牧衷とは? わかりやすく解説

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牧衷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/12 04:43 UTC 版)

牧 衷(まき ちゅう、1929年4月8日-2015年10月13日)は岩波映画製作所脚本家。「科学教育映画体系」や「たのしい科学シリーズ」などの多くの科学教育映画の企画と脚本をはじめ、企業PR映画や官庁制作の映画、大学の研究成果の紹介映画などの脚本を手がけ、その作品は多くの賞を受賞している[4]仮説実験授業研究会の最初期からの会員で板倉聖宣仮説実験授業の理論を取り入れた科学教育映画も何本か作った。また、大学時代の学生運動の経験から社会運動の実践的理論も研究した。後に岩波映画の取締役となり、組合との交渉に尽力した[5]


  1. ^ 牧によればこのときの皇国思想というのは「天皇を現人神とし、日本を天皇の国=神の国として諸外国・諸民族に優越するものとする排外的・国粋主義」であったという[7]
  2. ^ 牧によれば両親は熱心なクリスチャンで姉の進学先も自由な校風が評判のフェリス和英女学院だった[6]
  3. ^ 牧によれば「要注意人物レベルの点数」だという[9]
  4. ^ たとえば、英語の授業中に居眠りをしていた牧に教官は「眠いときに無理矢理起きていようとするほどバカな事は無い。眠るまいということだけに精神が集中して授業のことなど何ひとつ頭に残らない。10分経ったら起こしてやるから10分寝ろ」と言われ、10分経ったら起こされて何事もなかったように授業が続けられた。この体験は牧には子どもの時からの教育体験の中では画期的な出来事であったという[11]
  5. ^ この頃の牧のエピソードとして、ある学生がドイツ語の授業でおかしな訳を答えたので教師が理由を聞くと、「おかしな訳とは思いましたが辞書にこの意味が書いてあったのでこじつけました」と答えた。教師は辞書をみて「誤植だ」と言った。そして「君はこの辞書を変だと思ったんだろ。だったらなぜ立ち読みでもいいから他の辞書を見なかったんだ。そうすれば君はこんなみっともない姿をさらさずにすんだ。ああ情けない」と言った。牧はそれを聞いて「俺はとんでもない学校に入った。ここはもうお勉強する所じゃない。学問をするところだ」とやっていけるか不安になったという[13]
  6. ^ この時の24本はDVDに復刻されている[17]
  7. ^ この間の作品のいくつかもDVDに復刻されている[18]
  8. ^ 1957-1962年に日本テレビ系で放送された。岩波映画製作所が全239作品を作った。日本のテレビにおける科学番組の草分けといわれる[25]
  9. ^ 中谷が研究していた雪の映像を撮るのが仕事だった[1]
  10. ^ 1950年。岩波映画の第1作目。『岩波映画の1億フレーム』付属DVDに収録。凸レンズの性能や応用を実験によって解明した科学映画。中谷宇吉郎と吉野肇治(1906-72:映画カメラマン)が指導、撮影で大がかりなレンズ系を用いていた[26]
  11. ^ 中谷宇吉郎の弟子の物理学者(1916-2002)。多くの岩波映画の脚本を担当した[27]
  12. ^ 『岩波映画の1億フレーム』付属DVDにも収録されている
  13. ^ 『岩波映画の1億フレーム』付属DVDにも収録されている
  14. ^ 科学技術映像祭は、科学技術を正確にわかりやすく伝える優れた映像を選奨し、科学技術への関心を喚起し、その普及と向上をはかるとともに、社会一般の科学技術教養の向上に資することを目的とするもの。科学技術週間の制定と軌を一にして昭和35年(1960年)から始められ、日本で最も権威のある科学技術の映像祭との評価を受けている。(科学技術映像祭)
  15. ^ ビアリッツフェスティバルラテンアメリカ(フランス語:FestivalBiarritzAmériqueLatine)は、1979年以来、フランスの都市ビアリッツで毎年開催される国際映画祭で、ラテンアメリカの映画と文化をフランスの人々とともに宣伝し、ラテンへの配給または共同制作の機会を提供している。(ビアリッツ映画祭)
  16. ^ 牧と吉村七郎(故人:暁星小学校教諭、仮説実験授業研究会会員)が中心となって始まった[36]
  17. ^ これは牧の没後も仮説実験授業研究会会員の長谷川智子を中心に続けられている
