契約プログラミングとは? わかりやすく解説

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契約プログラミング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/09 02:28 UTC 版)

契約プログラミング(けいやくプログラミング、: Contract programming)または契約による設計(けいやくによるせっけい、: Design by Contract; DbC)は、ソフトウェアの正確性[注 1]と頑健性[注 2]を高めるためのソフトウェア設計の方法論である。DbC はロバート・フロイドアントニー・ホーアエドガー・ダイクストラらの形式的検証の仕事を基礎にしている[1]。DbC は(抽象データ型に基づく)オブジェクト指向プログラミングにおける表明の利用や、継承に伴う表明の再定義の原理的規則、例外処理の原理的規則などを提供する[2]


注釈

  1. ^ Meyer 1990, p. 4 において、ソフトウェアの正確さはソフトウェア製品が要求および仕様によって定義されたとおりに確実に仕事を行う能力と定義されている。
  2. ^ Meyer 1990, p. 5 において、ソフトウェアの頑健さは異常な状態においても機能するソフトウェアシステムの能力と定義されている。ここで「異常な状態」とは仕様によって示されていない状態を指す。
  3. ^ Meyer 1990 では基本的に「オブジェクト」の語を用い、あらわにインスタンスとは呼んでいない。クラスを型と見なす場合、クラスのインスタンス以外にオブジェクトは存在しないため (Meyer 1990, pp. 85, 139) 混用しても問題はないが、一般的な文脈を優先して本項ではインスタンスの語を用いる。
  4. ^ Meyer 1990 では「メソッド」の代わりに「ルーチン」を用いているが、本項ではより一般的な前者を用いる。「メソッド」は Smalltalk 由来の同義語として Meyer 1990, p. 589 に示されている。
  5. ^ Meyer 1990, p. 168 では「(クラス)不変表明」と呼んでいる。
  6. ^ Meyer 1990, pp. 113, 170, 273–274 では「エクスポート」と表現している。
  7. ^ Meyer 1990, pp. 103, 170 では「Create プロシージャ」と表現している。プロシージャの定義は Meyer, pp. 109–110 を参照。
  8. ^ 同様な定義は例えば Liskov & Wing 1994, p. 1817, 4.1. Type Specifications で与えられている。
  9. ^ Meyer 1990, p. 296 ではクラス自身とそれを継承するサブクラスを子孫 (descendant) と定義し、クラス自身を除いた子孫を真の子孫 (proper descendant) と定義しているが、本項では特に断りない限り、真の子孫の意味で「サブクラス」を用いる。
  10. ^ Meyer 1990, p. 296 ではクラス自身とそれが継承しているスーパークラスを祖先 (ancestor) と定義し、クラス自身を除いた祖先を真の祖先 (proper ancestor) と定義しているが、本項では特に断りない限り、真の祖先の意味で「スーパークラス」を用いる。

出典

  1. ^ Meyer 1990, p. 220.
  2. ^ Meyer, Bertrand (2021年2月26日). “Some contributions”. 2021年12月22日閲覧。
  3. ^ Meyer, Bertrand: Design by Contract, Technical Report TR-EI-12/CO, Interactive Software Engineering Inc., 1986
  4. ^ Meyer, Bertrand: Design by Contract, in Advances in Object-Oriented Software Engineering, eds. D. Mandrioli and B. Meyer, Prentice Hall, 1991, pp. 1–50
  5. ^ Meyer, Bertrand: Applying "Design by Contract", in Computer (IEEE), 25, 10, October 1992, pp. 40–51, also available online
  6. ^ クライアント(顧客)とサプライヤ(供給者)の用法については例えば Meyer 1990, pp. 30, 101 を参照。邦訳では顧客/供給者が用いられているが本項ではクライアント/サプライヤを用いる。
  7. ^ DbC の文脈における「クラス」の定義は例えば Meyer 1990, p. 85 を参照。この定義ではクラスは静的な型として表現され、それ自体はオブジェクトと見なされない。また同書ではしばしばクラスを「モジュール」と表現する。Smalltalk の流れを汲むクラスの扱いに関しては例えば Meyer 1990, p. 138 を参照。
  8. ^ Meyer 1990, pp. 196–199.
  9. ^ Meyer 1990, pp. 155, 157, 218.
  10. ^ Meyer 1990, pp. 159–160.
  11. ^ Meyer 1990, pp. 163–164.
  12. ^ a b Meyer 1990, p. 161.
  13. ^ a b Meyer 1990, p. 170.
  14. ^ a b c Meyer 1990, p. 171.
  15. ^ a b c d Meyer 1990, p. 159.
  16. ^ a b Meyer 1990, p. 201.
  17. ^ Meyer 1990, p. 206.
  18. ^ Meyer 1990, pp. 209, 640.
  19. ^ Meyer 1990, p. 307.
  20. ^ Meyer 1990, p. 305.
  21. ^ a b c d e Meyer 1990, p. 344.


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