ドイツ鉄道423形電車とは? わかりやすく解説

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ドイツ鉄道423形電車

(ET423 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/04/16 06:26 UTC 版)

ドイツ鉄道423形電車
基本情報
運用者 ドイツ鉄道
製造所 アルストムLHBアドトランツボンバルディア
製造年 1998年 - 2007年
製造数 462編成
主要諸元
編成 4両編成
軸配置 Bo'(Bo') (2') (Bo')Bo'
軌間 1,435 mm
電気方式 交流15kV 16.7Hz
最高速度 140 km/h
起動加速度 1.0 m/s2
減速度 0.9 m/s2
編成長 67,400 mm (連接式・3扉高床式)
3,020 mm
高さ 4,295 mm
駆動方式 三相誘導電動機
編成出力 2,350 kW
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ドイツ鉄道423形電車DBAG Baureihe 423)は、ドイツ鉄道Sバーン向けに設計された交流電車である。従来の420形電車の後継ならびに大都市近郊の客車普通列車の置換用として、1998年から2007年にかけて4両編成462本が製造された。

423形を基本とした派生系列として、ハノーファーSバーン用の424形、地域列車用の425形およびその2両編成版となる426形が製造されている。2007年以降のSバーン用電車の製造は改良型の422形に移行した。

車体と設備

ハノーファーSバーンの423形電車
台車部分
車内

1編成4両で構成され、連接式となっている。編成長は67.5mで、これは420形電車(非連接3両編成)の編成長とほぼ同じである。

車体はアルミニウム製で、軽量化や消費電力削減が図られている。前面は傾斜した非貫通形状で、大型一枚窓を有しており、上部に行先表示器、下部に密着連結器を備える。側面は1両につき両開きドア(半自動式)を3個有しているが、プラグドア方式で、ドアが閉まっている時は側面がフラットになる。

車体色は、ドイツ鉄道のコーポレートカラーである「交通赤色」(Verkehrsrot)で、車体下部に灰色の細帯を、側窓上部と車体下部に白に細帯を有する。また、側扉は白に塗装されている。ただし、1等車の部分のみ、側窓上部の細帯は黄色(1等車を示す色)である。

車内は、両端の運転室の後ろと運転室に最も近いドアとの間が1等席で、その他は2等席となっている。座席はクロスシートであるが、両端の車両には自転車を積み込むスペースがある。また、1両目にはトイレが設置されている。また、冷房付である。

制御装置はインバータ制御方式で、編成中に5台ある台車のうち中央の1台のみが付随台車で、他の4台は電動台車となっている。集電装置は2両目にシングルアームパンタグラフを1台有する。電動機出力は1台あたり293.75kWで、編成全体で2,350kWとなる。最高速度は140km/hである。

両端の先頭車は423形、中間の2両は433形を名乗る。車両番号は第1編成の場合で見ると、1両目から、423 001 - 433 001 - 433 501 - 423 501となる。3両目と4両目には500が加算される。

運用現況

現在423形は、フランクフルト都市圏・ミュンヘン都市圏デュッセルドルフケルン都市圏・シュトゥットガルト都市圏で主に運用されている。

ミュンヘンSバーン

ミュンヘンのSバーンは、420形車両が30年以上運用されていたため、ドイツで423形が投入された最初のSバーン路線網となった。しかし初期の編成は2000年にミュンヘンへは直接投入されず、ハノーファー万国博覧会で輸送車両として使用された。これは本来ハノーファーで使用されるはずだった424形の車両の承認が遅れ、運用開始が間に合わなかったためである。その後2000年秋から2年以内に211本がミュンヘンSバーンに投入された。420形と423形は互いに連結出来ないので、423形は路線ごとにまとまって投入された。2004年23本、2005年4本の編成が増備され、2014年12月までミュンヘンSバーンでは423形だけが運用される事になった[1]。車内には一等席がない。

