局所可積分函数とは? わかりやすく解説

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局所可積分函数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/30 23:39 UTC 版)

数学において局所可積分函数(きょくしょかせきぶんかんすう、: Locally integrable function)とは、その定義域に含まれる任意のコンパクト部分集合上で可積分(したがって積分が有限)であるような函数のことを言う。しばしば局所総和可能函数(locally summable function)とも呼ばれる[1]。そのような函数は、Lp空間と似ているがその元の無限大での振舞いについて制限を要さないような函数空間に属するという点において、重要となる。言い換えると、局所可積分函数は、無限大において任意に早く増大することも許されるが、通常の可積分函数とある意味似た方法によって依然として扱うことが出来るものとなっている。


  1. ^ Gel'fand & Shilov (1964, p. 3) による。
  2. ^ a b 例えば (Schwartz 1998, p. 18) や (Vladimirov 2002, p. 3) を参照。
  3. ^ Vladimirov (2002, p. 1) によって選ばれた、この定義の他のバージョンでは、K ⋐ Ω(あるいは Gilbarg & Trudinger (2001, p. 9) の記法である K ⊂⊂ Ω)を使って、Ω に厳密に含まれる K という条件のみが課されている。これはすなわち、そのような集合はコンパクトな閉包を与えられた全空間に持つことを意味する。
  4. ^ コンパクト性の概念は、与えられた抽象的測度空間上で明白に定義される必要がある。
  5. ^ これは例えば Cafiero (1959, pp. 285–342) や Saks (1937, chapter I) によって発展された手法で、局所可積分の場合を陽的に扱うことはされていなかった。
  6. ^ 例えば (Strichartz 2003, pp. 12–13) を参照。
  7. ^ その理論における手法は、その有用性を訴えた Schwartz (1998, pp. 16–17) によって評価された。しかし彼は局所可積分函数を定義する際には Definition 1 を使った。
  8. ^ Maz'ya と Shaposhnikova はソボレフ空間 Wk,p(Ω) のある局所化されたものに対してのみ、陽的な定義を与えたことに注意されたい。しかしその本では、特に 44 ページで導入されている Lp,loc(Ω) のように、他のすべてのバナッハ空間の局所化されたものに対しても同様の手法が利用できると主張されている。
  9. ^ a b 例えば (Vladimirov 2002, p. 3) や (Maz'ya & Poborchi 1997, p. 4) を参照。
  10. ^ 前節で注意されているように、この手法は Maz'ya & Shaposhnikova (2009) によって初等的な詳細については省かれながら採用された。
  11. ^ 正確に言うと、それらは L1,loc(Ω)部分ベクトル空間を形成する。Corollary 1 から Theorem 2 を参照。
  12. ^ 例えば (Vladimirov 2002, p. 3) では書体 が用いられている
  13. ^ この内容については (Gilbarg & Trudinger 1998, p. 147) や (Maz'ya & Poborchi 1997, p. 5) を参照されたい。また簡単な注釈については (Maz'ja 1985, p. 6) や (Maz'ya 2011, p. 2) を参照されたい。
  14. ^ Gilbarg & Trudinger (1998, p. 147) および Maz'ya & Poborchi (1997, p. 5) は証明法について非常に簡潔に触れただけであり、(Maz'ja 1985, p. 6) および (Maz'ya 2011, p. 2) ではそれを既知の結果として認め、その後の議論を展開している。
  15. ^ Saks (1937, p. 36) では次のことが述べられている。「E が有限測度の集合か、より一般に有限測度の (μ) の集合の列の和であるなら、E 上の集合 (𝔛) の加法的函数が E 上で絶対連続であるための必要十分条件は、ある集合に対するその函数が E 内のある点の可積分函数の不定積分であることである」。(μ) をルベーグ測度と仮定すれば、それら二つの内容は同値となることが分かる。
  16. ^ 例えば (Hörmander 1990, p. 37) を参照。
  17. ^ (Strichartz 2003, p. 12) を参照。
  18. ^ (Schwartz 1998, p. 19) を参照
  19. ^ (Vladimirov 2002, pp. 19–21) を参照。
  20. ^ (Vladimirov 2002, p. 21) を参照。
  21. ^ この例に関する簡潔な議論については (Schwartz 1998, pp. 131–132) を参照されたい。


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