フラウィ
フラウィ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/02 07:16 UTC 版)
フラウィ | |
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Undertale、DELTARUNEのキャラクター | |
初登場 | Undertale |
最後の登場 | DELTARUNE・チャプター2 (アズリエル、言及のみ) |
作者 | トビー・フォックス テミー・チャン(デザイン) |
詳細情報 | |
愛称 | Flowery(Undertale、パピルスから) Azzy(DELTARUNE) |
別名 | おはなのフラウィ(自称) |
種族 | 花(フラウィ) ボスモンスター(アズリエル) |
性別 | 男性 |
肩書き | 地底世界の王子 |
家族 | トリエル(母親) アズゴア・ドリーマー(父親) おちたニンゲン(里子の兄弟、Undertale) クリス(里子の弟、DELTARUNE) |
フラウィ(Flowey)は、トビー・フォックスによって制作されたコンピュータRPG『Undertale』に登場する架空のキャラクターで、主要な敵役。ゲームでは、無害なふりをした嗜虐的で精神病質な性格をした、様々な表情を持つ顔とシンプルな姿をした花として登場する。ゲームの後半では、かつてニンゲンに殺されたモンスターの幼い王子、アズリエル・ドリーマー(Asriel Dreemurr)であることが明らかになる。コメンテーターは、フラウィの特徴、上手く構成された背景、キャラクターを巻き込んだボス戦を賞賛している。
キャラクター
ゲーム開始時、プレイヤーは最初に笑顔が真ん中にあり気取らず無邪気な花のように見えるフラウィに遭遇する。フラウィは、実際には有害である弾丸を「なかよしカプセル(friendliness pellets)」と呼び、役立つモンスターであるふりをしてプレイヤーを攻撃する[1]。また、プレイヤーに「ぼうりょくレベル(Level Of Violence)」を意味する「LOVE」を増やしてレベルアップをするように指示する。つまり、実際は他のモンスターに対する暴力を奨励しており[1]、自身の哲学として「殺すか殺されるか」を語っている。フラウィはプレイヤーを殺す直前にトリエル(Toriel)に追い払われ、トリエル戦後に再びプレイヤーの前に現れる。
フラウィはアズゴア(Asgore)との戦闘後に再び現れ、プレイヤーがアズゴアを逃がそうとした場合はアズゴアを殺害、集められた人間のタマシイを吸収する。タマシイの力を使い、フラウィはゲームと雰囲気が釣り合わない巨大で恐ろしい姿をしたフォトショップフラウィ(Photoshop Flowey、オメガフラウィ(Omega Flowey)とも呼ばれる)となり、プレイヤーに戦いを挑む。この戦いでは「たたかう」しか選択できず、またセーブデータが上書きされているため、フラウィに勝利するまで先に進めない。フラウィを倒した後は彼を殺すか逃がすか選べる。殺すことを選択した場合では「期待通りだ」と言い残して消滅するが、逃がす事を選択した場合では、なぜ自分に優しくするのかと言って逃げ去る。そしてしばらくしたあと再び登場、ゲームの「真の平和主義ルート(True Pacifist run,Pルートとも)」を促進し、モンスターを逃がしてLOVEを集めることなくゲームを進めるよう指示する[1]。
アズリエル・ドリーマー
Pルートにてしんじつのラボ(True Lab)のエリアを進むと、フラウィの起源を知れる。フラウィはトリエルとアズゴアの息子であり、それぞれの名前の半分を取ってアズリエル(Asriel)と名付けられた[注 1][2]。トリエルに似て羊のような耳が特徴。一人っ子だったアズリエルは、最初に地下に「おちたニンゲン」と親友になる。二人はモンスターをバリアから解放する計画を考え付き、ニンゲンは有毒の花であるバターカップを食べて自殺、ニンゲンのタマシイとアズリエルのタマシイを融合させバリアを突破し、アズリエルは強力なモンスターへと変わる。体のコントロールもニンゲンとアズリエルの二人に分かれ、ニンゲンは自身の体をニンゲンの村へ持っていき、村の中心に置く。しかし、アズリエルはニンゲンを殺したのだと村人に勘違いされたことで攻撃され、ニンゲンは全力で反撃しようとしたが、アズリエルはニンゲンに反対してその場を立ち去る。ニンゲンはアズリエルに致命傷を負わせ、家に帰り着くと同時にアズリエルは倒れ、アズリエルの塵は金色の花に散らばった。アズリエルの意識は、科学的実験で彼の塵がかかった花に偶然にもケツイ(Determination)を注入された結果、金色の花として目覚めるが、自らのタマシイはなく感情を失っていた。殺戮ルート(Genocide run)では、モンスターがアズリエルとニンゲンの話をする代わりに、フラウィが花として目覚めた後、アズリエルが両親と再会するも、両親への愛を感じなくなっていたことに動揺したと話をする。フラウィとなったアズリエルは、その後自殺するも、自身に時間をリセットする能力があることに気づき、フラウィとして生き続けるためにアズリエルとしての古い自分を捨てた。
Pルートの終盤、フラウィは最初のニンゲンのタマシイを取り戻し、地下にいる全てのモンスターのタマシイと共に吸収、全能となったアズリエルとして現れる。アズリエルは、主人公を最初のニンゲンだと誤解し、大事な人であったニンゲンと別れることを望んでいなかった。フリスクはアズリエルを「ふっかつ(SAVE)」し、モンスターの記憶を溢れ出させ、手を差し伸べてアズリエルの不安と孤独を受け入れる。そしてアズリエルは共感性を取り戻し、子供の頃の姿へと戻った。アズリエルは今までの自らの悪行を謝罪し、タマシイの力を使ってバリアを破壊、モンスターを地下から解放させる。その後、結局アズリエルはフラウィに戻り、愛を感じることができなくなった。
Gルートの終盤では、フリスクがアズゴアを攻撃した際、フラウィは主人公(フラウィは最初のニンゲンだと思っている)に決して裏切らないことを証明するため、アズゴアを殺害する。フラウィは主人公に情けを懇願し、自分は主人公の助けになり、絶対に邪魔はしないと語り、アズリエルの頃の顔と声を真似ることでフラウィ自身がアズリエルであることを明かす。結局、フラウィはプレイヤーの操作なしで自動的に殺害される。その後最初のニンゲンが画面に現れ、プレイヤーの破壊的な行動について独白した後、世界を破壊する。
