北極圏ワールドアーカイブとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 北極圏ワールドアーカイブの意味・解説 

北極圏ワールドアーカイブ

(Arctic_World_Archive から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/04/19 08:10 UTC 版)

北極圏ワールドアーカイブ(Arctic World Archive, AWA)は、北極点から約970kmに位置している[1][2]データ保全施設である。スヴァールバル世界種子貯蔵庫にほど近く、スヴァールバル諸島の同じ鉱山[注釈 1]内に位置する。ノルウェー政府がStore Norske社を通しIT企業PIQL A/S社と共同で運営している。[2][3]

北極圏ワールドアーカイブ
Arctic World Archive
概要
用途 アーカイブ
所在地 スヴァールバル諸島
住所 Vei 706
自治体 ロングイェールビーン
ノルウェー
座標 北緯78度14分17.9秒 東経15度26分49.5秒 / 北緯78.238306度 東経15.447083度 / 78.238306; 15.447083座標: 北緯78度14分17.9秒 東経15度26分49.5秒 / 北緯78.238306度 東経15.447083度 / 78.238306; 15.447083
標高 130 m (430 ft)
開業 2017年3月27日 (9年前) (2017-03-27)
ウェブサイト
arcticworldarchive.org
テンプレートを表示

Piqlは、デジタルメディア長期保存を専門とするノルウェーの企業である。PiqlSNSKが廃炭鉱の坑道を再利用して、地下深層に鋼鉄製の金庫を埋設した。2017年3月27日に開館した際には、ブラジルメキシコ、ノルウェーの3政府が公文書複製を寄贈した。[4][5][6][7]

歴史

石炭の採掘作業は1996年11月に停止した。

この施設は2017年3月27日[3]に発足し、ブラジルとメキシコの代表者が国家のアーカイブを[7]、ノルウェーのソグン・オ・フィヨーラネ県がデジタルアーカイブを寄託した。

2019年11 月、Github社は、Open Sourcecodeの全てを保存すると発表した[8]

2020年1月、バチカン図書館欧州宇宙機関を筆頭に多くの国や組織が保存依頼を寄託した[2]

2020年3月、ストックホルム近代美術館は美術品のコピー14万点[9]を施設に寄贈すると発表した。

地理

ノルウェースヴァールバル空港から南東方向、プラトー山(スウェーデン語版)第3炭鉱(スウェーデン語版)に位置する[10]

第一次世界大戦後に締結されたスヴァールバル条約により、42か国が非軍事化を宣言している[4]

Piqlはこの地を“one of the most geopolitically secure places in the world[11][注釈 2]としている。

データが格納されているのは地下150m[12]-300m[8]の間にある廃炭鉱の内部にある大きめの鉄製金庫[8]である。施設はコンクリートの壁と鋼鉄の門で保護される。客が預けた遺産は、施設の裏にある輸送コンテナで保管する。[13]

金庫は永久凍土の250m下にあり、核兵器電磁兵器による破壊や傷も避けられる[14]とする。

保管方法

データの圧縮方法としてはQRコードバイナリ、画像と文字の縮刷[2]を使う。

データは古典的な暗室写真の改良版にオフラインで保存している[2][4]。このフィルムは、ハロゲン化銀の結晶[8]酸化鉄粉末の層で覆ったポリエステルで出来ており、最適な保管条件下では少なくとも500年、最長2,000年可読[4]である。

未来の人々がこの金庫に収められた資料を理解できない虞から、彼らはいわば「ロゼッタストーン」を構想・設計しアーカイブの道標として刻んだ。拡大すれば肉眼でも判読可能で、英語、アラビア語、スペイン語、中国語、ヒンディー語で刻まれている。[8]

保存しているデータ

Github

GithubのOpen source dataは21TB[15]にも上ぼり、5年毎に更新して[8]いる。GithubはOnline dataをhot、internet archiveをwarmと表し、列べてこの施設のデータをArctic Cold Vaultと称している[8]

美術品

前述の通り、ストックホルム近代美術館の作品14万点のコピーが保存されている。

ほか有名な美術品として、ノルウェーオスロ国立美術館に所蔵されているエドヴァルド・ムンクの叫び[4][10]や、バチカン図書館の神曲[4][16]、レンブラントの 『夜警[10][16]を保管済みである。

脚注

注釈

  1. 廃炭鉱である。プラトー山(スウェーデン語版)も参照
  2. 地政学的に世界一安全と言って良い

出典

  1. Look inside the doomsday vault that may hold the world's most important data”. NBC News (2017年6月7日). 2020年8月13日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 “Look inside the doomsday vault that may hold the world’s most important data” (英語). NBC News. (2017年6月7日) 2026年2月8日閲覧。
  3. 1 2 About AWA (英語). www.arcticworldarchive.org. 2026年2月8日閲覧。
  4. 1 2 3 4 5 6 Vincent, James (2017年4月4日). Keep your data safe from the apocalypse in an Arctic mineshaft”. The Verge. 2019年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月13日閲覧。
  5. NRK (2017年3月26日). Dommedagshvelv åpner på Svalbard”. 2018年4月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月16日閲覧。
  6. Arctic World Archive - Piql”. 2018年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月16日閲覧。
  7. 1 2 “Moderna museet katastrofsäkrar samlingarna på Svalbard” (スウェーデン語). Dagens Nyheter. (2020年3月11日). ISSN 1101-2447 2026年2月28日閲覧。
  8. 1 2 3 4 5 6 7 AWAのGithubを通した紹介ページ(ABCニュースより) (英語). 2025年2月9日閲覧。
  9. Vi säkrar samlingen på Svalbard (スウェーデン語). Moderna Museet i Stockholm (2020年3月11日). 2026年2月28日閲覧。
  10. 1 2 3 Daley, Jason. A Second Doomsday Vault—This One to to Preserve Data—Is Opening in Svalbard (英語). Smithsonian Magazine. 2026年2月28日閲覧。
  11. “Microsoft is Storing Source Code in an Arctic Cave” (英語). Popular Mechanics. (2019年11月15日) 2026年2月8日閲覧。
  12. CNN, Paul Lawlor,「Arctic 'doomsday' vault seeks to protect world's most precious data」『CNN』2017年4月4日。2026年2月8日閲覧。
  13. Diese Kohlemine soll das digitale Erbe der Menschheit schützen (ドイツ語). 1E9. 2026年2月8日閲覧。
  14. Kobie, Nicole. “Norway's Doomsday vault will now store and protect the world's data” 2026年2月8日閲覧。
  15. GitHub Has Stored Its Code in an Arctic Vault It Hopes Will Last 1,000 Years」『Gizmodo』2020年1月16日。2026年2月28日閲覧。
  16. 1 2 “Moderna museet katastrofsäkrar samlingarna på Svalbard” (スウェーデン語). Dagens Nyheter. (2020年3月11日). ISSN 1101-2447 2026年2月28日閲覧。

外部リンク

関連項目




英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語
  •  北極圏ワールドアーカイブのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「北極圏ワールドアーカイブ」の関連用語

北極圏ワールドアーカイブのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



北極圏ワールドアーカイブのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの北極圏ワールドアーカイブ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2026 GRAS Group, Inc.RSS