フィンランドの国旗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 15:37 UTC 版)
その他の決まり
フィンランドの法律では、国旗を破壊したり、不敬な扱いをすることを禁止している。同時に、許可なく旗柱から国旗を取り除く行為も違法とされている。これらの規定を犯した者は、罰金刑を受ける可能性がある。
更にフィンランドの法律では、許可なく大統領旗や政府公用旗を使用することや国旗に勝手に別の意匠を追加する行為を禁止している。この一つとして、法律で規定された旗と異なる色や形状の旗を販売することは出来ない。これらに違反すると、罰金刑に処される可能性がある。
加えて、国旗を敬意をもって扱う一般的なルールがある。
- 国旗は、汚れていたり痛んでいてはいけない。
- 国旗は地面に触れてはならない。
- 国旗を洗う場合は、室内で乾かさなければならない。
- 使い古した国旗を処分する際は、燃やす[注釈 4]か国旗であったことが分からなくなるまで裁断する。
- 国旗は地中に埋めたり、海に捨ててはならない[注釈 5]。
ヨットクラブ用海上旗
フィンランド国旗の特例として、フィンランドの登録されたヨットクラブであれば、承認を受けたヨットクラブのエンブレムを追加した旗をヨットで使うことが許可されている。この海上旗は、通常の市民海上旗(通常の国旗)の青いスカンディナヴィア十字の上に細く白いスカンディナヴィア十字[注釈 6]を追加し、旗の左上の白い部分にヨットクラブのエンブレムを配置する。多くのヨットクラブでは、この海上旗をヨットクラブのメンバーに配布し、彼らが良く使用している。ただし、ヨットクラブのメンバーには、混乱を避けるためこのヨットクラブ用海上旗をフィンランド領海外で使用することを非推奨としている。しかしながら、公式にはヨットクラブ用海上旗はフィンランド国外でも有効であるとされている[7]。
変遷
大公国時代
?フィンランド大公国の国旗(1809年から1917年)、ロシア帝国の国旗と同一
?クリミア戦争で一時的(1853年から1856年まで)に使用された商船旗「セントジョージ旗」
?フィンランド大公国の商船旗(1869年–1920年)
?フィンランド大公国の非公式の旗(赤と黄の縞模様)
?フィンランド大公国の非公式の旗(青と白の縞模様)
王政時代
?フィンランド王国に一時的に使用された国旗(1917年12月から1918年5月まで)
?フィンランド王国の国旗(1918年)
?フィンランド王国の国旗(1918年–1920年)
?フィンランド王国の政府旗(1918年–1920年)
?フィンランド王国の軍旗(1918年–1920年)
?フィンランド王国の摂政の旗(1918年–1920年)
?フィンランド王国の商船旗(1918年)
共和政時代以降
?フィンランド共和国の国旗(1918年–1920年)
?政府用旗(1920年–1978年)
?軍旗(1920年–1978年)
?大統領旗(1944年-1946年)
?大統領旗(1921年-1944年、1946年-1978年)
注釈
- ^ 当時のギリシャの国旗は、青字に白色の対称十字(聖ゲオルギウス十字と同形)の旗であった。
- ^ 青色の濃さが現在の旗とは異なる。
- ^ ただし、警察と地方裁判所は除く
- ^ ただし、国旗に対する不敬なく。
- ^ その他のごみと一緒にしてもならない。
- ^ 旗の比率11:18の内、1に当たる幅の3/5の幅のスカンディナヴィア十字。
脚注
- ^ Jeroen Temperman. “State Religion Relationships and Human Rights Law”. Martinus Nijhoff Publishers. 2007年12月31日閲覧。 “Many predominantly Christian states show a cross, symbolising Christianity, on their national flag. Scandinavian crosses or Nordic crosses on the flags of the Nordic countries–Denmark, Finland, Iceland, Norway and Sweden–also represent Christianity.”
- ^ Carol A. Foley. “The Australian Flag: Colonial Relic or Contemporary Icon”. William Gaunt & Sons. 2007年12月31日閲覧。 “The Christian cross, for instance, is one of the oldest and most widely used symbols in the world, and many European countries, such as the United Kingdom, Norway, Sweden, Finland, Denmark, Iceland, Greece and Switzerland, adopted and currently retain the Christian cross on their national flags.”
- ^ Andrew Evans. “Iceland”. Bradt. 2007年12月31日閲覧。 “Legend states that a red cloth with the white cross simply fell from the sky in the middle of the 13th-century Battle of Valdemar, after which the Danes were victorious. As a badge of divine right, Denmark flew its cross in the other Scandinavian countries it ruled and as each nation gained independence, they incorporated the Christian symbol.”
- ^ Laki Suomen lipusta (380/1978). 4 §. Retrieved 2007-10-03. (フィンランド語)
- ^ Laki Suomen lipusta (380/1978). 5 §. Retrieved 2007-10-03. (フィンランド語)
- ^ Asetus Suomen lipusta (383/1978). 3–4 §. Retrieved 2007-10-03. (フィンランド語)
- ^ Laki Suomen lipusta (380/1978). 4.2 §. Retrieved 2007-10-03. (フィンランド語)
- 1 フィンランドの国旗とは
- 2 フィンランドの国旗の概要
- 3 その他の決まり
- 4 関連項目
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