エイント・シー・スウィートとは? わかりやすく解説

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エイント・シー・スウィート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/31 06:18 UTC 版)

エイント・シー・スウィート」(Ain't She Sweet[注釈 1])は、ジャック・イェレンによって作詞、ミルトン・エーガーによって作曲された楽曲である。1927年にルー・ゴールドとザ・メロディ・メンによってレコーディングが行なわれ、シングルとして発売された。楽曲の出版元はエーガー、イェレン&ボーンスタイン社[2]。20世紀前半に人気を博し、狂乱の20年代における代表作の1つとなった[3]。本作は、エーガーが娘シャナに向けて作曲した楽曲となっている[4][5]


注釈

  1. ^ 疑問符付きの「Ain't She Sweet?」という表記も存在する[1]
  2. ^ a b ウォルター・エヴェレットは、セッションが行なわれた日付を「6月22日 - 24日」とし[9]、本作のレコーディングが行なわれた日付を「24日」と記している[10]イアン・マクドナルドは疑問を添えた上でセッションが「6月22日と23日」に行なわれたものとし[11]、本作のレコーディングが行なわれた日付を「22日」と記している[12]マーク・ルイソンは、セッションの開始・終了時間、録音されたテイク数などの詳細に関する資料が残されていないが、セッションが1日もしくは2日間で行なわれた可能性が高い(関係者の回想では「1日」、資料によっては「6月22日と23日の2日間だけ」とされている)と書いている[13]。また、ルイソンは本作を含む7曲のレコーディングを1回のセッションで完了させ、2日目はトニー・シェリダンやビートルズがいない中での編集作業に費やされた可能性についても述べている[14]
  3. ^ a b マーク・ルイソンイアン・マクドナルドは、レコーディングを行なった場所として「フリードリヒ・ベルト・ハレ」を挙げている[12][15]。ウォルター・エヴェレットは、「フリードリヒ・ベルト・ハレ」(6月22日・23日のセッション)と「スタジオ・ラールシュテット」(6月24日のセッション)の2つを挙げている[10]
  4. ^ ポール・マッカートニーは、1960年初頭にブッキングを得るために書いた営業の手紙の中で、クオリーメンの主要なレパートリーの1つとして本作を挙げている[18]。ビートルズは1960年7月の公演で本作を演奏していて[19]、1960年にスチュアート・サトクリフがスケッチブックに書いたセットリストには本作も含まれている[20]
  5. ^ 当時のハンブルクやリヴァプールでの公演では、ロックを好まない観客からのリクエストに応えるかたちでバラードやスタンダード・ナンバーを演奏することもあった[25]。その中には、後にアルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』でもカバーした「蜜の味」も含まれている[25]
  6. ^ もう1曲はインストゥルメンタルの「クライ・フォー・ア・シャドウ」で[9]、当時は「ビートルズ・ボップ」(Beatle Bop)というタイトルだった[28]
  7. ^ マッカートニーはレコード会社は僕らの名前が気に入らなくて、‘ビート・ブラザーズに変えてくれ。そのほうがドイツ人にはわかりやすいから’と言ってきたんだ。こちらもそれに従ったと語っている[27][37]。当時のドラマーであるピート・ベストは、「ビートルズ」という言葉が男性器を意味するハンブルクのスラングと似ているというクレームを受けて変更したと回想している[38][39]

