USPSA
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USPSAのロゴ
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| 略称 | USPSA |
|---|---|
| 設立 | 1984年 |
| 種類 | 射撃競技団体 |
| 本部 | アメリカ合衆国ワシントン州セドロウーリー |
| 貢献地域 | アメリカ合衆国 |
| マネージング・ディレクター | アラン・ターナー |
| 上部組織 | International Practical Shooting Confederation |
| 下部組織 | スティールチャレンジ |
| ウェブサイト | uspsa |
United States Practical Shooting Association(USPSA)は、アメリカ合衆国におけるプラクティカルシューティング競技の統括団体である。1976年に設立された国際競技団体であるInternational Practical Shooting Confederation(IPSC)のアメリカ地域組織として活動しており、全米における競技会の運営や競技規則の策定、競技者の育成などを担っている。
4万2,000人以上の会員と500以上の加盟クラブを有し、ハンドガン、ライフル、ショットガンおよび、それら銃器を組み合わせたマルチガン競技などを運営している[1]。
また、会員向け機関誌『Front Sight』を発行し、National Range Officers Institute(NROI)を通じて競技運営者の教育・認定を行っている。
歴史
プラクティカルシューティング競技の起源は、1950年代のアメリカで行われていた早撃ち競技や、護身用ハンドガンの実用的な射撃技術を比較する競技にまで遡る。1960年代から1970年代にかけて、ジェフ・クーパーをはじめとするシューターたちが、射撃速度、命中精度、使用する銃器の威力を総合的に評価する競技理念とルールの基礎を築き、現在のプラクティカルシューティングへと発展させた。
1976年、ミズーリ州コロンビアで各国の実用射撃関係者による会議が開かれ、International Practical Shooting Confederationが設立された[2]。同会議では、競技の基本原則、競技規則、安全管理および国際組織の運営方針が定められた。
1984年、USPSAはIPSCのアメリカ地域の運営団体として法人化された。USPSAへの加入には、IPSCアメリカ地域の会員資格も含まれる[2]。
競技では基本的にシューターがコース内を移動しながら複数の標的を射撃する形式として発展した。この形式は一般に「ラン・アンド・ガン」とも呼ばれる。
2007年12月、USPSAはマイク・ダルトンとマイク・フィッチマンからスティールチャレンジ(Steel Challenge)および、その運営団体であるSteel Challenge Shooting Associationを買収、以降はUSPSAの運営のもと、ローカル競技や全米大会、世界選手権が運営されている[3]。
組織
USPSAはアメリカ合衆国で登録された非営利法人であり、本部をワシントン州セドロウーリーに置く[4]。組織は全米を8つのエリアに分けて運営される。各エリアから選出されたエリア・ディレクターが理事会に参加する。
各エリアはさらに複数のセクションに分けられ、セクション・コーディネーターが加盟クラブ間の調整や、ナショナル選手権の出場枠の配分などを担当する。
エリア
エリア1 - アラスカ州、アイダホ州、モンタナ州、ネバダ州、オレゴン州、ユタ州、ワシントン州、ワイオミング州
エリア2 - アリゾナ州、カリフォルニア州、コロラド州、ハワイ州、ニューメキシコ州
エリア3 - アイオワ州、カンザス州、ミネソタ州、ミズーリ州、ノースダコタ州、ネブラスカ州、サウスダコタ州
エリア4 - アーカンソー州、ルイジアナ州、オクラホマ州、テキサス州
エリア5 - イリノイ州、インディアナ州、ケンタッキー州、ミシガン州、オハイオ州、ウィスコンシン州、ウェストバージニア州
エリア6 - アラバマ州、フロリダ州、ジョージア州、ミシシッピ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、テネシー州
エリア7 - コネチカット州、メイン州、マサチューセッツ州、ニューハンプシャー州、ニューヨーク州、ロードアイランド州、バーモント州
エリア8 - ワシントンD.C.、デラウェア州、メリーランド州、ペンシルベニア州、ニュージャージー州、バージニア州
理事会
理事会は、全会員によって選出されるディレクター・アット・ラージと、8人のエリア・ディレクターによって構成される。理事会は、競技規則、予算、会員制度、ナショナル選手権の開催方針、IPSCや他の射撃団体との関係、NROIの方針などを審議する。
競技
USPSAの競技では、競技者が「ステージ」と呼ばれる射撃コースを移動しながら、紙標的やスチール標的を射撃する。競技コースには、移動、リロード、複数標的への射撃、バリケードの使用、座射、伏射、片手射撃などが組み込まれる場合がある。各ステージの射撃手順は異なり、競技者は安全規則の範囲内で射撃順序、移動経路、リロード位置などを選択する。
