GeForce Now
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/19 13:04 UTC 版)
GeForce NOW(ジーフォース ナウ)は、NVIDIAが提供するクラウドゲーミングサービスである。クラウド上のサーバーでゲームを実行し、その映像を利用者のPC、スマートフォン、タブレット、テレビなどの端末へストリーミングすることで、対応するPCゲームをプレイできる仕組みを採用している[1]。
同サービスは、Steam、Epic Games Store、Xbox、Ubisoft Connect、GOG.comなどの対応するデジタルゲームストアと連携し、利用者が各ストアで所有している対応ゲームをクラウド上で実行する。NVIDIAは、GeForce NOWで4,000本以上のゲームに対応しているとしている[1]。
概要
GeForce NOWは、クラウド上のGeForce RTX搭載サーバーでゲームを処理し、映像と音声をインターネット経由で利用者の端末へ配信するサービスである。利用者の端末側では、入力操作をサーバーへ送信し、サーバー側で処理されたゲーム映像を受信する形でゲームをプレイする[1]。
利用には、対応端末および一定の通信環境が必要である。対応端末には、Windows PC、macOS、ChromeOS、Linux、Android、iOS、iPadOS、スマートテレビ、Android TV、Fire TV、携帯型ゲーミング端末などが含まれる[2][3]。
沿革
GeForce NOWの前身にあたるサービスは、NVIDIA Shield向けのクラウドゲームサービス「NVIDIA Grid」として展開された。NVIDIAは2015年9月30日、同サービスをGeForce NOWへ改称し、月額制のサービスとして展開した[4][5]。
2017年1月、NVIDIAはWindowsおよびMac向けのGeForce NOWクライアントを発表した[6]。この発表では、利用者がクラウド上の仮想PCに接続し、Steam、Battle.net、Origin、Uplay、GOGなどのデジタルゲームストアからゲームをインストールして利用する形式が説明された[6]。
GeForce NOWは、2020年2月4日にベータ版を終了し、一般向けサービスとして正式に開始された[7]。
システム要件
NVIDIAによると、Windows PCで利用する場合は、64ビット版Windows 10以降、4GB以上のシステムメモリ、DirectX 11以降をサポートするGPUなどが必要とされている[2]。通信環境については、720p・60fpsで15Mbps以上、1080p・60fpsで25Mbps以上が必要とされ、NVIDIAのデータセンターまでの遅延は80ミリ秒未満が推奨条件として示されている[2]。
会員プラン
GeForce NOWには複数の会員プランが設けられている。NVIDIAのFAQでは、PerformanceおよびUltimateの会員には月100時間のプレイ時間が付与され、未使用分は最大15時間まで翌月に繰り越せると説明されている[8]。
無料プランでは、待機列やセッション時間などに制限がある。Performanceプランでは、無料プランよりも優先度の高いアクセスや長いセッション時間が提供される。Ultimateプランでは、上位のクラウドサーバーを利用した高解像度・高フレームレートでのプレイに対応している[8]。
NVIDIAは2024年4月、日本でGeForce NOWの提供を開始した際、UltimateメンバーシップにGeForce RTX 4080 SuperPODを採用し、最大240fpsのクラウドゲーミングに対応すると発表した[9]。この日本での提供開始は、ファミ通.comなどのゲームメディアでも報じられた[10]。
2025年には、NVIDIAがUltimateメンバー向けにGeForce RTX 5080相当のクラウド性能を提供すると発表した[11]。4Gamer.netは、この更新について、GeForce NOWで利用されるBlackwell世代GPUはRTX PRO 6000 Blackwellをベースにしたものだと報じている[12]。
ライブラリ
GeForce NOWは、利用者が既に所有しているゲームを対応するデジタルゲームストアのアカウントと連携してプレイする「Bring your own games」方式を採用している。対応ストアには、Steam、Epic Games Store、Ubisoft Connect、GOG.com、Xbox、Battle.netなどが含まれる[1]。
GeForce NOWのライブラリには、NVIDIA側で対応が示されているゲームが含まれる。一方で、すべてのPCゲームが利用できるわけではなく、対応状況はゲームや配信元によって異なる[13]。
2025年には、Gamescomに関連する発表の中で、NVIDIAが「Install-to-Play」機能を発表した。この機能は、対応するSteamゲームをクラウド上の環境にインストールして利用できるようにするもので、対応タイトルの範囲を広げる取り組みとして説明されている[14]。
パブリッシャーとの関係
GeForce NOWでは、サービスの正式開始後、複数のゲーム会社が自社タイトルをサービスから取り下げた。2020年2月には、Activision Blizzardが自社タイトルをGeForce NOWから削除した[15]。同月にはBethesda Softworksの多くのタイトルも削除された[16]。また、2020年3月には2K Gamesのタイトルも削除された[17]。
NVIDIAは2020年5月、GeForce NOWで提供されるゲームについて、開発元や販売元が明示的に参加を選択する方式へ変更すると発表した[18]。この方式により、GeForce NOWの対応タイトルは、権利者の参加状況に左右される形となっている。
2023年2月には、MicrosoftとNVIDIAが、Xbox PCゲームをGeForce NOWに提供する10年契約を発表した[19]。この契約では、Microsoft Storeで購入されたPCゲームや、SteamおよびEpic Games Storeで提供されるXbox PCゲームをGeForce NOWでストリーミング可能にする方針が示された[19]。
日本での展開
日本では、過去にソフトバンクが「GeForce NOW Powered by SoftBank」を提供していた。同サービスは2024年3月29日に終了した[20]。ソフトバンクはサービス終了の案内において、2024年春からNVIDIAが日本国内向けにGeForce NOWを提供予定であると説明していた[20]。この終了については、GAME Watchやファミ通.comでも報じられた[21][22]。
NVIDIAは2024年4月、日本国内向けにGeForce NOWの提供を開始した[23]。これにより、日本ではNVIDIAがGeForce NOWを直接提供する形となった[23]。
また、KDDIおよび沖縄セルラーは「GeForce NOW Powered by au」を提供していたが、同サービスも2025年10月31日に終了した[24]。KDDIはサービス終了後の案内として、日本国内ではNVIDIA CorporationがGeForce NOWを提供していると説明している[24]。au版の終了については、PC Watchも2025年4月に報じている[25]。
評価と批判
GeForce NOWは、クラウド上でPCゲームを実行できる点や、利用者が既に所有しているゲームを利用できる点について評価されている。正式サービス開始時には、Google Stadiaなど他のクラウドゲーミングサービスと比較して取り上げられた[26]。
一方で、対応ゲームが権利者の参加状況に左右されることや、一部のゲーム会社がタイトルを取り下げたことは課題として報じられている[15][16][17]。また、クラウドゲーミングの性質上、遅延や画質は利用者の通信環境、利用する端末、NVIDIAのサーバーとの距離などの影響を受ける[2]。
