ファット・ジョーとは? わかりやすく解説

ファット・ジョー

(Fat Joe から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/06/27 00:14 UTC 版)

Fat Joe
2026年度カンヌ国際映画祭にて
基本情報
出生名 Joseph Antonio Cartagena
ジョセ・アントニオ・カルタヘナ
生誕 (1970-08-19) 1970年8月19日(55歳)
アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク・シティ
ジャンル
職業
  • ラッパー
  • ソングライター
  • 俳優
活動期間 1992年 - 現在
レーベル Terror Squad Entertainment
共同作業者

ファット・ジョー(Fat Joe、本名:ジョセ・アントニオ・カルタヘナ(Joseph Antonio Cartagena)、1970年8月19日 - )は、アメリカ合衆国ヒップホップMC音楽プロデューサーである。

ニューヨーク州ニューヨーク市ブロンクス区出身、プエルトリコ系とキューバ系のハーフで、ラティーノ・コミュニティーを代表するラッパーである[1][2]。1990年代に活躍したD.I.T.C.(Diggin' in the Crates Crew)のメンバー[3]。名の通り巨漢であったが年齢と共に痩せてきている。

来歴

Fat Joe(2005年)

1970年8月19日、ファット・ジョーこと、ジョセ・アントニオ・カルタヘナはニューヨーク市ブロンクス区で生まれ、プエルトリコ系とキューバ系の両親のもとで育った[4][5]。サウスブロンクスのモリサニア地区にある公営住宅「フォレスト・ハウス」に住んでいたファット・ジョーは、家族を養うために幼い頃から盗みを始めたが、いじめっ子だった[6]

Fat Joe da Gangstaという芸名でラップグループD.I.T.C.の一員として活動していたファット・ジョーは、1993年にソロ・デビュー・アルバム『Represent』をリリースし、シングル「Flow Joe」がビルボード・ホット・ラップ・ソングス・チャートで1位を獲得した[7]

1995年、2作目のスタジオ・アルバム『Jealous One's Envy』をリリースした。このアルバムではKRS-Oneと共演し、Diamond Dがプロデュースを担当している。ある日、スタジオでアルバムの制作をしていたファット・ジョーは、偶然にも尊敬しているLL・クール・Jが別室でシングル「I Shot Ya」のリミックス・ヴァージョンを制作しているのを発見する。ファット・ジョーは歓迎されてヴァースを提供し、フォクシー・ブラウン、キース・マーレイ、モブ・ディープのプロディジーと共演することとなった。このトラックはジョーのキャリアのハイライトの一つとされている[8][9]

1998年、アトランティック・レコードから3作目のアルバム『Don Cartagena』をリリースし、米ビルボード200で7位を記録し、アメリカでゴールドディスクの認定を受けた[10]。このアルバム内でビッグ・パン、キューバン・リンク、トリプル・セイス、プロスペクト、アルマゲドン、レミー・マーなどを擁する自身のグループ、テラー・スクワッド(Terror Squad)をデビューさせた[11]

2001年、4作目のアルバム『Jealous Ones Still Envy (J.O.S.E.)』をリリースし、RIAAからプラチナ認定を受けた[12]。アルバムには、アシャンティジャ・ルール、N.O.R.E.、バスタ・ライムズ、ピート・パブロ、M.O.P.、リュダクリスR.ケリーブジュ・バントンなどのスターが勢揃いしている[13]。アルバムからのシングル「What's Luv?」は全米2位にヒットとなった。

2002年後半、5作目のアルバム『Loyalty』をリリースする。

2004年、テラー・スクワッドとのアルバム『True Story』をリリースし、収録曲「Lean Back」が全米ナンバーワンヒットを記録する[14]

2005年、6作目のアルバム『All or Nothing』をリリースする。

2006年、ヴァージン・レコードと契約し、7作目のアルバム『Me, Myself & I』をリリースした。

2008年3月11日、8作目のアルバム『The Elephant in the Room』をキャピトル・レコードとテラー・スクワッドの一部門であるインペリアル・レコードからリリースした[15]

2009年6月、9作目のアルバム『J.O.S.E. 2』がリリースされた[16]

2010年7月27日、E1 Musicとレコード契約を結び、10作目のアルバム『The Darkside Vol. 1』をリリースした[17]

