オリンピック宣誓
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/06 20:54 UTC 版)
オリンピック宣誓(オリンピックせんせい)は、近代オリンピック大会において、すべての関係者が誓う宣誓である。
2018年平昌オリンピックからは選手・審判・コーチが一つの宣誓として統一された[1]。
オリンピック大会の開会式で行われる。宣誓者は、開催国の参加選手・審判・コーチから選ばれ、五輪旗の一端を握りながら宣誓するのが慣例となっている。
2020年(2021年に延期されて開催)の東京大会から、宣誓者(特に選手)は男女平等の観点から男女で選ばれる形となった。
宣誓文
統一後
- 2020年
始めに選手・審判・コーチが
- 私たちは全ての選手の名において(選手宣誓者)、私たちは全ての審判員の名において(審判宣誓者)、私たちは全てのコーチおよび役員の名において(コーチ宣誓者)。
と宣誓した後、選手代表が五輪旗の一端を握りながら宣誓文を読み上げる。
- 調和と平等、フェアプレーの精神に則り、競技規則を尊重し、これを守り、ともに連帯して、スポーツがドーピング、不正行為や、あらゆる差別のないものとなることを目指します。私たちはチームの名誉のために、オリンピズムの基本原則に則り、スポーツを通じて世界をより良い場所にするために、このオリンピック(冬季)競技大会に参加することを誓います。
- 2018年
始めに選手・審判・コーチが
- 選手代表(選手宣誓者)。審判代表(審判宣誓者)。コーチ代表(コーチ宣誓者)。
と宣誓した後、選手代表が五輪旗の一端を握りながら宣誓文を読み上げる。
- 私たちは、すべての名において、オリンピック憲章(the fundamental principles of Olympism)に則り、公平なルールを尊重し、スポーツマンシップとフェアプレーの精神を増進させることで、スポーツの栄光と、チームの名誉のため、決してドーピングをしないよう、オリンピック(冬季)競技大会に参加することを誓います[1]。
統一前
- 選手宣誓
- 私たちは、すべての選手の名において、オリンピック憲章に則り、スポーツの栄光と、チームの名誉のために、決してドーピングをしないよう、オリンピック(冬季)競技大会に参加することを誓います。
- 審判宣誓
- 私たちは、すべての審判・役員の名において、オリンピック憲章に則り、公平なルールを尊重し、オリンピック(冬季)競技大会に審判することを誓います。
- コーチ宣誓
- 私たちは、すべてのコーチ・選手の随行者の名において、オリンピック憲章に則り、スポーツマンシップとフェアプレーの精神を増進させることで、オリンピック(冬季)競技大会に参加することを誓います。
歴史
選手宣誓は1920年のアントワープ大会から実施された。審判宣誓は1972年の札幌大会から実施されている。そして2012年のロンドン大会からコーチ宣誓が加わった。なお、2000年のシドニー大会から「ドーピング」、2020年の東京大会から「調和と平等」、「連帯」、「あらゆる差別のないもの」の文言が初めてが使われた。
歴代宣誓者
大会名 | 選手 | 審判 | コーチ |
---|---|---|---|
アントワープオリンピック (1920年) | ビクトル・ボワン | - | - |
シャモニーオリンピック (1924年) | カミーユ・マンドリヨン | - | - |
パリオリンピック (1924年) | ジョルジュ・アンドレ | - | - |
サンモリッツオリンピック (1928年) | ハンス・アイデンベンツ | - | - |
アムステルダムオリンピック (1928年) | ハリー・デニス | - | - |
レークプラシッドオリンピック (1932年) | ジャック・シェイ | - | - |
ロサンゼルスオリンピック (1932年) | ジョージ・カルナン | - | - |
ガルミッシュ=パルテンキルヒェンオリンピック (1936年) | ウィルヘルム・ボグナー | - | - |
ベルリンオリンピック (1936年) | ルドルフ・イスマイヤー | - | - |
サンモリッツオリンピック (1948年) | リカルト・トリアーニ | - | - |
ロンドンオリンピック (1948年) | ドナルド・フィンレー | - | - |