出典

  1. ^ Laird, Ross (2001). Brunswick Records: Other non-U.S. recordings and indexes. Santa Barbara, California: Greenwood Press. p. 1757. ISBN 978-0-313-31869-6 
  2. ^ Catalog of Copyright Entries, 1927 New Series Vol 22 Part 3. U.S. Govt. Print. Off.. (1927). p. 1. https://archive.org/details/catalogofcopyrig223libr/page/n15/mode/2up 
  3. ^ Womack, Kenneth (2014) [2000]. The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four. Santa Barbara, California: ABC-CLIO. p. 17. ISBN 978-0-313-39172-9 
  4. ^ Hunt, George P., ed (October 11, 1963). “Shana Talks about Shana”. LIFE (Time Inc.) 55 (15): 3. ISSN 0024-3019. https://books.google.co.jp/books?id=WFIEAAAAMBAJ&pg=PA3&dq=Ain%27t+She+Sweet+daughter+Shana&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwiY047g8sb9AhUQhVYBHYVUBjEQ6AF6BAgCEAI#v=onepage&q=Ain't%20She%20Sweet%20daughter%20Shana&f=false. 
  5. ^ Weiser, Marjorie P. K.; Arbeiter, Jean S. (1981). Womanlist. Atheneum. p. 206. ISBN 978-0-689-11083-2 
  6. ^ a b c Tyler 2007, p. 147.
  7. ^ a b c Rust 1975, p. 607.
  8. ^ Hischak, Thomas S. (2019). 1927: A Day-by-Day Chronicle of the Jazz Age's Greatest Year. Lanham, Maryland: Rowman & Littlefield. p. 14. ISBN 978-1-538-11278-6 
  9. ^ a b c d e f g Everett 2001, p. 95.
  10. ^ a b Everett 2001, p. 376n101.
  11. ^ MacDonald 2005, p. 401.
  12. ^ a b c d e f MacDonald 2005, p. 47.
  13. ^ Lewisohn 2013a, pp. 446–447.
  14. ^ Lewisohn 2013b, p. 1542n77.
  15. ^ a b Lewisohn 2013a, p. 446.
  16. ^ Guesdon, Jean-Michel; Margotin, Philippe (2014). All the Songs: The Story Behind Every Beatles Release. New York City: Black Dog & Leventhal Publishers. p. 8. ISBN 978-1-603-76371-4 
  17. ^ a b MacDonald 2005, p. 48n1.
  18. ^ Lewisohn 2013a, pp. 236–237.
  19. ^ Lewisohn 2013b, p. 673.
  20. ^ Lewisohn 2013b, p. 694.
  21. ^ a b Lewisohn 2013b, p. 553n.
  22. ^ a b MacDonald 2005, p. 48.
  23. ^ Lewisohn 1992, p. 365.
  24. ^ The Beatles 2000, p. 68.
  25. ^ a b Dogget & Humphries 2010, p. 37.
  26. ^ MacDonald 2005, p. 47n1.
  27. ^ a b The Beatles 2000, p. 59.
  28. ^ Lewisohn 2013a, p. 450.
  29. ^ Davies 1968, p. 107.
  30. ^ Lewisohn 2013a, pp. 449, 844n53.
  31. ^ マーク・ルイソン『ザ・ビートルズ史 誕生(下)』訳者: 山川真理、吉野由樹、松田ようこ、河出書房新社、東京都渋谷区、2016年、113頁。ISBN 978-4-309-27790-5 
  32. ^ MacDonald 2005, pp. 47, 47n1.
  33. ^ a b c Lewisohn 2013a, p. 449.
  34. ^ a b c d マーク・ルイソン『ザ・ビートルズ史 誕生(下)』訳者: 山川真理、吉野由樹、松田ようこ、河出書房新社、東京都渋谷区、2016年、114頁。ISBN 978-4-309-27790-5 
  35. ^ Kramer 2009, p. 65.
  36. ^ Lewisohn 2013a, p. 450, 844n55.
  37. ^ Havers, Richard (2019年6月22日). “ザ・ビートルズの無名時代の録音:トニー・シェリダン&ザ・ビート・ブラザーズ名義の「My Bonnie」”. uDiscovermusic.jp. UNIVERSAL MUSIC JAPAN. 2023年3月10日閲覧。
  38. ^ Best & Doncaster 1985, p. 107.
  39. ^ Ingham & Mitsui 1987, p. 273.
  40. ^ Lewisohn 2013a, p. 493.
  41. ^ Lewisohn 2013b, p. 916.
  42. ^ Everett 2001, p. 100.
  43. ^ a b Everett 2001, p. 214.
  44. ^ いい娘じゃないか / イフ・ユー・ラヴ・ミー・ベイビー (Single sleeve). ビートルズ. 日本グラモフォン. 1964. DP 1369。
  45. ^ a b Billboard Hot 100”. Billboard (1964年8月22日). 2023年3月14日閲覧。
  46. ^ Womack, Kenneth (2014). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four. Santa Barbara, California: ABC-CLIO. p. 108. ISBN 978-0-313-39172-9 
  47. ^ Everett 2001, p. 376n101, 378n29.
  48. ^ Lewisohn 1988, p. 182.
  49. ^ a b Lewisohn 2013a, p. 844n53.
  50. ^ a b Womack 2014, p. 18.
  51. ^ Kent, David (2009). Australian Chart Book: Australian Chart Chronicles (1940-2008). Turramurra: Australian Chart Book. p. 206. ISBN 978-0-646-51203-7 
  52. ^ “Top 40-5s”. RPM 2 (1). (September 1, 1964). 
  53. ^ The Beatles - Salgshitlisterne Top 20”. Danske Hitlister. 2013年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月28日閲覧。
  54. ^ Hallberg, Eric (1993). Eric Hallberg presenterar Kvällstoppen i P 3: Sveriges radios topplista över veckans 20 mest sålda skivor 10. 7. 1962 - 19. 8. 1975. Drift Musik. p. 130. ISBN 9163021404 
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  56. ^ "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2023年3月28日閲覧。
  57. ^ a b Harrison 1998, p. 13.
  58. ^ Rust, Brian; Debus, Allen G. (1973). The Complete Entertainment Discography, from the Mid-1890s to 1942. Arlington House. p. 159. ISBN 978-0-870-00150-5 
  59. ^ Ackelson, Richard W. (1992). Frank Sinatra: A Complete Recording History of Techiniques, Songs, Composers, Lyricists Arrangers, Sessions, and First-issue Albums, 1939-1984. Jefferson, North Carolina: McFarland. p. 431. ISBN 978-0-899-50554-1 





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