

イギリスでは1976年にダムドがデビューし、翌1977年にはセックス・ピストルズが結成され、ジャムザ・クラッシュストラングラーズらが続きロンドン・パンクが台頭。ロンドン・パンクもまた1960年代のシンプルなロックンロールの原点に戻り、テクニックを気にしないアグレッシヴな演奏、右翼からの襲撃対象となる程の権力や体制に反抗的で過激な活動を展開した。

1970年代後半にはスティッフ2トーンらのインディー・レーベルによるニュー・ウェイヴが台頭した。エルヴィス・コステロ率いるジ・アトラクションズやポリストーキング・ヘッズジョイ・ディヴィジョンニュー・オーダーパブリック・イメージ・リミテッドなどが活躍[33]

1980年代

世界中にグランジ・ブームを巻き起こしたニルヴァーナ[34]
A photograph of four members of The Red Hot Chili Peppers performing on a stage
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(2006年)

1980年代以降、ロックはメインストリームから外れ、パンク・ロックなどの影響を受けたオルタナティヴ・ロックが台頭した[35]。代表的なバンドとして、ザ・ストーン・ローゼズプライマル・スクリームザ・スミスR.E.M.ソニック・ユースピクシーズスマッシング・パンプキンズなどがいる。また、1980年代中期以降にパンク・ロックとヘヴィメタルの要素を融合したグランジが台頭し、ニルヴァーナパール・ジャムサウンドガーデンなどを生み、ロックの潮流を大きく変えた[36][37]

電子音楽ノイズミュージックとハードロックやヘヴィメタルを融合したインダストリアル・ロックも登場した。代表的なバンドとして、ミニストリーナイン・インチ・ネイルズなどがいる[38]

また、ヒップホップの台頭を受け、レッド・ホット・チリ・ペッパーズレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンコーンなど、ファンクやヘヴィメタルとヒップホップを融合させるバンドも現れた[39]

1990年代

1990年代ロンドンマンチェスターを中心に、ブリティッシュ・インヴェイジョン、グラム・ロック、パンク・ロックといったイギリスのロック黄金期の影響を受けたブリットポップと呼ばれるバンドが多くデビューした[40]。代表的なバンドとして、ブラーオアシススウェードパルプザ・ヴァーヴなどがいる。また、フィードバック・ノイズディストーションなどを複雑に用いたギターによるミニマルリフの繰り返し、浮遊感のあるサウンドが特徴のシューゲイザーも登場する。代表的なバンドとして、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインジーザス&メリーチェインライドなどがいる[41]

1990年代以降、ギターをリフパワーコードではなく音色や響きを重視して演奏するなど、ロックの枠組みにとらわれない新しいサウンドを目指すアーティストが出現する。代表的なミュージシャンとして、シカゴ出身のトータスジム・オルークがいる[42]

テクノ・ミュージックの隆盛により、ロックとテクノを融合させたアーティストも多く生まれた。代表的なミュージシャンとして、マッシヴ・アタックプロディジーケミカル・ブラザーズなどがいる。また、ブリットポップ出身のレディオヘッドエレクトロニカの要素を強め、電子音楽とロックの境界はさらに縮まった[43]

2000年代

2000年代以降は、音楽性の多様化でロックをカテゴライズするのが難しくなっていく。パンクやニューウェイヴの流れをくむガレージロックでは、ザ・ホワイト・ストライプスザ・ストロークスザ・リバティーンズアークティック・モンキーズなどがいる[44]ダンス・ミュージックとパンクを融合したダンス・パンクでは、LCDサウンドシステムフランツ・フェルディナンド!!!などがいる[45]。プログレッシブ・ロックとヘヴィメタルを融合したプログレッシブ・メタルでは、トゥールスリープ・トークン、実験的なヘヴィメタルを追求したポストメタルでは、アイシスイェスーがいる[46][47]インストゥルメンタルを主軸に置くポストロックでは、モグワイゴッドスピード・ユー!・ブラック・エンペラーがいる[48]実験音楽サイケデリック・ロックなどを融合したドリーム・ポップでは、シガー・ロスアニマル・コレクティヴがいる[49]