オスロオリンピック (1952年) | トールビョルン・ファルカンゲル | - | - |
ヘルシンキオリンピック (1952年) | ヘイキ・サボライネン | - | - |
コルティナダンペッツォオリンピック (1956年) | ジュリアナ・ケナル・ミヌッツォ | - | - |
メルボルンオリンピック (1956年) | ジョン・ランディ Henri Saint Cyr | - | - |
スコーバレーオリンピック (1960年) | キャロル・ヘイス・ジェンキンス | - | - |
ローマオリンピック (1960年) | アドルフォ・コンソリーニ | - | - |
インスブルックオリンピック (1964年) | パウル・アステ | - | - |
東京オリンピック (1964年) | 小野喬 | - | - |
グルノーブルオリンピック (1968年) | レオ・ラクロア | - | - |
メキシコシティーオリンピック (1968年) | パブロ・ガリド | - | - |
札幌オリンピック (1972年) | 鈴木惠一 | 荒木ふみお | - |
ミュンヘンオリンピック (1972年) | ハイジ・シューラー | ヘインズ・ポラー | - |
インスブルックオリンピック (1976年) | ウェルナー・デル・カルト | ヴィリー・ケスティンガー | - |
モントリオールオリンピック (1976年) | ピエール・サン・ジュアン | モーリス・フォジェ | - |
レークプラシッドオリンピック (1980年) | エリック・ハイデン | テリー・マクダーモット | - |
モスクワオリンピック (1980年) | ニコライ・アンドリアノフ | アレクサンドル・メドベド | - |
サラエボオリンピック (1984年) | ボヤン・クリザイ | ドラガン・ペロヴィッチ | - |
ロサンゼルスオリンピック (1984年) | エドウィン・モーゼス | シャーロン・ウェーバー | - |
カルガリーオリンピック (1988年) | ピエール・ハーベイ | Suzanna Morrow-Francis | - |
ソウルオリンピック (1988年) | 許載 | 李学来 | - |
アルベールビルオリンピック (1992年) | スルヤ・ボナリー | ピエール・ボルナ | - |
バルセロナオリンピック (1992年) | ルイ・ドレステ | オーゲニ・アセンシオ | - |
リレハンメルオリンピック (1994年) | ベーガル・ウルバン | Kari Karing | - |
アトランタオリンピック (1996年) | テレサ・エドワーズ | ホビー・ビングスレー | - |
長野オリンピック (1998年) | 荻原健司 | 平松純子 | - |
シドニーオリンピック (2000年) | レシェル・ホークス | ピーター・カー | - |
ソルトレイクシティオリンピック (2002年) | ジム・シェイ | Allen Church | |
アテネオリンピック (2004年) | ゾイ・ディモスカキ | ラザロス・ヴォレディス | |
トリノオリンピック (2006年) | ジョルジョ・ロッカ | ファビオ・ビアンケッティ | - |
北京オリンピック (2008年) | 張怡寧 | 黄力平 | - |
バンクーバーオリンピック (2010年) | ヘイリー・ウィッケンハイザー | Michel Verrault | |
ロンドンオリンピック (2012年) | サラ・スティーヴンソン | Mik Basi | Eric Farrell |
ソチオリンピック (2014年) | ルスラン・ザハロフ | ヴァチェスラフ・ボデーニン | Anastassia Popkova |
リオデジャネイロオリンピック (2016年) | ロベルト・シェイド | マルティーニ・ノブレ | Adriana Santos |
平昌オリンピック (2018年) | 牟太釩 | 金禹植 | 朴基浩 |
東京オリンピック (2020年) | 山縣亮太 | 加藤将門 | 井上康生 |
石川佳純 | 津崎明日美 | 宇津木麗華 | |
北京オリンピック (2022年) | 王強 | 陶永純 | 季曉鷗 |
劉佳宇 |
脚注
関連項目
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