競技部門
USPSAでは、使用する銃器、照準器、マガジン容量、改造範囲などによってディビジョン(部門)が分けられている。
ハンドガン
- Open Division
- Open部門は、ハンドガンに認められるカスタマイズの範囲が最も広いディビジョンである。ドットサイト(光学照準器)やコンペンセイター、大容量マガジン(170mmまでの長さが上限であり装弾数の規定はない)などの使用が認められており、2011系のハンドガンが最も人気が高くシェアの大半を占めている。またパワーファクターが設定され、9×19mm弾をMajorパワーファクターに引き上げる強装弾や.38 Super系アモが使用される。
- Limited Division
- Limited部門では、ハンドガン本体や操作部品の幅広いカスタマイズが認められている一方、ドットサイトとコンペンセイターの使用は禁止されている。マガジンは140mmまでとなっており、規定のゲージに収まれば装弾数に制限はない。そのためダブルスタックマガジンを採用した2011系ピストルが高いシェアを占めており、Majorパワーファクターとして採点を受けるには、原則として.40口径以上のアモを使用する必要がある。
- Limited 10 Division
- Limited 10はLimited部門と基本的には同一のルールだが、大きな違いはマガジンに装填できる弾数が10発に制限される点にある。当時、1994年に制定されたアサルトウエポン規制による一般市販のマガジン容量制限を背景として設けられた。
- Production Division
- Production部門は一般に市販されているダブルアクション、ダブルアクションオンリー、またはストライカー方式のハンドガンを使用するディビジョンである(その為、1911/2011系ハンドガンのようなシングルアクションのモデルは使用できない)。発足当初は市販状態に近い仕様での競技を目的としており、内部パーツの調整を除いてチューンナップ等は最小限に制限されていた。しかし、その後のルール改正により、現在では一定範囲のカスタマイズが認められている。ドットサイトやコンペンセイターの使用は禁止されており、採点はすべてMinorパワーファクターで行われることから9×19mm弾を使用するハンドガンが主流となっている。また、近年のルール改正により、マガジン装弾数の上限は10発から15発へ引き上げられた。使用可能なモデルはUSPSAのProduction Gun Listに記載されているものに限定される。重量の上限は59オンス(約1,673g)。
- Carry Optics Divsion
- Carry OpticsはProduction部門で使用許可が出ているモデルのスライドに小型のドットサイトを装着して使用するディビジョンである。2015年に暫定ディビジョンとして導入され、大きな人気を得て正式部門となった。採点はMinorのみ。マガジンは140mm以内で装弾数の制限はない。重量の上限は59オンス(約1,673g)。
- Limited Optics Division
- Limited OpticsはLimited部門のルールに準じているが、ドットサイトの使用が許可されている。Carry Optics部門と比較するとシングルアクショントリガーの1911/2011系も使用可能で幅広い改造が認められるがコンペンセイターやポーテッドバレルは使用できない。採点はMinorのみである。
- Single Stack Division
- Single Stack部門はシングルスタックマガジンを使用する1911スタイルのハンドガンのみを対象としたディビジョンである。Limited部門のようなスライドの軽量加工など大幅な改造は認められておらず、1911本来の外観と基本デザインを維持することが前提となっている。2006年に暫定ディビジョンとして導入され、その後、正式部門へ昇格した。MajorとMinorの両パワーファクターでの参加が認められているが、それぞれに異なる特徴がある。Majorでは高い得点係数が適用される一方、マガジン装弾数は通常8発に制限される。これに対しMinorでは装弾数が通常10発まで認められており、参加者は得点効率と装弾数のどちらを重視するかに応じてパワーファクターを選択する。
- Revolver Division
- Revolver部門は、その名の通りリボルバーだけを使用して競技を行うディビジョンである。Majorパワーファクターでは6発、Minorパワーファクターでは最大8発を発射した後にリロードを行う規則が適用される。競技ではリロードが圧倒的に短縮されることから、シリンダー内の全弾を一度に装填・排出できるムーンクリップに対応した競技用リボルバーが主流となっている。ポーテッドバレルやコンペンセイター、ドットサイトは使用できない。
- Pistol Caliber Carbine Division
