高クロール血症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/04 08:35 UTC 版)
高クロール血症(高塩素血症)((英)hyperchloremia)は、電解質異常のひとつで、血中の塩素イオン(クロール[※ 1]、Cl-)濃度が異常に上昇している状態である。高クロール血症が単独で問題になることは稀で、ナトリウムイオンや重炭酸イオンの濃度とあわせて評価する必要がある。
- ^ 医療関連では、塩素は、クロールと呼ばれることが多い。
- ^ 血清中のNa以外の陽イオンとしては、K+、Ca2+、Mg2+、IgG、などがある。
- ^ 血清中のCl、重炭酸以外の陰イオンとしては、アルブミン、リン酸、乳酸、などがある。
- ^ ナトリウムに対しクロールの多い輸液の例としては、肝不全用アミノ酸のアミノレバンがあげられる。ナトリウム14 mEq/Lに対しクロールが94 mEq/Lも含まれている。
- ^ アルブミンの1 g/dLの低下は陰イオンの2.5 mEq/L低下に相当する。
- ^ 臭素イオンによりクロールの偽高値が出現する例としては、臭化カリウム(小児の難治性のてんかんに使用)、ブロムワレリル尿素(一般市販薬に含まれることがある催眠薬、依存性がある)などの服用がある。
- ^ Chloride alterations in hospitalized patients: Prevalence and outcome significance. Thongprayoon C, Cheungpasitporn W, Cheng Z, Qian Q (2017). PLoS ONE 12(3): e0174430. (低クロール血症頻度はTable1より計算。)
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