  18. ^ (1952- )東京理科大応用化学科卒。企業分析室勤務を経て中学校講師となり、岩波映画を使った授業に取り組む。仮説実験授業研究会会員、物理教育研究会会員、科学技術映像祭審査員[35]
  19. ^ 埼玉県の高校講師。仮説実験授業研究会会員[38]
  20. ^ このDVDは映像だけでなく、映画を見る会有志による映画を文字起こしした脚本と長谷川・桜井らが授業で使用する際の解説を収録した冊子が付属しており、だれでも授業で使える配慮がされていた[17][18]
  21. ^ 『岩波映画の1億フレーム』付属DVDにも収録されている
  22. ^ 1954年から実施されている。新作の教育映像および教育デジタルコンテンツのうち、すぐれた作品を選奨し、各部門の最優秀作品には文部科学大臣賞が贈られる。日本で実施されている映像コンクールの中で、もっぱら学校教育・社会教育・産業教育の「教材」としての視点から選奨が行われている唯一のもの。教育映像祭は、例年夏季に中央行事が東京で開かれ、上記選奨の受賞作品の表彰や夏休みこども映画フェア、また、わが国の視聴覚教育の進展に功績のあった功労者の方々の表彰も行われる。(教育映像祭)
  1. ^ a b c d 丹羽・吉見 2012, p. 165.
  2. ^ a b 牧衷 2013, p. 63.
  3. ^ 牧衷 1998, p. 159.
  4. ^ a b 記録映画プロジェクト.
  5. ^ 牧衷 2010.
  6. ^ a b 牧衷 2010, p. 1.
  7. ^ 牧衷 2010, p. 2.
  8. ^ 牧衷 2010, pp. 2–3.
  9. ^ a b 牧衷 2010, p. 3.
  10. ^ 牧衷 2010, p. 4.
  11. ^ 牧衷 2010, p. 5.
  12. ^ a b 牧衷 2010, p. 6.
  13. ^ a b 牧衷 2010, p. 7.
  14. ^ 牧衷 2010, p. 8.
  15. ^ a b 牧衷 2010, p. 9.
  16. ^ a b c 牧衷 2010, p. 10.
  17. ^ a b c d e f g 牧衷 2004.
  18. ^ a b c d 牧衷 2009.
  19. ^ 牧衷 2010, p. 11.
  20. ^ 牧衷 2010, pp. 12–13.
  21. ^ 牧衷 1998.
  22. ^ 牧衷 2010, p. 13.
  23. ^ 牧衷 2013.
  24. ^ 渡辺 2015.
  25. ^ 丹羽・吉見 2012, pp. 165–166.
  26. ^ a b 丹羽・吉見 2012, p. 166.
  27. ^ 丹羽・吉見 2012, p. 21.
  28. ^ 丹羽・吉見 2012, p. 167.
  29. ^ 丹羽・吉見 2012, pp. 168–169.
  30. ^ 丹羽・吉見 2012, pp. 169–170.
  31. ^ 丹羽・吉見 2012, pp. 170–171.
  32. ^ 丹羽・吉見 2012, pp. 172–176.
  33. ^ 丹羽・吉見 2012, pp. 176–179.
  34. ^ 科学技術映像祭.
  35. ^ a b 牧衷・長谷川 2013, p. 63.
  36. ^ 丹羽・吉見 2012, p. 201.
  37. ^ 丹羽・吉見 2012, p. 180.
  38. ^ 丹羽・吉見 2012.
  39. ^ 丹羽・吉見 2012, pp. 180–181.
  40. ^ 丹羽・吉見 2012, pp. 190–192.
  41. ^ 長谷川 2019.
  42. ^ 丹羽・吉見 2012, pp. 193–194.
  43. ^ 丹羽・吉見 2012, pp. 194–195.
  44. ^ 牧衷 1998, pp. 14–15.
  45. ^ 牧衷 1998, p. 16.
  46. ^ a b c 牧衷 1998, p. 23.
  47. ^ 牧衷 1998, pp. 11–12.
  48. ^ 牧衷 1998, p. 29.
  49. ^ 牧衷 1998, p. 31.
  50. ^ 牧衷 1998, pp. 36–37.
  51. ^ 牧衷 1998, p. 38.
  52. ^ 牧衷 1998, p. 39.
  53. ^ 牧衷 1998, p. 40.
  54. ^ 牧衷 1998, pp. 40–41.





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