- Pistol Caliber Carbine(PCC)部門はピストルカートリッジを使用するカービンをハンドガン用ステージで使用して競技を行うディビジョンである。ドットサイト、マズルブレーキ、レーザーサイトなどの使用が認められており、採点はMinorパワーファクターのみが適用される。またマガジン装弾数に上限は設けられていない。開催地の法令で認められ、必要な許可を取得している場合にはSBR(Short Barreled Rifle:ショートバレルドライフル)の使用も認められている。ハンドガンより圧倒的に有利な分、近距離でのドットサイトとの視差、リロードがしづらい面、バリケードなど入り組んだステージ構成ではハンドガンより不利な面もある。
ライフル
USPSAのライフル競技では、近距離から長距離までの標的が設置され、立射、膝射、伏射、支持物を利用した射撃などが行われる。
主な部門には以下がある。
Open - 複数のスコープ、バイポッドなどを使用できる
Tactical - スコープは原則として1基に制限される
Limited - ドットサイトまたはアイアンサイトを中心に使用する
ショットガン
ショットガン競技では、散弾やスラッグ弾を使い分けて標的を射撃する。
Open - 光学照準器、コンペンセイター、着脱式マガジン、スピードローダーなどを使用できる。
Limited/Tactical - チューブマガジンとアイアンサイトを使用する。
Heavy Metal - 12ゲージのポンプアクション式散弾銃を使用する。
マルチガン
マルチガンでは、拳銃、小銃、散弾銃のうち複数の銃器を同じ大会またはステージで使用する。
各ディビジョンは、使用する拳銃、小銃、散弾銃の装備規定の組み合わせによって構成される。
主なディビジョンにはOpen、Tactical、Limited、Heavy Metal Tactical、Heavy Metal Limitedなどがある。
採点方式
USPSAでは、主としてComstock方式とTime Plus方式が使用される。
Comstock方式
ハンドガン競技の多くでは、命中点と所要時間を組み合わせたComstock方式が採用される。
標的から得た得点からペナルティーを差し引き、その数値をステージの所要時間で割ってヒットファクターを算出する。ヒットファクターは、1秒当たりに獲得した得点を表す。
各ディビジョンで最も高いヒットファクターを記録した競技者には、そのステージに設定された満点が与えられる。
他の競技者のステージポイントは、最高ヒットファクターに対する自身のヒットファクターの比率から計算される。各ステージで得たポイントを合計し、ディビジョンごとの最終順位を決定する。
Time Plus方式
Time Plus方式では、射撃に要した時間へ、ミスや手順違反などのペナルティー時間を加算する。
主にマルチガン競技で使用されることがある。ヒットファクター方式と異なり、MajorとMinorによる得点差を使用しない場合がある。
その他の採点方式
競技内容によって、Virginia Count、Fixed Time、Limited Time Comstockなどが使用されることもある。
パワーファクター
パワーファクターは、使用する弾薬の弾頭重量と弾速から計算する。
USPSAのハンドガン競技では、一般に以下の基準が使用される。
Minor - 125以上
Major - 165以上
大会では弾薬を無作為に採取し、クロノグラフで弾速を測定する場合がある。
得点差
紙標的の一般的な得点は以下のとおりである。
Aゾーン - Major、Minorともに5点
Cゾーン - Majorは4点、Minorは3点
Dゾーン - Majorは2点、Minorは1点
Majorでは標的の中心部を外した場合の失点がMinorより小さい。一方、通常は反動が大きく、マガジン容量が少なくなる場合がある。
Production、Carry Optics、Limited Optics、Pistol Caliber CarbineなどはMinor採点のみである。
クラス分け
USPSAではClassifier Stageと呼ばれる規定コースの成績によって、シューターのシューティングスキルのレベルをディビジョンごとに分類する。
競技者の成績は、各Classifierの基準となるHigh Hit Factorに対する割合で評価される。
- Grand Master - 95%以上
- Master - 85%以上95%未満
- A Class - 75*以上85%未満
- B Class - 60%以上75%未満
- C Class - 40%以上60%未満
- D Class - 40%未満
クラスはディビジョンごとに個別に認定される。このため、同じ競技者があるディビジョンではGrand Master、別のディビジョンではA Classとなる場合がある。
日本人で初のグランドマスター(GM)となったのはトップシューターであり、銃器専門誌のテクニカルライターとして知られる鮫島宗貴。
競技運営者
USPSAの競技運営者は、National Range Officers Instituteによって教育・認定される。
NROIは競技規則、安全管理、ステージ設計、競技中の判定などについて研修を行う。
