男はつらいよ 寅次郎紅の花とは? わかりやすく解説

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男はつらいよ 寅次郎紅の花

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/26 05:11 UTC 版)

男はつらいよ 寅次郎紅の花』(おとこはつらいよ とらじろうくれないのはな)は、1995年12月23日に公開された日本映画。『男はつらいよ』シリーズの第48作。同時上映は『サラリーマン専科』。


注釈

  1. ^ 背景には実際の報道映像も使用されている[2]
  2. ^ クレジットは両者の連名。
  3. ^ リリーは数年前にある老人と再婚し、その老人が3年ほどで亡くなってしまったことから、その遺産でこの島に暮らしている。「流れ者」と自分を称しているが、この時点ではドサ周りの歌手生活を辞め、定住生活をしている。
  4. ^ 寅はこの時点でリリーの肩を抱こうとするが、空振りに終わる。寅の「告白」は、柴又に持ち越される。
  5. ^ この喧嘩の前にリリーは東京にある母親の老人ホームを訪れているが、リリーが東京を訪れた理由の一つはこのことである。「お母ちゃん、島に来る?一緒に暮らしてもいいんだよ。空気はきれいだし、魚はおいしいし、長生きできるよ」という言葉には、『寅次郎忘れな草』で「親のつもりなの、それでも。はっきり言うけど、あんたなんか大嫌いよ。いなくなればいいと思ってんのよ」と言ったとげとげしさは感じられない。
  6. ^ この部分について、そもそも寅がリリーと結ばれないのは、寅の求愛下手の要素と放浪を求める要素(『男はつらいよ魅力大全』の特に第6章・第8章に詳しい。)の二つが絡み合っている。前者は、本作での「かっこうなんて悪くたっていいから、男の気持ちをちゃんと伝えてほしいんだよ、女は」というリリーの言葉に象徴されるが、寅がリリーを奄美まで送ったことで、ついに解決された。一方で、今回の別れは、後者に基づくものである。「リリーからの手紙」(『男はつらいよ2リリー篇』p.459)にも、「一週間、十日とたつうちに、寅さんのお尻がモゾモゾしてくる。私にはちゃんとわかるの。空を吹く風が、きっと寅さんを旅に呼ぶのね」と表現されている。山田監督も、「寅さんという人間は、渥美さんがいつか言ったけど、たぶん自分勝手で手前が一番大事な人間だってことじゃないでしょうかね。だから恋が成立して結婚したりすると、とっても面倒くさくなるっていうかな」と述べている。(『寅さんと麗しのマドンナたち』p.245)
  7. ^ この部分は、『寅さんと麗しのマドンナたち』の著者の私見ではあるが、以下のような制作サイドの事情からも説明される。本書は、「寅がリリーを奄美まで送ったこと」を「第一エンディング」と呼ぶ。「渥美の死なり体力の限界から、実質的に第48作が最終作になるであろう」ことを山田監督が意識を越えたところで感じたことで、「愛の物語のハッピーエンド」を作り上げたのである。他方、「お酒の上で口喧嘩をした翌朝、置き手紙をしていなくなってしまったこと」を「第二エンディング」と呼ぶ。「シリーズ続行の可能性と余地を残すため」の「永遠の旅人」としての寅の意味合いも含ませたのである。
  8. ^ 「我等が寅さんは、今も加計呂麻島のあの美しい海岸で、リリーさんと愛を語らいながらのんびり暮らしているだろう。きっとそのはずだ。ぼくたちはそう信じている。」(加計呂麻島の記念碑に刻まれた山田監督の言葉)という制作者側の言葉もある。なお、この碑文は、渥美清が死去した後、つまりシリーズ続行が不可能になった後に作られた(1997年7月)ものである。

出典

  1. ^ a b 1996年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟
  2. ^ 山田洋次(代表)『男はつらいよ大全 下』中央公論新社、2002年、374-375頁。ISBN 4-12-003299-X 
  3. ^ 「もう1作だけ、いやもう1作なんとかという思いで47作、48作を作った」(『寅さんは生きている』(p.204)所収の山田監督の弔辞)。
  4. ^ 『渥美清没後20年寅さんの向こうに』p.70 。
  5. ^ 『シナリオ』、p.10
  6. ^ 役者人生、泣き笑い 著者:西田敏行
  7. ^ 『完全版「男はつらいよ」の世界』(集英社文庫)p.382 。
  8. ^ 「寅さんへの気持ち」(『寅さんへのラブレター』p.82)、「リリーのはけ口のない怒りといらだちの爆発は、若い二人への激励という以上に、実は寅への愛の表明であることを観客は察知する必要があろう。」(『寅さんと麗しのマドンナたち』p.234)。
  9. ^ 『キネマ旬報2008年9月下旬号』p.23。「ロングインタビュー・山田洋次」の中での、インタビュアーの問いかけ。
  10. ^ 勝山町並み保存地区 | 岡山県北の生活情報 アットタウンWEBマガジン”. 2019年4月3日閲覧。
  11. ^ 「男はつらいよ 寅さんDVDマガジン」編集グループ 『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』講談社、2013年7月、p108-109,180-181
  12. ^ a b 日経ビジネス』1996年9月2日号、131頁。


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