バイエルン鉄道会社 (Bayerische Eisenbahngesellschaft mbH、BEG) はバイエルン州とSバーン車両の改造契約を結び[2]、2018年3分期に最初の車両改造が行われた[3]。乗客の荷物を置くスペースが確保され、座席が192席から166席に減少した分、乗車人員は544人から612人に増加した。また、運行情報を表示するモニターが設置され、列車の現在位置・乗り換え情報・機械故障や遅延時間情報が提供される。両先頭車には、自転車を持ち込んでいる人・車椅子に座る人・乳母車を持つ人などのための多目的空間が設置された。[4]。車内の安全性をより高めるため、きのこ形の握り棒 (Haltepilzen) 及び袖仕切り部への握り棒の設置が行われた。また、窓の上および天井に、照度調節の可能なLED照明が新たに設置された[5]。車内の改造以外にも車両のメンテナンスが行われ、新たに塗装され落書き防止膜も備えられた。

  • 現在の運行系統:S1、S2、S3、S4、S6、S7、S8、S20 (一部)
  • かつての運行系統:S5、S27

ライン=マインSバーン

423形電車フランクフルト西駅に停車中

ライン=マインSバーン路線の中でS2 - S6系統は現在423形のみで運用されている。S8・S9系統への運用はこれまで稀であったが、2014年8月からは平日のみS9系統でも運用されるようになった。2010年初め第444 - 456編成において、扉の安全装置の問題が解決された後、運用が開始された[6]

2013年から430形電車と仕様を近づけるための改造が行われた。総費用は約1億ユーロで、改造はハーゲンの工場で行われた[7]。車両は新たに塗装され、より快適な座席とLED照明が車内に設置された。扉の周りは視覚障害者のために視覚・触覚面における手直しが行われ、また、車内に運行案内モニターが設置された。車椅子使用者のためのボタンも追加され、天井と内壁が新たに塗装され、そして監視カメラも設置された。多目的空間には折り畳み座席が片側のみに設置され、反対側に車椅子・自転車・乳母車を置く場所が確保されている[8]

  • 現在の運行系統:S2、S3、S4、S5、S6、S9 (一部)
  • かつての運行系統:S1、S8

シュトゥットガルトSバーン

列車の編成表
号車 1 2 3 4
形式・車両番号 94 80 0423 xxx-y D-DB 94 80 0433 xxx-y D-DB 94 80 0433 wxx-y D-DB 94 80 0423 wxx-y D-DB
車両種類 制御電動車 電動車 電動車 制御電動車
備考
  • 数量: 60本
  • 現在の運行系統:S3、S6、S60、S62
  • かつての運行系統:S1、S2、S4、S5

シュトゥットガルトSバーン路線の中でS3、S6、S60、S62系統に現在423形が運用されている。

2013年から423形は、ライン=マインSバーン車両と同じく、430形電車と仕様を近づけるための改造が行われた。同年7月1日、最初の改造車両が公開された[9]。車両の塗装、座席の交換、LED照明及び運行案内モニターの設置はフランクフルトの車両と同じく行われた。2016年10月12日に最後の改造がプローヒンゲンの工場で行われた。1編成当たりの投資金額は50万ユーロであった[10]

新塗色の423形電車(シュトゥットガルト)

2022年以降、新しいデザインにより電車は灰白色で段階的に塗られている。2020年7月にドイツ鉄道は423形電車および430形電車にETCS車上装置および自動列車運転装置を設置する事業を発注して[11]アルストムが2021年6月23日にそのプロジェクトをおよそ1億3000万ユーロの費用で引き受けた[12]。未来形鉄道移動通信システム(Future Railway Mobile Communication System, FRMCS)が通信網として採択されて、車両にはETCSレベル2の特定仕様に対応する車上装置と運行記録データを処理する自動列車運転装置が装着される予定である[13]。2022年3月22日に最初の車両がヘニヒスドルフ工場に入庫して、車上装置検査およびソフトウェア検証のあとに、使用承認を受ける[14]。1990年代末に生産された車両の場合、改造費用が相対的に高かった[15]。ETCSの制動減速パターンのモデルは走行速度・編成車両の両数・勾配の変数により決定された[16]

