Association for Standardisation of Automation and Measuring Systems
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 14:00 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動略称 | ASAM |
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設立 | 1998年12月1日 |
種類 | 登録団体 |
目的 | 国際標準化 |
本部 | ミュンヘン, ドイツ |
所在地 |
|
貢献地域 | 全世界 |
理事会 |
Prof. Dr. Marcus Rieker Dr. René Grosspietsch Prof. Dr. Frank Köster Dr. Ralf Nörenberg Armin Rupalla Richard Vreeland |
最高業務責任者 | Peter Voss |
相談役 | Dr. Klaus Estenfeld |
ウェブサイト | www.asam.net |
ASAM規格は、UML、XMLやCORBAといった他の公的規格に基づくことから、特定のIT技術やプラットフォームから独立している。さらに、ASAMは、標準化においてISOやAUTOSARなどの他組織と密接に協働している。
歴史
80年代後半と90年代前半の経済危機の中、自動車業界はコスト削減と合理化を大きく強いられた。計測技術とテスト自動化の分野においても同様の圧力がかかった。当分野のツールにおいては、主に互換性のないインタフェースやデータフォーマットが独自に開発されており、様々なツール接続やデータ交換を妨げるものであった。そこで、アウディ、BMW、ダイムラー・ベンツ、ポルシェ、フォルクスワーゲンの開発責任者達が協力し、その先導により、1991年に自動化/測定システム(ASAM)の標準化のための作業グループが生まれた。OEMメーカーが一方的に標準を決定し、サプライヤーに順守させていた以前の標準化団体とは異なり、ASAMでは、最初から対等なパートナーとしてサプライヤーを標準の開発に関与させた。このようにして、彼らの技術ノウハウが反映された規格は、費用対効果をもって製品とサービスに実践できるようになった。
標準開発は、1996年にEUのプロジェクトSTAUMECSによって推進された。規格の数と重要性が着実に増したことから、1998年12月1日シュトゥットガルトに、標準を合法的に管理して配信するASAM e. V.が設立された。
沿革
- 1998年: 登録団体として、ASAM e. V.が設立。初代会長は、ダイムラークライスラーから、最高業務責任者は、BMWから就任。
- 1999年: 米国にASAM-共益団体ができる。
- 2001年: 北米、ミシガン州オーバーンヒルズのダイムラークライスラーで最初のASAM Techday。
- 2002年: ASAM CEA最初のリリース。
ASAMにおけるMSR規格の組込み。 - 2003年: 会員数は米国、日本、フランス、スウェーデンの企業も含め、100を超える。
ASAM MCD-3最初のリリース。 - 2004年: 役員会は、ツールメーカーにASAMに適合するツール開発のために18ヶ月を与え、その間新しい規格のリリースを停止することを決定する。
ASAM MCD-2 NET (FIBEX)の最初のリリース。
ASAM ODS 5.0は、ISOによって受け入れられ、ISO 22720として承認された。 - 2005年: ASAMの海外拠点として、米国にASAM LLCを設立。
- 2006年: ケーススタディや会員/製品リストを含む、最初のASAMソリューションガイドが公開される。
ASAM CDF最初のリリース
ASAM MDX最初のリリース
ASAM MBFS最初のリリース
公式ASAMチェッカーツール最初のリリース:A2Lチェッカー、ODSモデルとデータチェッカー - 2007年: インドにASAMの海外拠点を設立
ASAM FSXの最初のリリース - 2008年: 規格開発の技術的管理のため、TSC(テクニカル運営委員会)設置。
ASAM LXF最初のリリース - 2009年: ASAM HIL最初のリリース
ASAM規格としてMDF採用し、ASAM MDFとして最初のリリース - 2010年: 会員総会は、ASAMの会員のみがASAM規格を無料で利用できることを決定した。非会員は、規格を購入することにより、開発費用の一部を負担する。
- 2011年: ODSコンパニオン規格作成のため、米国で最初のローカルプロジェクトグループ編制。
日本でASAM共益団体ができる。 - 2012年: ASAM MCD-3 MCを2つの独立した規格に分離:ASAM MCD-3 MC とASAM MCD-3D
ASAM ATX最初のリリース - 2013年: ASAM HILからASAM XILに改名し、Standard-API の大半を導入したオープンソフトウェアを伴うASAM XIL 2.0 をリリース
- 2021年:ASAM SCDL最初のリリース
会員
ASAMは、世界中に130以上の法人会員を擁している。ASAMは、特に自動車産業に会員資格を制限しているわけでないが、主要な会員企業として、BMW、ボッシュ、コンチネンタル、ダイムラー、デンソー、デルファイ、GM、ホンダ、PSA、SAIC、トヨタ、TRW、フォルクスワーゲン、ボルボなど、自動車業界が占める。
会員企業は、大きく3つに分類することができる:
- エンドユーザー:主にASAM規格に沿ってツールやプロセスを適用するOEMメーカーやそのサプライヤー
- ASAMシステムサプライヤー:ASAM規格をツールに活用し、エンジニアリングサービスを提供するツールメーカーとサービスベンダー
- 教育機関:大学と研究機関
会員は、従業員数で算出される年会費を支払う。これによって、ASAM規格やチェッカー・ツールへ無料でアクセスでき、ツールの開発やサービスの範囲で使用することができる。これに加え会員は、規格の変更や開発を提案したり、その他の開発に参加する資格を与えられる。
通常、主要なOEMメーカーおよびサプライヤーは、独自による、内部で開発されたシステムを補うことや、個々のツールメーカーやコストのかかる独自開発に依存する必要がないという理由で、規格に強い関心を持つ。ASAM規格を使用することで、OEMメーカーやサプライヤーは、テスト/開発システムを何度も再利用することが可能となり、長期的にも有意である。
ASAMのシステムサプライヤーにとっても、規格を通じて自社製品に対して、世界的なOEM市場での独立性を得ることができることから、明らかに有利となる。要するに規格は、世界中のエンドユーザーへの労力/費用がかかるカスタム開発なしに、製品を販売することを可能にさせ、加えて開発コストを最小限に抑え、収益を最大化させる。さらに積極的に規格の開発に関与する企業は、「first-to-market」という優位性を得る。
ASAMの強みは、膨大な数のシステムサプライヤーを擁していることにある。会員企業のほぼ三分の二は、このグループに属する。このため、大規模な範囲でASAM適合のツールやサービスを利用することが可能である。専門家によれば、MCDシステム用だけでも、世界中に約500の製品があるという。
- 1 Association for Standardisation of Automation and Measuring Systemsとは
- 2 Association for Standardisation of Automation and Measuring Systemsの概要
- 3 組織構造
- 4 規格の開発プロセス
- 5 規格ポートフォリオ
- 6 参考文献
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