2011年問題 (日本のテレビジョン放送)とは? わかりやすく解説

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2011年問題 (日本のテレビジョン放送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/04 06:25 UTC 版)

2011年問題(2011ねんもんだい)では、日本のテレビジョン放送における2011年地上アナログテレビジョン放送の放送終了ならびに2003年12月から開始されていた地上デジタルテレビジョン放送への完全移行に関する事項、またそれに伴い生じた問題について述べる。


注釈

  1. ^ 地上デジタル音声放送は2011年3月に試験放送を終了した後、本放送を見送る形で計画は中止され、AMラジオ放送に関しては地アナ放送廃止で空いたVHF-LOWバンドを利用したFM補完放送の促進へと方針転換された。
  2. ^ アメリカ合衆国では2009年6月13日に停波したが、それに先立ちデジタル対応テレビへの買い換えが困難な低所得者層に対しデジタルTV変換コンバータ購入用としてUS$40のクーポンを配布した。日本もこれに見習ったものである。しかしながら、地上デジタル放送への移行に受像機の変更だけでなく、地域や建物次第では新たなアンテナ設備(工事費を含めて数万円)も必要となるがこのことは「デジタルへの移行」自体よりさらに少数の理解しか得られていない。実際、「デジタルへの移行」は何となく理解して新しい受像機に買い換える時に「地上デジタル放送対応」製品を購入したもののアンテナその他までには理解が及ばず、実際には従来のアナログ放送を新しい受像機で受信しているだけなのにも拘らずデジタル放送を視聴していると信じ込んでいる例も報告されている。
  3. ^ 岩手県では宮城県、福島県とともにアナログ放送終了が延期されたが放送範囲内でテレビ受信に関して直接の被害がなかったことから、そのまま2011年7月24日をもって閉局した。
  4. ^ 一例としては、アナログ放送は共聴設備でしか受信できないのに地上デジタル放送は受信できるため、自腹でUHFアンテナと工事をしてくれる家電量販店などの業者を頼まなければならないというもの。
  5. ^ 東日本大震災のため、2011年3月11日から4月23日までは自粛していた。
  6. ^ 「岩手、宮城、福島では、アナログ放送の終了が延期になりました。」のアナウンスと広告テロップが挿入された。
  7. ^ NHKは常時、民放は夜7時から11時台までの番組の冒頭にそれぞれ表示していた。
  8. ^ NHKの4:3製作番組と14:9サイズの放送を継続する大河ドラマ、民放におけるCMやテレビショッピング、4:3製作された放送局に著作権のない外部制作番組、独立UHF局における再放送番組を除く。
  9. ^ 沿岸部にあるCATV局の津波被災、地デジ共同受信設備の津波による流失、被災者支援に時間を割かれ地デジ普及活動が困難であることなどによる。なお、岩手・宮城・福島の地上波テレビ放送局にはアナログ機器維持管理のための費用を半額補助することにしている。
  10. ^ 佐渡島の高千局のリパックは2012年10月15日に実施された。
  11. ^ 茨城が2012年3月30日、徳島・山口が2012年8月31日、秋田が2012年12月28日、岩手・熊本が2013年2月28日、島根が2013年3月15日を以て、ブロック拠点へ統合された。また宮城は2012年5月1日より「東北」へ名称変更された。
  12. ^ NHKでの進行フォーマットは2011年7月24日に被災県以外で放送されたものと同じだが、進行は仙台局の谷地健吾(2011年7月24日放送分は鈴木菜穂子)が担当した。
  13. ^ テレビ放送完全デジタル化によって空いた従来のアナログテレビ帯域は、普及が著しく電波容量が逼迫している携帯電話などの用途へ転用されることが国の方針により決定された。(アナログとの混信防止のため)地デジが暫定的に使っている53〜62ch帯(60MHz分)はアナログテレビ放送が終了すればVHFと共にTV以外の用途へ転用され、地デジTVチャンネルは13〜52chのローバンド(低域)帯及びミッドバンド(中域)帯へ集約される(53~62ch帯を使っている地上デジタル中継局はアナログ終了後に一部局のチャンネル変更あり)。よって東日本大震災被災県(岩手・宮城・福島)における地上デジタル化(アナログ放送終了)猶予期間は最長でも2012年7月24日までしか設定できなかった。完全地上デジタル化の猶予期間中は岩手・宮城・福島3県の地上波テレビ局(NHK盛岡・IBC・TVI・MIT・IAT、NHK仙台・TBC・OX・MMT・KHB、NHK福島・FTV・FCT・KFB・TUF)に対してアナログテレビ放送維持に必要な機器(テレビマスター及び各送信所にある送信機器・アンテナ)保守管理費用の一部を総務省が助成することとした。
  14. ^ これまでアナログTV電波を送出していた電波塔のうち(地デジ送信塔が従来のアナログとは別の場所に設置、中継局統廃合により地デジ中継局設置非該当、施設老朽化などの理由で)地デジ・AMラジオ・FMラジオ・マルチメディア放送の送信設備と自社・他社による無線中継基地のいずれも引き続き持たない施設は殆どが解体されている。なお従来の地アナTV電波送信塔は各局が個別に設置していた場合が多かったが、地デジTV電波塔は当該地域にある各局が(中継局一カ所毎に)一つの塔・局舎を共用し、そちらへ各局送信アンテナを集中取付する方式を採用(NHKと民放全局の共同使用またはNHK単独使用・民放全局共同使用のパターンがほとんどである)。これにより従来のアナログ時代より建設費・保守管理費の大幅削減が可能となった。
  15. ^ アナログ放送の番組終了ブルーバックの後に10秒間のブラックバックが表示され、事実上それにテロップ表示した形。
  16. ^ ケーブルテレビ局によっては、前倒しで終了した局がある一方、4月中まで延期した局もあった。
  17. ^ もっとも、デジタル完全移行によりNHK Eテレにおける時報の放送も2011年7月23日正午(高校野球地方大会中継を行った一部地域除く)が最後だった。
  18. ^ 2000 - 2003年に発売されたBS・110度CSデジタルチューナーは搭載している(最初期は110度CSなし)が、地上デジタルチューナーは搭載していない機器を含む。
  19. ^ ただし、携帯用の小型テレビなどで外部AV入力や外部アンテナ入力を備えない物は継続使用ができない。

出典

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