2011年10月19日、ミックステープ『The Darkside Vol. 2』をリリースする[18]

2013年8月26日、ミックステープ『The Darkside Vol. 3』をリリースした。

2017年2月17日、レミー・マーとのジョイントアルバム『Plata O Plomo』をリリースする。アルバムからの楽曲「All the Way Up」は第59回グラミー賞の最優秀ラップ・パフォーマンス賞にノミネートされた[19]

2019年12月6日、ドレとのジョイントアルバム『Family Ties』をリリースした[20]

人物

Fat Joe(2006年)

家族

ファット・ジョーはマイアミに住んでおり、結婚して3人の子供がいる[21]

慈善活動

ファット・ジョーはニューヨークのブロンクスにある学校に、生徒たちのためにコンピューターを寄贈している。

2011年1月23日、ファットジョーはミシェル・オバマの小児肥満に対するイニシアティブのイベントに、ニューアーク市長コーリー・ブッカーとフィットネスの専門家ジェフ・ハレビーとともに登場した[22]

事件

1998年9月8日、ファット・ジョーとビッグ・パンは同年6月14日にバットで男を殴り、男の金のチェーンを盗んだとして暴行容疑で逮捕された[23]

2002年5月12日、タイムズ・スクエアのB.B.キングス・ブルース・クラブで他の男と喧嘩したとの容疑で逮捕されたが、翌年1月10日に容疑は取り下げられた[24]

確執

Fat Joe(2010年)

2005年、ファット・ジョーの楽曲「My Fofo」に反応して、ラッパーの50セントは楽曲「Piggy Bank」でファット・ジョーを攻撃した[25]。ファット・ジョーはその後、ニューヨークのヒップホップ・ラジオ局WQHTの電話インタビューで、50セントを「臆病者」と呼んでいる[26]

2005年のMTVビデオ・ミュージック・アワードでは、ファット・ジョーが「警察の保護を受けたGユニット(G-Unit)のおかげで安心している」と発言する[27]。その直後、MTVがコマーシャルに切り替わると、50セントがジョーに暴言を吐き、ファット・ジョーが退場しようとしていたところに50セントがステージに飛び降り、一触即発の状況となった[28]

2007年9月、BETの番組「ラップ・シティ」で50セントはファット・ジョーを臆病者だと非難したが、ファット・ジョーはこの主張をナンセンスだと却下した[29]

2008年1月、50セントは「Southside Nigga (I'm Leaving)」というファット・ジョーのディストラックをリリースした。3月20日、ファット・ジョーのアルバム『The Elephant in the Room』のレコード売上が発表された直後、50セントは自身のYouTubeアカウントを通じてファット・ジョーの"葬式"を撮影した動画を公開し挑発した。その後50セントはファット・ジョーのレコードセールスについて語り「ファット・ジョーのキャリアを終わらせた、自分のミックステープがファット・ジョーのアルバムを吹き飛ばした」と述べている[30]

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

  • Represent(1993年)
  • Jealous One's Envy(1995年)
  • Don Cartagena(1998年)
  • Jealous Ones Still Envy (J.O.S.E.)(2001年)
  • Loyalty(2002年)
  • All or Nothing(2005年)
  • Me Myself & I(2006年)
  • The Elephant in the Room (2008年)
  • Represent (2009年)
  • Jealous Ones Still Envy 2 (J.O.S.E 2) (2009年)
  • The Darkside Vol. 1 (2010年)

コラボレーティヴ・アルバム

  • The Album (with Terror Squad) (1999年)
  • True Story (with Terror Squad) (2004年)
  • Plata O Plomo (with Remy Ma) (2017年)
  • Family Ties (with Dre) (2019年)