主な資格は以下のとおりである。
- Range Officer(RO)
- Chief Range Officer(CRO)
- Range Master(RM)
- Range Master Instructor(RMI)
Range Officerは、各競技者へ開始命令を出し、安全な銃器操作を監視し、射撃終了後の採点を行う。
Range Masterは大会全体の規則適用や、競技者から提出された異議の処理などを担当する。
スティールチャレンジ
2007年12月、USPSAは射撃時間を競い合う、スティールチャレンジ(Steel Challenge)とそれを運営するSteel Challenge Shooting Associationを創設者のマイク・ダルトンとマイク・フィッチマンから取得した[3]。
スティールチャレンジでは、競技者は射撃ボックス内から5枚の鋼鉄標的を射撃する。指定されたストッププレートを最後に撃つことで計時を終了する。
各ステージは通常5回射撃し、最も遅い1回を除いた4回分の時間を合計する。一部のステージでは異なる回数が適用される。
USPSAの一般的な競技が、移動、命中点、所要時間を組み合わせて評価するのに対し、Steel Challengeでは主として射撃時間によって順位を決定する。
USPSAとSteel Challenge Shooting Associationは、会員番号、クラブ制度、競技結果の管理システムなどを共有している。
主な大会
- USPSA Handgun Nationals
- USPSA Multigun Nationals
- USPSA PCC Nationals
- USPSA Carry Optics Nationals
- USPSA Production Nationals
- USPSA Area Championships
- IPSC US Handgun Championship
ナショナルチャンピオン
USPSAでは、各ディビジョンのナショナル選手権を開催している。競技部門の新設や統廃合が行われているため、年度によって実施されたディビジョンは異なる。公式サイトでは1977年以降のナショナルチャンピオンが掲載されている[4]。
近年の主なチャンピオン
2020年
- Open - クリスチャン・セイラー
- Limited - メイソン・レーン
- Production - ジェイコブ・ヘザリントン
- Carry Optics - マックス・ミッシェル・ジュニア
- PCC - マックス・レオグランディス
2021年
- Open - クリスチャン・セイラー
- Limited - メイソン・レーン
- Production - ニルス・ヨナソン
- Carry Optics - サイモン・JJ・ラカザ
- PCC - マックス・レオグランディス
2022年
- Open - アーロン・エディンズ
- Limited - ニルス・ヨナソン
- Production - ニルス・ヨナソン
- Carry Optics - ニルス・ヨナソン
- PCC - マックス・レオグランディス
2023年
- Open - クリスチャン・セイラー
- Limited - スコット・ブラウン
- Production - マイケル・ポギー
- Carry Optics - マックス・レオグランディス
- PCC - マックス・レオグランディス
2024年
- Open - クリスチャン・セイラー
- Limited - ジョセフ・ザウアーランド
- Production - マイケル・ポギー
- Carry Optics - マックス・レオグランディス
- PCC - クリスチャン・セイラー
外国籍の競技者が総合優勝した年度には、公式記録上、最高順位のアメリカ人競技者が併記される場合がある。
主な競技者
- ロブ・リーサム
- ジェリー・バーンハート
- トッド・ジャレット
- ジェリー・ミチュレック
- マックス・ミッシェル・ジュニア
- K・C・ユセビオ
- ベン・ストーガー
- ニルス・ジョナソン
- エリック・グラッフェル
- クリスチャン・セイラー
- タラン・バトラー
脚注
- ↑ “About USPSA” (英語). USPSA. United States Practical Shooting Association. 2026年7月15日閲覧。
- 1 2 “History of Practical Shooting” (英語). USPSA. United States Practical Shooting Association. 2026年7月15日閲覧。
- 1 2 “USPSA Acquires Steel Challenge” (英語). Steel Challenge (2007年12月14日). 2026年7月15日閲覧。
- 1 2 “USPSA National Championships” (英語). USPSA. United States Practical Shooting Association. 2026年7月15日閲覧。
関連項目
外部リンク
- USPSAのページへのリンク