フレデリック・デュリユーとは? わかりやすく解説

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フレデリック・デュリユー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/07 14:38 UTC 版)

Frédéric Durieux, 2016

フレデリック・デュリユーFrédéric Durieux, 1959年6月16日 - )は、フランスグルノーブル生まれの現代音楽作曲家

略歴

1980年、グルノーブル地方音楽院音楽書法科を首席で卒業の後、パリ国立高等音楽院にてベッツィ・ジョラス楽曲分析を、イヴォ・マレク作曲を師事し、両学科を一等賞で卒業。1988年から1991年にかけてアンドレ・ブクレシュリエフに作曲の個人指導を仰ぐ他、ブライアン・ファーニホウフランコ・ドナトーニジェラール・グリゼイ、ユーグ・デュフール、ジェルジ・リゲティトリスタン・ミュライユらのマスタークラスを受講。1985年フランス国立音響・音楽研究所にてレジデント・コンポーザーを務め、1987年より二年間ローマ、メディチ荘に滞在した後、1991年より2001年までパリ国立高等音楽院の分析クラス教授を務め、2001年より現在に至るまで同音楽院の作曲科教授を務める。

作風

デュリユーは、分析クラス教授であったことからも窺えるように、作品における徹底した音楽書法の構築を旨としている。緻密に構成された音楽語法、強固な分節、音色の洗練が追求されている他、イヴ・ボンヌフォワ、エマニュエル・オカールの詩への偏愛、引用が見られる。音楽史および音楽書法の変遷への興味から、デュリユーは、この分野において複数の論文を書いており[1]またこうした音楽の推移、想起への考察から、スタイルとしては、同じ構想に基づいた、関連性のある作品を制作していく手法を取っている。《展開の始まり》(1989)で扱われた題材は、その後に続く作品《周期,余白,其れ》(1989)、《その向こう側へ》(1990-1992)においてさらに展開を見せ、和音群の連打、展開、変質といった音の記憶によって各々が結びつけられており、作品から作品へと系譜が受け渡されている。

教育

学生の筆力を上げる指導には定評があり、近年は各種国際作曲コンクールで門下生の名を見かけることも増えている。

受賞歴

  • ローマ、メディチ荘滞在 (1987-1989)
  • モナコ公室財団賞 (2005) (*オーケストラのための《横断》に対して)
  • 芸術文化勲章 オフィシエ

作品

現在までに、およそ40の作品を発表しており、近年のものとしては、フランス国立音響・音楽研究所およびモナコ公室委嘱の弦楽四重奏曲《其処ではない、此処》の改訂版が2009年に発表されている。

声楽および器楽曲

  • 《Cristal & Corps》 混声合唱と室内オーケストラのための (1994-1995), 13分
  • 《Du lieu qui n'est qu'un rêve》 ソプラノ、混声合唱、オーケストラのための (1996-1998), 20分
  • 《Exil II》 二人の女性声楽と器楽合奏のための (1983), 21 minutes [note de programme]
  • 《Face lumineuse》 二人のソプラノとアンサンブルのための (1982), 12分
  • 《L’Eau éclairée》 ソプラノ、混声合唱、オーケストラのための (1996-1998), 20分
  • 《Sammlung》 12人の混声合唱と2人の打楽器のための (2009-2011)
  • 《So schnell, zu früh ドミニク・バグエの追憶に》 ソプラノ、器楽合奏、リアルタイム音響のための (1993), 18分
  • 《Viridaria エマニュエル・オカールの詩に基づく》ソプラノとオーケストラのための (1994-1995), 15分

協奏曲

  • 《チェロ協奏曲》 (2007-2010)
  • 《Marges II》 ピアノと9人のソリストのための (1989), 13分
  • 《Marges III》 オーボエと器楽合奏のための (1989-1990), 15分
  • 《Werden - devenir II》 クラリネットと器楽合奏のための (1993-2001), 16分

器楽合奏曲

  • 《3 pour 2》 17人の器楽奏者のための (2005-2006), 23分
  • 《Là, au-delà》 26人の器楽奏者のための (1990-1991), 23分
  • 《Macle 大オーケストラのための (1985-1986), 17 minutes
  • 《Parcours pluriel》 17人の器楽奏者とリアルタイム音響のための (1987), 17分
  • 《Possibilities》 ハワード・バーカーに捧ぐ》8人のチェリストのための (2009-2010)
  • 《Seuil déployé》 22人の器楽奏者のための (1988-1989), 23分
  • 《Traverse 1》 大オーケストラのための (1995), 05 minutes 30分
  • 《Traverses 2 et 3》 大オーケストラのための (2002-2003), 12分

室内楽曲

  • 《Alliances》 フルートとクラリネットのための (1994), 6分
  • 《Départ ドミニク・トロンサンの追憶に》、 室内楽のための (1995-2000), 5分
  • 《Epars, Indivisible》 室内楽のための (1982), 20分
  • 《Here, not There バーネット・ニューマンに捧ぐ》 弦楽四重奏と電子音響のための (2004-2007), 14分
  • 《Marges I》 チェンバロと打楽器のための (1989), 8分
  • 《Origine》 (1990), 50分
  • 《Placer/Déplacer》 小品第一番 ヴァイオリンとピアノのための (2009), 3分
  • 《Souffler/Frapper》 バソンと打楽器のための (2009), 6分
  • 《Strophe en Marge》 教育作品 (1986), 3分
  • 《Études en Alternance》 6人の器楽奏者のための (2002-2003), 8分

独奏曲

  • 《Alexis Gesang》 チェロのための (2007), 4分
  • 《Devenir》 クラリネットとリアルタイム音響のための (1993), 17分
  • 《Départ ドミニク・トロンサンの追憶に》 クラリネットのための (1995), 5分
  • 《Esquisse pour Stèle》 教育作品 (1985), 4分
  • 《Gemme》 オルガンのための (1984), entre 17分
  • 《Incidences》 打楽器のための (1996), 10分
  • 《Initial - devenir III》 クラリネットのための (1993-2002), 14分
  • 《Là》 クラリネットのための (1989), 13分
  • 《Marges IV》 ピアノのための (1989-1992), 13分
  • 《Ouvrir》 ヴァイオリンのための (2009), 4分
  • 《Pour tous ceux qui tombent》 ピアノのための (1997), 1分30秒
  • 《Ritt》 ヴァイオリンのための (2009), 5分
  • 《Übersicht IIa》 テナーサックスのための (2008-2010), 8分
  • 《Übersicht Ia》 バリトンサックスのための (2008), 6分
  • 《Übersicht Ib》 テナーサックスのための (2008-2009), 6分

脚注





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