フィルモグラフィ

受賞歴

脚注

  1. Fat Joe Breaks Down His 25 Most Essential Songs (英語). Complex. 2020年11月20日閲覧。
  2. Sottardi, Edited by Cara DiPasquale (and Drew. The skinny on Fat Joe (英語). chicagotribune.com. 2020年11月20日閲覧。
  3. Fat Joe | Biography & History (英語). AllMusic. 2020年11月20日閲覧。
  4. Fat Joe | Biography & History (英語). AllMusic. 2020年12月7日閲覧。
  5. Walker, Andrea K. (1996年11月10日). “Fat Joe: Hip-Hop Celebrity Faithful to Old Neighborhood (Published 1996)”. The New York Times (アメリカ英語). ISSN 0362-4331. 2020年12月7日閲覧.
  6. Which NYC Housing Projects Have Produced the Most Famous People? (英語). Complex. 2020年12月7日閲覧。
  7. Hot Rap Songs Chart”. Billboard. 2020年12月7日閲覧。
  8. Fat Joe Breaks Down His 25 Most Essential Songs (英語). Complex. 2020年12月7日閲覧。
  9. Trackmasters Tell All: The Stories Behind Their Classic Records (Part 1) (英語). Complex. 2020年12月7日閲覧。
  10. RIAA - Gold & Platinum Searchable Database - September 24, 2015”. web.archive.org (2015年9月24日). 2020年12月7日閲覧。
  11. Terror Squad | Biography, Albums, Streaming Links (英語). AllMusic. 2020年12月7日閲覧。
  12. Gold & Platinum (英語). RIAA. 2020年12月7日閲覧。
  13. RIAA - Gold & Platinum Searchable Database - September 24, 2015”. web.archive.org (2015年9月24日). 2020年12月7日閲覧。
  14. (英語) True Story - Terror Squad | Songs, Reviews, Credits | AllMusic 2020年12月7日閲覧。
  15. Fat Joe Teams With Imperial, Virgin For New Album”. web.archive.org (2007年7月6日). 2020年12月7日閲覧。
  16. 60 RAPPERS IN 60 DAYS: Fat Joe : VIBE.com”. web.archive.org (2009年6月20日). 2020年12月7日閲覧。
  17. Fat Joe Heads To E1, Readies "The Dark Side" | Get The Latest Hip Hop News, Rap News & Hip Hop Album Sales | HipHopDX”. web.archive.org. 2020年12月7日閲覧。
  18. September 21, jessePublished:. Fat Joe Reveals Details on The Darkside, Vol. 2 Mixtape, New Album - XXL (英語). XXL Mag. 2020年12月7日閲覧。
  19. Awards Nominations & Winners (英語). GRAMMY.com (2017年4月30日). 2020年12月7日閲覧。
  20. “Fat Joe Looks Back At Classic Hits, Speaks On Cardi B's Growth, Top Rappers List & New Album!”. HOT 97 | #1 For Hip Hop (英語). 2025年10月4日閲覧.
  21. Parent Trap! Fat Joe Talks Role Models; Quality Time (英語). Xappeal (2010年6月20日). 2020年12月7日閲覧。
  22. Jeff Halevy & Fat Joe Talk... (Halevy Life 802 Lexington Ave New York 10065 212-233-0633) - YouTube”. www.youtube.com. 2020年12月7日閲覧。
  23. NEIGHBORHOOD REPORT - NEW YORK UP CLOSE - NEIGHBORHOOD REPORT - NEW YORK UP CLOSE - Fat Joe Faces a Different Music - NYTimes.com”. web.archive.org (2010年8月28日). 2020年12月7日閲覧。
  24. MTV.com - News -Assault Charges Against Fat Joe Dismissed”. web.archive.org (2003年2月11日). 2020年12月7日閲覧。
  25. (英語) The Massacre - 50 Cent | Songs, Reviews, Credits | AllMusic 2020年12月7日閲覧。
  26. mtv.com - News - Fat Joe On 50 Cent's 'Piggy Bank': 'Them Steroids Is Getting To Him'”. web.archive.org (2005年3月5日). 2020年12月7日閲覧。
  27. Parker, Derrick; Diehl, Matt (2006-08-08) (英語). Notorious C.O.P.: The Inside Story of the Tupac, Biggie, and Jam Master Jay Investigations from NYPD's First "Hip-Hop Cop". Macmillan. ISBN 978-0-312-35251-6
  28. Fat Joe Explains Why He Dissed 50 On The VMAs - News Story | Music, Celebrity, Artist News | MTV News”. web.archive.org (2007年10月11日). 2020年12月7日閲覧。
  29. Fat Joe Says Beefing With 50 Cent Made Him More Rich | Fat Joe | Rap Basement”. web.archive.org (2009年3月21日). 2020年12月7日閲覧。
  30. 50 Cent's Fat Joe Funeral | 50 Cent | News”. web.archive.org (2008年5月9日). 2020年12月7日閲覧。

外部リンク





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