『DELTARUNE』では
『Undertale』とは別の世界である『DELTARUNE』では、アズリエルがトリエルの実の息子であり主人公のクリス(Kris)の兄として登場しており、大学に通っていると言及される。また、クリスとそのクラスメートであるスージィ(Susie)が闇の世界に入った際、アズリエルと似た外見と性格を持つ闇の王子、ラルセイ(Ralsei)と出会う。チャプター1の終盤では、クリスとスージィが闇の世界を去る前に、ラルセイは自分の本当の姿を明らかにするが、その姿は『Undertale』でのアズリエル(Asriel)の姿に酷似している。加えて、ラルセイ(Ralsei)の名前はアズリエルのアナグラムとなっている[注 2]。
評価
フラウィは一般的に好評を博している。USGamerが選んだ2015年のベストキャラクターにおいて第3位となり、記事には「フラウィはプレイヤーが今までに行ってきたことを全て知っており、第四の壁を破るゲームのキャラクターに精通していたとしても、フラウィが知っていることには少し驚かされるかもしれない。」と述べられている[3]。またUSGamerは、幼いアズリエルを「全ての破壊的な可能性から、アズリエルの戦闘形態とその能力はDeviantArtから笑われるだろう。だがそれはまさに、彼らが神自身の憤怒を持っているとするなら、苦しんでいるプレティーンがデザインするようなものだ。」とも呼んでいる[4]。ゲーム・インフォーマーは、フラウィを第四の壁を壊す瞬間トップ10の一つに挙げ、「狂った話をする花」と呼んでいる[5]。デストラクトイドのザック・ファーニスは、2015年におけるお気に入りのゲームの瞬間の一つに挙げ、ゲームのプレイに不安を感じていたが、「小さい花が数秒で破壊され恐ろしいフォトショップのモンスターになってしまう」と述べ、自分は売られたような気分を感じたという[6]。2018年にGamesRadar+が公開したビデオゲームにおける最高の悪役では14位となり、スタッフは「一見すると悪意から遠く離れた存在に見えるが、実際には悪意あるマニピュレーターであり、最終形態は悪夢のようなものだ」と述べている[7]。
Kotakuのジェイソン・シュライアーは、アズリエルとの戦闘を「RPGの歴史の中で最高の最終ボス戦」と呼び、「『MOTHER』や『クロノ・トリガー』のようなゲームにも匹敵する」と述べている[2]。またジェイソンは「アズリエルはテーマソングの地獄の一つを持ってきた」と述べ、戦闘は「シーケンス全体が壮観で、『Undertale』の最も遅いセットアップさえ正当化している。」と称賛している[2]。TheGamerは、ゲームのメインキャストの中で8番目に優れたキャラクターとしてランク付けし、フラウィとの戦闘を「現代のゲームの歴史の中で最も激しいボス戦」であると述べている[8]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c Favis, Elise (2016年2月23日). “The videogames that want to be disobeyed” (英語). Kill Screen. 2021年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月8日閲覧。
- ^ a b c Schreier, Jason (2016年1月5日). “Undertale Has One Of The Greatest Final Boss Fights In RPG History” (英語). Kotaku. 2021年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月8日閲覧。
- ^ USgamer Team, Contributor (2015年12月29日). “USgamer's Best Games of 2015: Best Character” (英語). USgamer. 2021年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月9日閲覧。
- ^ Oxford, Nadia (2017年8月15日). “Why Undertale's End-Game Tops All Other RPG Finales” (英語). USgamer. 2021年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月9日閲覧。
- ^ Favis, Elise (2016年3月26日). “Top 10 Fourth Wall Breaking Moments” (英語). ゲーム・インフォーマー. 2018年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月9日閲覧。
- ^ Furniss, Zack (2016年1月18日). “Zack Furniss' favorite moments of 2015” (英語). デストラクトイド. 2020年11月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月9日閲覧。
- ^ GamesRadar Staff (2018年2月10日). “The best villains in video games” (英語). GamesRadar+. p. 2. 2021年10月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月9日閲覧。
- ^ Colby (2019年9月7日). “Ranking The Main Cast Of Undertale” (英語). TheGamer. 2021年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月9日閲覧。
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