2024年には、NVIDIAが一部の有料会員に月100時間のプレイ時間上限を導入する方針を発表したことが報じられた[27]。この上限については、2026年1月から多くの利用者に適用されると報じられている[28]。
脚注
- 1 2 3 4 “GeForce NOW”. NVIDIA. 2026年6月17日閲覧。
- 1 2 3 4 “GeForce NOW クラウド ゲーミングのシステム要件”. NVIDIA. 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “今すぐ GeForce をダウンロード”. NVIDIA. 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “Nvidia launched Grid game streaming service out of beta as GeForce Now”. PC Gamer. (2015年9月30日) 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “NVIDIA GRID to become GEFORCE NOW”. VideoCardz.com. (2015年9月30日) 2026年6月17日閲覧。
- 1 2 “NVIDIA Expands GeForce Gaming to Millions More PCs and Macs”. NVIDIA Newsroom (2017年1月4日). 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “Nvidia officially launches cloud gaming service GeForce Now for $5 per month”. TechCrunch. (2020年2月4日) 2026年6月17日閲覧。
- 1 2 “Frequently Asked Questions (FAQs) for GeForce NOW”. NVIDIA. 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “NVIDIA GeForce NOWを日本で提供開始”. NVIDIA (2024年4月4日). 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “NVIDIA“GeForce NOW”が日本で提供開始。スペックの低いPCやスマホでも本格PCゲームをプレイできるクラウドゲーミングサービス”. ファミ通.com (KADOKAWA Game Linkage). (2024年4月4日) 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “GeForce NOW が RTX 5080 パワーを Ultimate メンバーに搭載”. NVIDIA Blog (2025年9月1日). 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “「GeForce RTX 5080」よりもちょっとパワフルになったクラウドゲームサービス「GeForce NOW」を試す”. 4Gamer.net (Aetas). (2025年8月20日) 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “Play Your Games Anywhere with GeForce NOW”. NVIDIA. 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “GeForce @ Gamescom 2025: DLSS 4 Now in 175+ Games & Apps, New RTX Games, Borderlands 4 RTX Bundle, NVIDIA Blackwell on GeForce NOW & More”. NVIDIA (2025年8月18日). 2026年6月17日閲覧。
- 1 2 “Activision Blizzard pulls all its games off Nvidia's GeForce Now streaming service”. Polygon. (2020年2月12日) 2026年6月17日閲覧。
- 1 2 “Nvidia's GeForce Now loses Bethesda Softworks games”. Polygon. (2020年2月21日) 2026年6月17日閲覧。
- 1 2 “Nvidia's GeForce Now loses 2K Games titles, following Activision and Bethesda”. The Verge. (2020年3月6日) 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “After some high-profile opt outs, Nvidia GeForce Now swaps to an opt-in library”. Game Developer. (2020年5月27日) 2026年6月17日閲覧。
- 1 2 “Microsoft and NVIDIA announce expansive new gaming deal”. Microsoft (2023年2月21日). 2026年6月17日閲覧。
- 1 2 “「GeForce NOW Powered by SoftBank」サービス提供終了のご案内”. ソフトバンク (2024年1月9日). 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “クラウドゲーム「GeForce NOW」ソフトバンク版が3月29日にサービス終了。NVIDIAの直接提供が2024年春開始”. GAME Watch (インプレス). (2024年1月11日) 2026年6月17日閲覧。
- ↑ ““GeForce NOW Powered by SoftBank”が3月29日にサービス終了。au版のサービスは継続され、春にNVIDIA運営の“GeForce NOW”が提供予定”. ファミ通.com (KADOKAWA Game Linkage). (2024年2月14日) 2026年6月17日閲覧。
- 1 2 “NVIDIA GeForce NOWを日本で提供開始”. NVIDIA (2024年4月4日). 2026年6月17日閲覧。
- 1 2 “GeForce NOW Powered by au”. KDDI. 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “au版GeForce NOWが10月でサービス終了”. PC Watch (インプレス). (2025年4月25日) 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “RIP Stadia? Nvidia's newly launched cloud-gaming service is (mostly) a stunner”. Ars Technica. (2020年2月4日) 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “Nvidia to cap game streaming hours on GeForce Now instead of raising fees”. The Verge. (2024年11月7日) 2026年6月17日閲覧。
- ↑ “GeForce Now's 100-hour monthly game streaming limit kicks in for (almost) everyone in 2026”. 9to5Google. (2025年12月23日) 2026年6月17日閲覧。
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