ケルンSバーン

ケルンSバーンは現在63本の423形電車を保有している。その内27本はS11系統に投入され、車内には一等席がある。残りの編成は一等席なしでS12、S19系統で運行されている。

  • 現在の運行系統:S11、S12、S19

参考文献

  • Martin Pabst: U- und S-Bahn-Fahrzeuge in Deutschland. 1. Auflage. GeraMond Verlag, München 2000, ISBN 3-932785-18-5. (ドイツ語)
  • Daniel Riechers: S-Bahn-Triebzüge – Neue Fahrzeuge für Deutschlands Stadtschnellverkehr. 1. Auflage. transpress, Stuttgart 2000, ISBN 3-613-71128-1, S. 36–61. (ドイツ語)

脚注

  1. リンク切れ Kundenzeitung der S-Bahn München, Ausgabe 6/2004, (PDF; Seite 4)
  2. Hintergrund Modernisierungsprojekt”. 2018年1月2日閲覧。
  3. Schubert, Andreas (2018年7月9日). S-Bahn München nimmt modernisierte Züge in Betrieb”. Süddeutsche. 2018年8月25日閲覧。
  4. Nutzungskonflikte auflösen”. 2018年1月2日閲覧。
  5. Sicherheit verbessern”. 2018年1月2日閲覧。
  6. eisenbahn-magazin 4/2010, S. 22.
  7. Pressemeldung Deutsche Bahn AG (Memento vom 3. August 2013 im Internet Archive)
  8. Pressemitteilung des RMV (bebildert) (Memento vom 6. August 2013 im Webarchiv archive.is)
  9. Markus Heffner: Holpriger Start in die neue S-Bahn-Ära. In: Stuttgarter Zeitung. 2. Juli 2013, S. 21.
  10. Ein zweites Leben für die Baureihe 423. In: DB Welt, Regionalteil Südwest. Nr. 11, November 2016, S. 18.
  11. Deutschland-Frankfurt am Main: Eisenbahn- und Straßenbahnlokomotiven und rollendes Material sowie zuhörige Teile: 330889-2020 Wettbewerb (ドイツ語). European Union (2020年7月14日). 2024年3月1日閲覧。(EUの電子官報)
  12. Alstom digitaliert Stuttgart 21 (ドイツ語). Alstom SA (2021年6月24日). 2024年3月1日閲覧。
  13. Frank Dietrich, Marco Meyer, Rene Neuhäuser, Florian Rohr, Thomas Vogel, Norman Wenkel (2021年9月). “Fahrzeugnachrüstung für den Digitalen Knoten Stuttgart” (ドイツ語). Der Eisenbahningenieur Band 72 (Nr. 9): pp. 40, 41. ISSN 0013-2810.
  14. Die Digitalierung des Stuttgarter Bahnknotens startet in Hennigsdorf (ドイツ語). Alstom SA (2022年3月22日). 2024年3月1日閲覧。
  15. Frank Dietrich, Jan Erdmann, Matthias Jost, Fabian Raichle, Nilesh Sane, Thomas Vogel, Philipp Wagner (2022年5月). “Nachrüstung von 333 Triebzügen für dir Digitalen Knoten Stuttgart” (ドイツ語). ZVErail Band 146 (Nr. 5): p. 174. ISSN 1618-8330.
  16. Jonas Förster, Michael Kümmling, Martin Olesch, Peter Reinhart, Kristof Vandoorne, Thomas Vogel (202306). “ETCS-Bremskurven im Spiegel der Praxis” (ドイツ語). Der Eisenbahningenieur Band 74 (Nr. 6): pp. 46~48. ISSN 0013-2810.

外部リンク




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