ブルックナーのスコア選択
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 10:00 UTC 版)
「ハンス・クナッパーツブッシュ」の記事における「ブルックナーのスコア選択」の解説
ブルックナーの交響曲もクナッパーツブッシュの得意としたレパートリーであるが、原典版を使用しなかったことでも知られている。クナッパーツブッシュの若いころにはブルックナーのスコアはいわゆる「改訂版」しか出版されていなかった。この改訂版にはブルックナー以外の者による改変・カットなどがあったが、こうした改変・カットを見直すべく1935年以来ローベルト・ハースによって校訂された「原典版」が出版され、その後ハースに引き続いてレオポルト・ノヴァークによって校訂された新しい原典版も出版されていった(「ブルックナーの版問題」も参照のこと)。しかしクナッパーツブッシュはブルックナーの交響曲の演奏に際し、校訂された原典版は採用せず旧来の改訂版ばかりを使用した。クナッパーツブッシュがなぜ旧態依然とした改訂版の使用に固執し、演奏当時入手が可能であった原典版を採り上げなかったのかについてはわかっていない。 クナッパーツブッシュがスタジオ録音したブルックナーの交響曲はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した3番、4番、5番、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した8番がある。このほか7番や9番にもライヴ録音がある。現代では改訂版による演奏に接する機会は極めて稀であり、クナッパーツブッシュによる録音が「一番入手しやすい改訂版の音源」となっている。
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