脚注

  1. 1 2 P. Scaruffi, A History of Rock Music: 1951–2000 (iUniverse, 2003), ISBN 0-595-29565-7
  2. 1 2 W. E. Studwell and D. F. Lonergan, The Classic Rock and Roll Reader: Rock Music from its Beginnings to the mid-1970s (Abingdon: Routledge, 1999), ISBN 0-7890-0151-9
  3. Pop/Rock Music Genre Overview (英語). AllMusic. 2026年8月31日閲覧。
  4. ロック(ろっく)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2026年8月31日閲覧。
  5. J. M. Curtis, Rock Eras: Interpretations of Music and Society, 1954-1984 (Madison, WI: Popular Press, 1987), ISBN 0-87972-369-6, pp. 68-73.
  6. R. C. Brewer, "Bass Guitar" in J. Shepherd, ed., Continuum Encyclopedia of Popular Music of the World: Volume II: Performance and Production (New York, NY: Continuum, 2003), ISBN 0-8264-6322-3, p. 56.
  7. R. Mattingly, "Drum Set", in J. Shepherd, ed., Continuum Encyclopedia of Popular Music of the World: Volume II: Performance and Production (New York, NY: Continuum, 2003), ISBN 0-8264-6322-3, p. 361.
  8. P. Théberge, Any Sound you can Imagine: Making Music/Consuming Technology (Middletown, CT, Wesleyan University Press, 1997), ISBN 0-8195-6309-9, pp. 69-70.
  9. D. Laing, "Quartet", in J. Shepherd, ed., Continuum Encyclopedia of Popular Music of the World: Volume II: Performance and Production (New York, NY: Continuum, 2003), ISBN 0-8264-6322-3, p. 56.
  10. Bruce Springsteen”. All Music. 2022年9月6日閲覧。
  11. Michael Campbell & James Brody, Rock and Roll: An Introduction, pp. 80–81
  12. エルヴィス・プレスリー”. CDJournal. 2026年8月31日閲覧。
  13. Digital History”. www.digitalhistory.uh.edu. 2026年8月31日閲覧。
  14. 「大衆音楽史」p100 森正人 中公新書 2008年8月25日発行
  15. 「大衆音楽史」p105 森正人 中公新書 2008年8月25日発行
  16. 「大衆音楽史」p110-111 森正人 中公新書 2008年8月25日発行
  17. 「大衆音楽史」p115-116 森正人 中公新書 2008年8月25日発行
  18. 「大衆音楽史」p123-125 森正人 中公新書 2008年8月25日発行
  19. ザ・ビートルズ”. CDJournal. 2026年8月31日閲覧。
  20. Puterbaugh, Parke (1988年7月15日). The British Invasion: From the Beatles to the Stones, The Sixties Belonged to Britain (英語). Rolling Stone. 2021年10月24日閲覧。
  21. The Beach Boys”. All Music. 2022年9月6日閲覧。
  22. The Velvet Underground”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  23. Folk-Rock Music Genre Overview (英語). AllMusic. 2021年10月24日閲覧。
  24. The Spirituality of Carlos Santana”. 2020年3月9日閲覧。
  25. Country-Rock”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  26. 「ロックフェスの社会学 個人化社会における祝祭をめぐって」p101-102 永井純一 ミネルヴァ書房 2016年10月30日初版第1刷発行
  27. レッド・ツェッペリン”. CDJournal. 2026年8月31日閲覧。
  28. Progressive Rock - Definition, Genres & Articles (英語). Progarchives.com. 2021年10月24日閲覧。
  29. セックス・ピストルズ”. CDJournal. 2026年8月31日閲覧。
  30. Hard Rock Music Genre Overview (英語). AllMusic. 2021年10月24日閲覧。
  31. 「大衆音楽史」p146 森正人 中公新書 2008年8月25日発行
  32. Punk Music Genre Overview (英語). AllMusic. 2021年10月24日閲覧。
  33. New Wave”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  34. ニルヴァーナ(US)”. CDJournal. 2026年8月31日閲覧。
  35. Indies, Phonies, and Alts”. The History of Alternative Rock. 2022年9月3日閲覧。
  36. Grunge”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  37. Azerrad, Michael (16 April 1992). “Grunge City: The Seattle Scene”. Rolling Stone 2018年11月2日閲覧。.
  38. Industrial”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  39. Rap-Metal”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  40. Britpop”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  41. Shoegaze”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  42. Post-Rock”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  43. Electronica”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  44. Garage Rock Revival”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  45. Alternative Dance”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  46. Progressive Metal”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  47. Post-Metal”. Rate Your Music. 2026年6月30日閲覧。
  48. Experimental Rock”. All Music. 2022年9月3日閲覧。
  49. Dream Pop”. All Music. 2022年9月3日閲覧。

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